日本共産党水戸市議団の土田記代美です。会派を代表し只今から通告に従い代表質問を行います。市長の政治姿勢について質問をいたします。高橋市長には、誠実かつ明快に、市民が納得できるご答弁をお願いいたします。

1.はじめに、まちなか再生と市民の利益について伺います。

ア)まず、再開発とマンション補助について伺います。高橋市長は4大プロジェクトで莫大な税金をつぎ込み、今後、市民は将来にわたって大きな借金を背負わされます。一方で、この間、市民サービスの縮小、教育や福祉予算の縮減や民間丸投げ等で、市民の利益が損なわれてきたと考えます。多くの市民は「今は4大プロジェクトにお金がかかるから仕方がない」と思ったり、4大プロジェクトがおわれば少しは他にも予算がまわるだろう、と期待もしていました。ところが、最後の市民会館完成で4大プロジェクトが終わった途端、またぞろ市民生活には関係のない再開発計画やマンション建設への多額の補助が目白押しです。現在工事中の水戸駅前三の丸地区、今後は泉町中央ビル、南町3丁目自由広場でも再開発、また泉町広小路、南町旧プリンスビル周辺でマンション建設、と、どれも大きな民間マンションが建つという計画ですが、そこに市が次々補助金をつぎ込むことで市民にとっていったいなん利益があるのでしょうか。市民にとっての必要性は元より、市民の税金をつかう大前提である‘公共性’はどこにあるのか、お答え願います。

これは(チラシ)本市が39億円も補助金をつぎ込む三の丸のマンションの広告です。高級志向のマンションで、販売価格は書かれていませんが、今、都内や、地方でも大きな政令都市では、マンションバブルがきているといわれていますが、そもそもこうしたマンションを誰が買うのか。まちなかのマンション乱立が、水戸市の定着人口増加につながる可能性があるのかも疑問です。マンションバブルは、投資目的や、都市部や海外の富裕層のセカンドハウス、節税対策の富裕高齢層などが、かなりの消費を占めているという見方もあり、また、地方都市では供給過多により売れ残りや不良資産化のリスクも高いといわれています。いずれにしても、多くの市民にとってなんの利益もない民間企業のマンション建設に、血税をつぎ込むのはやめることを強くもとめます。市が補助金を入れなくても、採算がとれ売れるマンションなら、民間は自前で作ります。そもそも、市の補助ありきの計画自体が、市民の利益からかけ離れた利権の構図や、税金を食い物にするムダな建設事業ではないのかという疑念を生んでしまうものと考えます。高橋市長には、市民の願いに応え市民が納得できる市政運営をしていくためにも、まちなかのマンション開発に偏った計画と予算の在り方を根本から見直すことを求めますが、お答えください。

 答弁:市長

はじめに,まちなか再生と市民の利益についてのご質問のうち,再開発とマンション建設への補助についてでございますが,本市では,国道50号を軸とした都市核において,まちなか居住や企業誘致を推進するなど,居住,商業,業務をはじめとする都市機能の集積を図りながら,にぎわいあふれる中心市街地の再生に取り組んでおります。

私は,まちの顔である中心市街地を一種の公共財として捉え,民間の事業に対しましても,魅力の向上や地域経済の発展等に資するものについては,財政規律を守りながら,可能な範囲で支援を行い,地区全体の底上げを図っていくことが必要であると考えており,これは,水戸市中心市街地活性化基本計画における理念でもあります。

そのような中,現在,水戸駅前三の丸地区において市街地再開発事業が,泉町1丁目広小路地区及び南町3丁目北地区において優良建築物等整備事業が進められております。

これら再開発事業等については,居住,商業,業務機能等を配置することとなっており,整備により,まちなかの活性化に加え,まちなか居住の促進や災害に強いまちづくりが図られるとともに,税収面でも大きな効果が得られるなど,公共性の高い事業であると考えております。

そのため,大変厳しい財政状況ではありますが,安全,安心,快適なまちづくりを実現するために,財政の健全性を確保しながら,可能な範囲で支援を行うこととしたものであります。

一方,南町3丁目南地区及び泉町2丁目北地区においては,地元の権利者により市街地再開発準備組合が組織され,それぞれ事業化に向けた検討が進められております。これらの事業化に当たっては,市場性,採算性,実現性,優先性,市の財政状況等の観点から総合的に検討する必要があることから,地元の検討状況を注視してまいりたいと考えております。

「みらいに躍動する魁のまち・水戸」の実現に向け,今後とも,都市機能や居住の誘導を図るなど,県都にふさわしい魅力と活力あふれる中心市街地の再生に取り組んでまいります。

 イ)次に市民会館について伺います

今年4月分の入札結果報告で、市民会館の地下駐車場天井部改修工事1375万円を竹中工務店が随意契約で請け負っていました。365億円もかけながら、開館から1年もたたず、さらに追加の工事が必要になったということですが、議会にも特別委員会にもまったく説明がなく、またしても、この入札結果の表を目を皿にして見ていなければ気がつかない、というやり方です。搬入の大型車両の高さや動線をきちんと考慮せず、私も度々指摘し続けてきましたが、ホールを使う立場からの様々な意見を無視し続けた、そもそも設計のミスではないか、と考えますがいかがですか。ご答弁願います。

高橋市長の大型プロジェクトは、莫大な建設費をかけながら、できた途端に不具合やら設計ミスが出てきては追加工事・改修工事でさらにお金がかかるということが繰り返されています。東町体育館や本庁舎もどれだけ直したかわかりませんが、血税をつぎこむ建設工事にこれ以上のムダや追加予算がかからないようにすること、特に莫大な事業費をかけてきた市民会館につぎ込む予算は、透明性をもって、もれなく議会や市民にきちんと説明することを求めます。

また、利用者数についてですが、開館から100万人を超えたといっても、各扉から施設に入った人数をカウントしているだけで、ただ通っただけでも、また1人で何度もカウントされるような数字であり、現実の動員数とは乖離していることは、市長もよくご存じと思います。実際の利用はどうだったのか、その数字もようやく出ましたので質問します。

大ホール15万9千人、中ホール3万7千人、小ホール1万8千人、と、合わせても21万4千人の利用です。これは旧市民会館の年約30万人の利用よりも少ない結果でした。しかも旧市民会館は1004席のホールひとつだったのに対して、大ホール2000席、中ホール482席、小ホール192席というキャパがあることを考えれば、本来、少なくとも旧市民会館の2~3倍くらいの利用があってもいいわけです。開館した年と、その後2.3年くらいはご祝儀相場というようなこともあるだろうと思いましたが、やはり使い勝手の悪さと市民へのなじみのなさが、1年目でもこの数なのだと思います。通ってくださった100万人に浮かれている場合ではなく、今後、せめて市民に活用される施設にしていくために地に足の着いた運営が必要と考えますがいかがでしょうか。数年後、将来を見据えた文化政策として、指定管理者まかせではなく、本市が市民への責任を果たすべきですが、市長のお考えを伺います。

答弁:市長

次に,市民会館についてお答えいたします。

水戸市民会館につきましては,著名なアーティストのコンサートやミュージカルの公演をはじめ,市民の文化活動の発表の場としての活用や大規模コンベンションの開催などにより,市内外から大変多くの方々にお越しいただいております。

また,多くの学生が勉強や歓談にラウンジやロビー等を利用し,若者の交流の場になるなど,日常的に訪れたくなる居心地の良い場所(サードプレイス)として好評を博しており,開館から10か月で来館者数が100万人を達成したところであります。

議員の御質問にありました地下駐車場の天井部については,イベント主催者等の更なる利便性の向上を図り,市民会館がより選ばれる施設となるため,地下駐車場の高さ制限を緩和し,搬入用のトラック等がスムーズに出入りできるよう,施設の改修を進めているところであります。今回の改修により,さらに多くの方に市民会館を御利用いただけるものと考えております。

次に,グロービスホールと旧市民会館の利用者数の比較についてでありますが,旧市民会館の年間利用者数30万人は,ホール,会議室等の各施設の利用者数を積み上げたものとなっており,グロービスホール利用者数の約15万9千人については,施設の一部であることからも,旧市民会館の30万人とは捉え方が異なるものであります。

今後とも,魅力あるアーティストの公演や大規模イベント等の誘致を進め,こどもから大人まで,幅広い年代の方が楽しめる,施設運営に積極的に取り組むとともに,さらなるにぎわいの創出と交流人口の増加を推進してまいります。

 

ウ)さらに、これまで市長は、市民会館はまちなか再生の起爆剤、これができればまちなかに人が来る、その人たちにまちを回遊してもらう、と、言い続けてきましたが、開館からまもなく1年、手応えはいかがでしょうか。私たちは、そもそもハコモノで賑わいがつくれるという発想が時代遅れだといってきましたが、交流人口の増加、インバウンドの増加を目指すといいながら、そのためのお金の使い方があまりにもズレているといわざるを得ず、質問します。これは(写真)まちなかのあちこちにある案内図です。以前、京成百貨店前の案内板が古すぎると質問しましたが、先日まちを歩いてみましたら、どの案内図もこの状態で、起爆剤の市民会館はどこにも書かれていません。まちを回遊してもらいたい観光客を迷わせる地図を、いつまでこのままにしておくのか、市民会館や再開発にかける予算はじゃんじゃん出てくるのに水戸市には地図を更新する予算もないのかと、疑問だらけです。市長は、これで本気でまちなかの再生を考えているのか、ご答弁願います。

答弁:市長

本市では,水戸ならではの芸術,文化,歴史等の交流拠点の魅力を向上させるとともに,拠点間の回遊性を高めることにより,まちなか交流人口の増加に向けた取組を進めております。

水戸市民会館の開館以来,大変多くの方に御来館をいただいているところであり,MitoriOを中心とした回遊性を高め,まちなか交流人口の増加を図るためには,来館された方にとってわかりやすい案内が,非常に重要であると考えております。

国道50号歩道上の案内板につきましては,最新の内容を,初めて来た方にもわかりやすく表示したものに更新するため,現在,道路管理者である国土交通省と協議を進めております。

今後とも,魅力あふれるまちの実現を目指し,まちなかのにぎわいづくりに向けた取組を進めてまいります。