次に、再開発とマンション補助について伺います。
市長は、水戸市は財政状況が厳しいと言いながら、まちなかに民間業者がつくるマンションには、次々と莫大な補助金投入を繰り返しています。新年度予算でも、水戸駅北口三の丸再開発に15億3800万円の予算がついていますが、これは都内のデベロッパー、フージャースコーポレーションが建てるマンションで、総事業費は、この間また資材高騰などで5億円アップして121億円となり、現在、市の補助金は総額で46億円とされています。また、泉町広小路の穴吹マンションには新年度1億5千万円が計上され、こちらの総事業費は37億円とされておりますが、これまでに3度も設計変更され、昨今の物価高騰等の反映もまだされていないと見られ、今後事業費が膨らむ可能性があるのではないかと思いますが、現状、本市の補助総額は5億3000万円です。さらに南町旧プリンスビル周辺のマンション建設は新年度予算に1億円計上、総事業費はおよそ40億円で市の補助は7億2000万円程度の見込みとのことですが、この事業開始には、本市が行った旧プリンスビルの行政代執行にかかる4500万円や、長年にわたる固定資産税等の滞納など多額の債券回収が条件となっているはずですが、その解決はなされたのでしょうか。

いずれも民間業者がつくり、その業者が売り買いして利益を得る、文字通りの民間マンション建設です。市民の税金が、なぜこうも次々と、多くの市民にとってはなんの恩恵もなく、市民生活とはまるで関係のない民間マンション建設につぎ込まれていくのか、それこそ物価高騰で苦しんでいる市民生活の支援にこそまわすべきではないのか、と、怒りを覚えるばかりです。

さらに、この間、全国的にも高層マンションの供給過多で民間事業者も苦戦している社会情勢が各所で論じられておりますが、完成後の売り値の価格帯をみれば、水戸なら庭付き一戸建てが十分建てられる、下手すれば二軒でも三軒でも建てられるような金額が踊っております。水戸市民なら、広々とした戸建てを選ぶ方の方が主流ではないかと思いますが、こうした大型マンション建設が市民にとってのメリットになるとは思えず、また入居者が限られているマンションがいくらできても、まちなかの活性化にはつながらないことは、これまでの水戸の歴史からも明らかですが、市長のご見解を伺います。

また、伊勢甚所有の中央ビル周辺の再開発、南町ユニー跡地の再開発はどうなっているかも伺います。水戸駅、赤塚駅、大工町、と、水戸市で立て続いた再開発の失敗以来、県は橋本知事の時代に市街地再開発事業への補助金をやめています。いくら税金をつぎ込んでもかえってまちなかの疲弊をもたらし、起爆剤を打っても打ってもまちなか活性化につながらない、失敗続きの再開発事業を真摯に検証し、本市も補助金支出をもうやめるべきではないでしょうか。

高橋市長は、市民生活と関係のない3つのマンション建設だけで総額58億円以上、新年度予算でも18億円も補助金を投入する一方で、多くの市民が利用しているみと文化交流プラザは長寿命化改良ではお金がかかりすぎると、いきなり施設廃止を決めてしまう。水戸がさきがけて作ってきた一校一プールの伝統を投げ捨てて、子どもたちが楽しみにしていた学校プールを、改修や更新費用がかかりすぎるといって廃止してしまう。本来、市が税金をつかって市民のために整備すべき公共施設ではなく、市民とは関係のない大きなマンション建設にばかり次々とお金をつぎ込む姿勢を、根本的に改めるべきと考えますがいかがか、お答え願います。改めて民間マンション建設への市補助の中止を強く求めます。

答弁:市長

本市では,都市の発展をリードする都市核において,まちなか居住や企業誘致を推進するなど,商業,業務,行政,教育,医療,居住機能など,様々な都市機能の誘導を図りながら,にぎわいあふれる中心市街地の再生に取り組んでいるところであります。

水戸駅前三の丸地区の市街地再開発事業や,泉町1丁目広小路地区と南町3丁目北地区の優良建築物等整備事業については,居住,商業,業務機能等を配置することとなっており,中心市街地の活性化に加え,まちなか居住の促進や災害に強いまちづくりが図られるとともに,税収面でも大きな効果が得られるものと考えております。

私は,まちの顔である中心市街地を一種の公共財と捉え,民間の事業に対しましても,魅力の向上や地域経済の発展等に資するものについては,可能な範囲で支援を行い,地区全体の底上げを図っていくことが必要であると考えており,これは「水戸市中心市街地活性化基本計画」における理念でもあります。

そのため,水戸らしいコンパクトな都市構造の構築という観点からも,現在進められている3事業については,財政の健全性を確保しながら支援を行い,快適な市街地環境の形成や新たなにぎわいの創出を図ってまいりたいと考えております。

泉町2丁目北地区での新たな市街地再開発事業については,地元の権利者により組織された市街地再開発準備組合において,事業化に向けた検討が進められております。事業化に当たっては,市場性,採算性,実現性,優先性,市の財政状況など,様々な観点から総合的に検討する必要があるため,地元の検討状況を注視してまいりたいと考えております。

なお,南町3丁目南地区については,昨年9月に市街地再開発準備組合が解散し,現在,地権者をはじめとする関係者において,土地利用の検討が進められていると伺っております。

みらいに躍動する魁のまち・水戸の実現に向け,今後とも,都市機能の強化や居住の誘導を図るなど,県都にふさわしい魅力と活力あふれる中心市街地の再生に取り組んでまいります。