次に、まちなか活性化について伺います。
はじめに再開発とマンション補助についてですが、まず、水戸駅北口三の丸再開発の総事業費と補助額について伺います。資材高騰をうけ補助金を増額したとのことですが、今年7月に出版されたNHK取材班の『人口減少時代の再開発(「沈む街」と「浮かぶ街」)』(あなたの街は大丈夫か!?)という本の中の‘深刻化する地方の再開発’という章で、本再開発事業をすすめるデベロッパーのフージャースコーポレーションが取材に応じ『工事費を見直してもまた上がるというようないたちごっこが続いている。工事費が上がり続けると事業そのものができなくなるおそれがあり、より価格を高く分譲できる都市でしか再開発事業はできない。こうした手法がとれない都市もでかねない。』と言っております。高騰した工事費を分譲価格に転嫁できなければ、補助金の増額か地権者に持ち出し負担をもとめるしかなく、死活問題だとのことです。
今後も、今回の増額では足りないと、さらに補助金支出が増える事態も想定されますがいかがでしょうか。また、フージャースコーポレーション自体は、完成したマンションを高価格の分譲で売ってその利益を得るだけで、その後の管理や施設更新などにはなんの責任も持ってはくれません。資産として円安で有利になっている海外からの投資で大量に買われたり、実際に居住する住民が少なくて管理組合が成り立たず、後々苦境に陥るマンションの例は全国で起きうるとのことですが、本市は市民の税金をこうした事業者の利益のために何十億もつぎこんでいる場合でしょうか。補助の中止を求めます。
また、南町プリンスビルの行政代執行でかかった4500万円や長年にわたる固定資産税等の滞納など本市が回収すべき多額の債務はどうなったのかも伺います。これらの債務が解消していなければ、そもそも建設工事などできないはずですがいかがですか。
さらに7水総にいきなり書き込まれた中央ビル周辺および南町ユニー跡地の再開発についても、今どうなっているのかお聞きします。これまでの再開発の失敗に懲りずに、多額の税金を使って中心市街地に次々と民間マンションを乱立させることが、まちの活性化やまちなか再生につながるとは到底思えませんが、ご見解を伺います。
次に、市民会館については、計画時から、まちなか再生の最後の起爆剤といわれ、365億円もつぎ込んだ再開発事業ですが、開館から1年がすぎ、周辺のにぎわいや経済効果がもたらされているのか、起爆剤となったのか、ご認識を伺います。
周辺の店舗等にきくと、あまり変わりはないとの答えが多く、また、毎日多くの高校生が集まっていますが、経済効果をもたらすにぎわいとは違いますし、単に人が集まるだけでは活性化とはなりません。つい先週には京成百貨店からルイ・ヴィトンが撤退するというニュースも飛び込んできましたが、これまでの再開発同様、かえって周辺が疲弊するという失敗のくり返しとなる恐れがあるのではないでしょうか。ご見解を伺います。
また、市民会館は市民のための施設であるはずで、ホールツアーなどでお客さんが入っている公演もありますが、実際に市民がどのくらい利用しているのか、市としてはどう把握しているのでしょうか。
さらに、市民が使いにくい施設となっているという点では、例えば、高齢者クラブで使いたかったが料金が高すぎて使えなかったとか、旧市民会館でやっていた教室の発表会を、市民会館が使えない間、ひたちなか市文化会館でやっていたが、ようやく市民会館ができて市内に戻れると喜んでいたら、やはり料金が割高で、結局、これからもひたちなかでやるようだ、といった声をきいています。市民が使う場合や市内の団体が使う場合に、やはり市民割引料金を設定すべきと考えますが、いかがでしょうか。これほどの税金をつぎ込んで、市民がつかえない市民会館では意味がないと考えます。せめて市民が活用できる施設へと、改めて運営の見直しをもとめるものですが、ご答弁願います。
以上で、私の1回目の質問を終わります。答弁によりましては再質問をいたします。
答弁:
はじめに,水戸駅前三の丸地区市街地再開発事業に対する追加の補助金につきましては,昨今の物価高騰により増加する建設工事費の一部を国が支援する,「防災・省エネまちづくり緊急促進事業補助金」として交付するものであり,今年度の予算は7,200万円となっております。
次に,南町3丁目北地区優良建築物等整備事業につきましては,本市が事業区域内の建築物に対して行った行政代執行に関連する費用など,市の債権の解消が補助の要件となっております。現在,事業者側において,支払いに向けて準備を進めていると伺っております。
これらの市街地再開発事業等につきましては,居住,商業,業務機能等を配置することとなっており,整備により,中心市街地の活性化に加え,まちなか居住の促進や災害に強いまちづくりが図られるものと考えております。
そのため,大変厳しい財政状況ではありますが,安全,安心,快適なまちづくりを実現するため,財政規律を守りながら,可能な範囲で支援を行うこととしたものであり,今後とも,都市機能や居住の集積を図りながら,県都にふさわしいにぎわいあふれる中心市街地の再生に取り組んでまいりたいと考えております。
次に,南町3丁目南地区及び泉町2丁目北地区における新たな市街地再開発事業につきましては,地元の権利者により市街地再開発準備組合が組織され,それぞれ検討が進められております。市街地再開発事業につきましては,まちなかの活性化はもとより,災害に強い市街地の形成に資する事業である一方で,多額の予算を必要とすることから,事業化に当たっては,市場性,採算性,実現性,優先性,市の財政状況等の観点から総合的に検討する必要があると認識しております。そのため,今後とも地元の検討状況を注視してまいりたいと考えております。