日本共産党水戸市議団の土田記代美です。只今から一般質問を行います。4項目の通告をいたしましたが、都合により4つ目のハラスメント対策についての質問は割愛させていただき、他3項目の質問をいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
はじめに、気候危機、異常気象とも言うべき猛烈な暑さが続いており、今後も市民のいのちや市民生活をまもるために、夏の暑さ対策に市として取り組むべき課題は多いと考え、3点の提案を含めた質問をいたします。
(1)まず、市営住宅の集会所へのクーラーの設置についてですが、市内に19箇所ある集会所のうち、クーラーが未設置の集会所が9箇所あります。昨今の猛暑で、クーラーがなければとても使えない状況ですが、市営住宅の集会所は、そもそも市が建てた施設であり、住民の交流の場として活用できなければ意味がありません。
私は先月、双葉台の集会所に足を運びましたが、外気温32度くらいの日に、中は35度で完全にサウナ状態、あっという間に熱中症になってしまうような環境でした。古い建物ですが、住民の皆さんが大切に使われて整理整頓、清掃も行き届いており、日当たりもよく広々とした空間が、ただ大きなサウナと化している状態で、自治会の会合だけでなく、普段から住民向けの講座やイベントなどを企画したり、コミュニティーの交流を深める場として使おうと様々な努力を続けているのに、暑くなるとパッタリなにもできなくなってしまうと嘆いておられます。地域コミュニティーの再生・活性化に取り組むことは、本市にとって重要かつ喫緊の課題であり、その点からしても、集会所の環境整備は本市が積極的に行うべきと考えます。そこで市営住宅の集会所に本市がクーラーを設置することを求めますがいかがでしょうか。双葉台に関しては高齢化も進んでおり、また、住民同士の交流が減ってきている中で、住宅の中にある集会所が気軽に利用できれば、住民の憩いの場となり、夏場のクーリングシェルターの役割を果たすこともできます。ぜひとも前向きなご検討をお願いいたします。
(2)次に、高齢者の居室にクーラー設置の補助をもとめたいと思います。猛烈な暑さで、自宅にいながら熱中症で搬送される高齢者が増えていることが報道などでも指摘されており、今年は、熱中症で死亡する人の数が過去最多に達するのではないかといわれております。
東京23区では、8月までの3カ月に248人が死亡し、そのうち80代が97人、70代が82人、90代が32人、60代が27人、と、圧倒的に高齢者の割合が高くなっています。また、場所の内訳でも屋内で亡くなった人が239人と96%を超えており、そのうち213人がエアコンを使っていなかったというデータも報道されました。
市内で訪問看護や介護サービスを行っている事業者の方からお話をききましたが「自宅で過ごしている高齢者の方のお部屋にクーラーがないところが多く、これほどの暑さが続くと本当に心配。居間にはクーラーがあっても居室にはついていないというところがほとんどで、もう1台クーラー設置する費用をためらう家庭がある。補助制度があれば助かるのに」という切実な訴えでした。
そこで、本市が独自にこうしたクーラー設置への補助を創設してはいかがでしょうか。
高齢者の生活環境の改善、熱中症予防に大変有効であり、また、そこで訪問サービスを行う方たちの労働環境整備として考えても、早急に改善すべき課題であると考えるものです。
(3)3つ目は、住宅の断熱対策に対する補助についてです。古い住宅や広い部屋などで、クーラーをかけてもなかなか効かない、涼しくするためにずっと強風運転でかけていると電気代が心配になるという声を、この夏は本当によく聞きました。市内にはまだまだ断熱が不十分な構造の家が多いと思います。少し断熱を強化するだけでも効果があり、そのための対策は様々あると考えますが、市民がそれぞれ家の断熱効果を高めることで、クーラーの効きもよくなり暑さ対策に有効であると同時に省エネにも役立つ、一石二鳥の生活環境改善策となると考えます。将来的にはすべての建物で断熱性能を高めていくことが重要ですが、まずは市として住宅の断熱対策にかかる補助を行い、市内の断熱・省エネ効果を高めるための推進策とすることを提案したいと思いますが、いかがでしょうか。
答弁:生活環境部長
土田議員の一般質問のうち,市営住宅の集会所へのクーラーの設置についてお答えいたします。
本市の市営住宅には,現在19か所の集会所があり,そのうち10か所にエアコンが設置されております。自治会等が設置したものが9か所,市が設置したものが1か所となっており,電気代や維持管理費については,全て自治会の負担となっております。
エアコンが設置されていない集会所については,近年における地球温暖化の進行や熱中症対策を勘案するとともに,自治会からの御要望や集会所の利用状況等を踏まえた上で,エアコン設置のあり方について引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
高齢者の居室に対するクーラー設置補助についての御質問にお答えいたします。
本市においては,熱中症予防に関する取組といたしまして,庁内関係各課による熱中症関係連絡会議により,熱中症予防と応急対策に係る情報共有を図っております。さらに,各部署において,様々な機会を通じた市民への知識の啓発を推進するほか,今年度からの新たな取組として,市民センターなどの公共施設や民間商業施設などをクーリングシェルターに指定し,広く市民に開放するなど,対策の充実に努めているところでございます。
このような中,高齢者や障害者等の支援を必要とする方々につきましては,高齢者支援センターや民生委員,保健師等の訪問や電話による声かけなど,地域全体での見守りや,市民センターやいきいき交流センター,介護予防教室やイベント等において注意喚起を行ってまいりました。
しかしながら,熱中症による屋内での死亡者のうち,9割はエアコンを設置していても使用していなかった,またはエアコンを所有していなかったことが明らかになっていることから,熱中症に対する手段としてエアコンの設置が有効であることに加え,設置したエアコンを適切に使用することも重要であると考えております。
このような現状を踏まえ,市独自のエアコン設置補助制度の創設につきましては,先行自治体の事例などを注視しながら検討してまいります。
住宅の断熱対策についての御質問にお答えいたします。
冷房設備をより効率的に活用するためには,室外からの熱が室内に伝わるのを防ぐ,断熱対策が重要であり,それによって,住宅のエネルギー消費の約30パーセントを占める冷暖房の使用によるエネルギー消費が抑制され,家庭の省エネ,脱炭素化につながるものであります。
そのため,国においては,住宅のエネルギー消費効率の改善と脱炭素化を総合的に促進するため,既存住宅の断熱リフォーム支援事業を実施しております。
本市におきましては,脱炭素化を促進する観点からも,住宅部門において,水戸市安心住宅リフォーム支援事業として,床,壁,窓などの断熱性を向上させる改修工事に対し,補助を実施しているところであります。引き続き,関係課と連携しながら,これらの周知・啓発に努め,住宅の省エネルギー化の促進を図ってまいります。