最後に、東海第二原発について伺います。

日本原電は、安全対策工事という名の、再稼働のための工事を進めてきましたが、工事完了が先延ばしとなりました。再稼働など断じて認められませんが、原発には再稼働しなくても様々な危険があります。例えば、敷地内にたまり続けている使用済み核燃料です。

東海第二原発の燃料プールには1250体の使用済み核燃料と、定期検査で取り出した764体の一部使用の核燃料が水に浸かっています。原電は、2001年から、一定年数プールで冷やした使用済み核燃料は、より安全な乾式キャスクに移して保管するとしていましたが、15基分915体を移したあと、この作業がまったく行われていません。計画では、キャスクを24基つくるということになっていますが、そのキャスク自体まだ17基しかありません。もう20年以上も移設が進んでいない。まして、東日本大震災・福島第一原発事故を受け、原子力事業者はより安全性を高める努力を行うべきこの11年の間も、そのまま放置し続けているのです。このような、自ら計画した作業すらまともにやらない会社に、原発は安全だ、安全対策工事だ、などといわれて、どう信じればいいのでしょうか。

燃料プールでは、電源喪失や冷却水の喪失などで、あっという間に臨界がおきてしまう、そのための防護策を重ねに重ねて総額3500億円にもなるという工事を続けているわけですが、その前に、まずやるべきことをきちんとやるべきではないのか、ご見解を伺います。

再稼働すれば、さらに使用済み核燃料は増え、あっという間に保管できる容量をこえます。その処理さえおろそかにしている原電に、危険な原発を動かす資格など到底ないと考えます。速やかにきっぱりと廃炉をもとめるべきです。

 

答弁:市民協働部長

次に,東海第二原発に係る御質問についてお答えいたします。

原子力発電所の使用済燃料につきましては,原子炉建屋内にある燃料プールで冷却された後,原子力発電所の敷地内などにおいて,「湿式」と「乾式」のどちらかで一時的に保管されることになります。

「湿式貯蔵」が,燃料プールで水を循環させながら使用済燃料を冷却して保管する方法であるのに対し,「乾式貯蔵」は,「湿式貯蔵」によって十分に冷えた使用済燃料を「乾式キャスク」と呼ばれる金属製の頑丈な容器に収納し,空気の自然対流によって冷却する方法となっており,水や電気を使用せずに貯蔵できるという点などから,維持管理が容易で,安全上も優れていると言われているところであります。

東海第二発電所においては,早くからこの「乾式貯蔵方式」を導入しており,現時点で15基の「乾式キャスク」に合計915体の使用済燃料が保管されておりますが,平成21年以降,「乾式キャスク」への移送が滞っている状況でございます。

そのため,本市や近隣自治体においては,「乾式貯蔵方式」が安全性に優れているとの認識のもと,これまで数次にわたり使用済燃料の「乾式キャスク」への移送を要請してきたところであり,平成

26年の回答において,「新規制基準に適合した対応が可能となった後には,早急に乾式貯蔵の実現に取り組む」旨の回答を得たところでございます。

日本原電からは,現時点では使用済燃料を移送する設備について,新規制基準を満たす段階には至っていないとの報告を受けているところであります。今後,基準を満たし移送が可能となった際には,いち早く「乾式キャスク」への移送等を実施するよう,近隣自治体との連携のもと,要請してまいります。