日本共産党水戸市議団の土田記代美です。会派を代表し、只今から通告に従い代表質問を行います。高橋市長の政治姿勢について伺います。

1.はじめに第7次総合計画については、今後の水戸市の在り方、未来像を描く、本市の最上位計画であり、市民の声や願いに真摯に応え、市民が納得できる計画にしていくべきと考えます。私も参加しました市民懇談会で、市長は、とにかく水戸市には皆さんの願いを全部かなえる予算はないので、あれもこれもはできない、あれはやるがこれは我慢してほしい、などと盛んに訴えていらっしゃいました。同時に、市民の皆さんからは様々な要求が出されましたが、どれも、高橋市長がやってきた4大プロジェクトのように何百億円もかかるようなことではなく、ささやかなあたりまえの要望ばかりでした。私は、本市に予算がないのではなく、市民の要求と違うところにムダ遣いをしてきたために、必要な予算がまわらなくなっているのではないか。市民の理解を得られないままに税金を浪費する大型開発事業優先の市政を、本来の自治体の役割である市民を支える市民本位の市政にきりかえるべきではないかとの思いを一層強くしました。

そこで、一部の利権に引きずられるかのようなムダ遣いを改め、市民にとって必要な施設を整備し、本市に必要な事業にきちんと予算がつけられる総合計画にすべきとの思いで、まず4点の質問をします。

1つ目は、再開発とマンション補助について。まちなか活性化に逆行し、失敗続きの大型再開発の検証も反省もなく、本市は、これまでも、市の最上位の計画である第6次総合計画では68億円で建て替えるとしていた新市民会館が360億円以上もの過大なコンベンション施設になったり、3か年実施計画にも一文字もかかれていない泉町広小路のマンション建設への補助金投入など、ある日突然、議会で質問が出てきて決まり、あっという間に大金がつぎこまれてきました。同様のことが、今度の第7次総合計画でも起こりうると考え、まず、中央ビル周辺の再開発について伺います。

泉町では、長年にわたり伊勢甚主導の再開発に莫大な税金が使われてきました。1丁目北地区は、南地区再開発のあと、準備組合をつくり進めようとしたものの、時代の流れで従来の商業ビルなどでは採算が見込めず、結局10年以上も頓挫していたものが、公共施設である市民会館、つまりは全部水戸市のお金でつくれる再開発事業として、突然、復活したものです。伊勢甚は、南地区で旧伊勢甚百貨店、北地区で買い取った旧京成デパート、そして今度の中央ビル、と、古くなった自社所有のビルを、水戸市のまちなか再生の名目で、公費を使って処分するため続けざまに再開発事業にしていくものと考えます。案の定、市民会館が完成した途端に、早速、中央ビル周辺の再開発事業に向けて動き始めています。本市が、こうしたもっぱら伊勢甚の老朽ビル再生ための再開発事業に、これ以上市民の血税をつぎ込むことは許されないと考えますが、いかがでしょうか、市長の見解を伺います。

次に、マンション建設への補助金投入についてですが、今後も、水戸駅北口開発でも高層マンション、泉町広小路マンション、南町のプリンスビル周辺地区にまたマンション、と、次々に民間のマンション建設に本市の補助金が投入され続ける計画ですが、民間事業者が作りマンション会社が売り買いするマンション建設に、なぜ、これほど税金が使われてしまうのか、納得できる市民はいないと考えます。前回6月議会で出され、途端に素案に書き込まれている南町の旧プリンスビルは、持ち主が長年放置し危険な状態となっていたものを、市が行政代執行で4500万円もかけて外壁撤去工事をしたビルです。その費用も回収されず、さらに、市に収納されるべき固定資産税などの滞納や延滞金などの不払いも長年にわたっているはずで、これも膨大な額ではないでしょうか。水戸市、つまりは市民の損益をそのままにして、そこにさらに莫大な補助金を出すなどありえない話と考えますがいかがか、市長のお考えを伺います。

大型マンションがいくらできても、それがまちなかの活性化にはつながらないと考えます。中心市街地で街歩きを楽しめといわれても、水戸駅から大工町まで歩いても、マンション・コンビニ・駐車場の連続で、水戸市は税金をつぎ込んで中心市街地をベッドタウン化させているのではないかと言いたくなります。開発優先のまちづくりと税金の使い方を根本的に見直すべきですが、市長のご見解を伺います。

答弁:市長

日本共産党水戸市議団を代表されましての土田議員の御質問にお答えいたします。

はじめに,第7次総合計画に関する御質問のうち,再開発とマンション補助についてでございますが,泉町2丁目の中央ビルを含む街区につきましては,地元の権利者による市街地再開発準備組合が本年5月に設立され,商業,業務,住居系の機能を中心とした再開発事業の事業化に向けた検討が進められている旨を,本年7月に伺ったところでございます。

再開発事業につきましては,まちなかの活性化はもとより,災害に強い安全,安心,快適な市街地環境の形成に資する事業である一方で,多額の予算を必要とすることから,事業化については,市場性,採算性,実現性,優先性,市の財政状況等の観点から,総合的に検討する必要があると認識しております。

そのため,今後とも,地元における検討の推移を注視してまいりたいと考えております。

また,南町3丁目の旧プリンスビル及びその周辺地区につきましては,地元商店会の南町3丁目商店街振興組合から,本年5月に,優良建築物等整備事業を活用した整備に対し,支援を求める陳情書及び要望書が,水戸市議会議長及び水戸市長宛にそれぞれ提出され,議会においては,採択の議決がされたところでございます。

本地区につきましては,本市において外壁の安全対策を講じた旧プリンスビルをはじめ,老朽化した建物が立ち並び,空き地も発生するなど,有効な土地利用が成されていない状況が続いており,中心市街地としての賑わいや良好な都市景観,安全安心な都市環境を創出する上で大きな障害となっております。計画では,商業,業務,住居機能を配置することになっており,この整備により,中心市街地の活性化に加え,まちなか居住の促進や災害に強いまちづくりが図られるとともに,税収面でも大きな効果が得られるものと考えております。

本市といたしましては,大変厳しい財政状況ではありますが,市民の安全性や,中心市街地にもかかわらず未利用地が発生している現状等の長年の課題を早期に改善し,安全,安心,快適なまちづくりを実現するために,第7次総合計画・骨子「素案」において,旧プリンスビル周辺地区の整備を位置づけ,可能な範囲で支援を行うこととしたものでございます。

なお,支援に当たっては,行政代執行に関連する費用など,市の債権の解消が前提となるため,今後とも,地元商店街振興組合及び地権者との協議,調整を行ってまいりたいと考えております。