3つ目の放課後学級については、拙速で乱暴な民間委託で着々と予算を縮減し子どもたちへの市の責任も不透明になっている現状について、速やかな改善と根本的な方針転換をもとめて質問します。まず、こどもまんなか応援サポーターの市長として、放課後学級は、まさにこどもを毎日応援する事業として、充実していくことこそ進めるべき事業のはずですが、今年度の業者移動のゴタゴタの中で、充実どころか、安心・安全さえ確保されていない状況が続いております。まず市が責任を持って、こどもたちの毎日を応援する豊かな居場所とすることが急務です。

私は今回、新規の委託業者にかわったB地区の学校をすべて回り現場の話を聞いてきました。どの教室も、物品不足、支援員不足が深刻で、前回質問した際に、いくつかの教室で聞いていたトイレットペーパーやコピー用紙も補充できないという悩みは、B地区共通の悩みでした。1教室5千円で、すべてを賄えといわれ、その中でやりくりするのが限界を超えています。必要な消耗品を買うにも足りない状況で、当然、それ以外に子どもたちが使う教材やおもちゃ、本などはまったく買えず、折り紙も満足に買えないので、子どもたちに1人2枚、とか、3枚まで、と、どこも枚数を制限して渡しています。それどころか、折り紙の代わりに支援員さんたちが持ち寄った色々な紙を、サイズをそろえて小さく切って用意し、それさえ1人5枚までの枚数制限でやりくりしているという教室もありました。1教室ひと月5千円といえば、どこも定員を超える人数を抱えていますが、定員の40人で割ったとしても、子ども一人あたり一日5円にもなりません。これが、本市のこども育む豊かな居場所の経費でしょうか。

また、なにかあっても会社と連絡がつかない、シフトや給与の計算が不透明、とか、必要な業務をしている早出や残業の時間が時給に含まれず、ずっと無償労働の状態だとか、聞けば聞くほど驚くような実態でした。さらに地区全体を回り各教室の運営を見る統括責任者が会社をやめてしまい、統括不在の状態が続いている中で、それでも、子どもと向き合う現場の支援員さんたちが、毎日、必死になって教室を回してくださって、どうにかなんとか持ちこたえているというような状態でした。

そこで、まず今回の委託は、そもそも事業者の運営能力自体に疑問符がつくと言わざるを得ないと考えますが、本市は、なぜこうした放課後学級の運営経験もノウハウもなく、業務遂行が困難になる可能性の高い業者に、市内でも特に子どもが多く6校22教室もある地区を委託してしまったのか。現状を予見し混乱を防ぐ手立てはなかったのかを伺いたいと思います。また、市の責任でただちに現状の改善をすべきですが、あわせて市長のご見解を伺います。

次に、放課後学級の教室は、子どもたちが長時間過ごす場所であり、夏休みなどは毎日、一日中そこで過ごすのですから、施設の安全性・快適性についても、一刻も早く市としてしっかりと環境整備すべきですが、いかがでしょうか。共用教室・代用教室の解消や安心して使えるトイレの整備、不具合や危険箇所の改修や補修など、多くの要望が届いているはずですが、これも予算縮減のあおりなのか、ほとんどが何年たっても進んでいません。

専用教室でも校庭脇で西日が直撃するプレハブ教室などは、この夏、エアコンを入れていても本当に耐え難いような暑さでした。その上に、例えば緑岡小では、日に何度も学校のブレーカーが落ちてしまい教室のエアコンが切れる、そのたび復旧に10分以上かかり、あっという間に教室がサウナ状態になってしまうとのことでした。学校と共有電源でアンペア数が足りていないのではないでしょうか、アンペア契約を大きくするなど、すぐにもできることではないのでしょうか。記録的な猛暑で熱中症対策が叫ばれている中、子どもたちの教室でエアコンが効かないなど、こども真ん中の水戸市としてありえないことと思います。施設整備の予算は節約したり削ったりしている場合ではありません。早急に抜本的に改善していくことを求めます。

最後に、この間の民間委託で支援員が不安定な雇用となり、放課後学級では水戸市への信頼感が損なわれていると強く感じます。支援員は、ただ数合わせすればいい仕事ではなく、専門性とチームワークが重要な仕事です。子どもたちとしっかりと向き合う態勢が確保されていない現状を改善しなければ、本当に本事業の継続も危ういと感じました。

さらに民間の運営となったことで、学校によっては、学校との相互連絡や情報共有など、密な連携が取りにくくなっているところもあります。もともと教育委員会にあった放課後児童課を、全市民間委託にしたばかりでその運営自体がまだ安定していない時期に、いきなり子ども部に移管したことも一因であると考えますが、とにかく、こども部と教育委員会が、縦割りでなく協働し、一致団結して改善に取り組むべきです。

さらに、放課後学級は、児童や家庭のデリケートな個人情報も扱う仕事であり、支援員不足を入れ変わり立ち代わりその時だけ入る派遣で穴埋めすることは、セキュリティ面でも大変な問題ではないでしょうか。市が責任を持って、支援員が安定してチームで働ける体制を早急につくらないと、現場が疲弊し、今、がんばっている支援員も、この先、勤務を継続できなくなる可能性、危機感を切実に感じましたし、他の地区でも次の入札でまた会社が変わり同様の混乱がおきる可能性もあると考えます。民間委託しても、あくまで水戸市の放課後学級であり、そもそも民間の裁量次第で格差が生じてよい事業ではなく、受け入れ態勢が不安定なまま、待機児童ゼロ宣言のために無理やりすべて詰め込めばいいという事業でもないはずです。放課後学級について本市の責任と、あわせて今年度から業者がかわった教室の運営が困難を極めていることに対する市の責任をどう考えているのか、市長のご見解をうかがいます。

答弁:市長