次に文化行政について伺います。

新市民会館整備計画についてですが、2000席の大ホールは、採算がとれず無用の長物になると指摘してきましたが、これから、新型コロナ後の社会にはますます不要となります。

劇場施設は、コロナ自粛で真っ先に休館に追い込まれ、緊急事態宣言が解除されても、その再開は困難を極めています。国のガイドラインをもとに、まず各劇場がガイドラインの策定を始めていますが、当面、客席の前後左右を開けることなど、客席数の3分の1~4分の1しか入れられない状況で、それがいつまで続くのかもわかりません。県民文化センターは、大ホール1500席に入れるのは(観客だけではなく出演者やスタッフ、主催者側も含めて)700人までという形で再開しましたが、チケットを完売しても、客席の半分以下しか埋められないという状況で採算がとれる公演などあるはずもなく、開館しても利用のない状況が続いています。

今から大きなホールをつくっても、そのこけら落としに観客を半分も入れられない、屋内では大勢が集まるイベントはできない、また、県をまたいだ移動や外国からの訪客が制限されていれば、もちろん国際会議や全国大会等の大型コンベンションもできないわけで、新市民会館の運営は絶望的です。ここに多額の事業費をつぎ込んでいる場合でしょうか。根本的な見直しが必要ですが、お答え願います。

今、解体工事が終わり、予定地は、工事の囲いがなければ、50号から芸術館が見渡せ、すっきりと空が広がる新しい景観となっています。ここに巨大なハコモノを建て、また芸術館をふさいでしまうのはあまりにザンネンな選択です。水戸市のまちづくり、泉町の賑わいを考えても、本予定地は、オープンエアの公共施設に計画を見直すべきではないでしょうか。50号から、これまで陰に隠れていた芸術館がバンッと見える、そこへつながる緑の広場と博物館や図書館などの市民の誰もが利用できるコンパクトな公共施設なら、人が行き交い、まちなかに潤いをもたらし、市民もよろこぶ事業となるでしょう。

さらにコロナと生きる時代にも、屋外でのイベントは比較的可能であり、芸術館とつながるオープンスペースでマルシェやフェスなど、現計画の市民会館では不可能なまちなか活性化にもつながることでしょう。

もう一点、今回、コロナで大きな打撃を受けている芸術文化活動への支援について伺います。コロナ自粛によりイベント、上映会、上演が中止になっている文化事業者や芸能関係者が、先が見えない状況の中で苦しんでいます。一度失われた文化活動は再生が困難であり、文化都市水戸として、今後、つくっても使えるかどうかもわからない新市民会館に353億円もつぎ込むのではなく、市民や市の文化をまもること。特に今、緊急的直接的に文化活動を支えるべきです。そもそも文化や芸術は経済活動ではありません、一定の保護政策が必要な分野であると考えますが、このコロナ禍においては、なおさらです。市として、まず、文化活動を担う‘人’、‘こと’に対する直接支援を考えるべきですがいかがですか。

新市民会館計画は根本から見直して予算を組み換え、文化予算は、市民が待ち望んでいる市民のための市民会館の建設と、多様で豊かな文化をまもり支える施策に充てることをもとめます。

答弁:市民協働部長

土田議員の文化行政に関する一般質問のうち,新市民会館整備計画について,お答えいたします。

新市民会館につきましては,幅広い用途で,利用者の要望に即した事業が展開できる施設として2,000席の大ホールや482席の中ホール等を整備することとしております。

新市民会館を水戸芸術館の隣接地に整備することは,中心市街地のにぎわいを取り戻す大きなチャンスであり,2つの施設の相乗効果が生まれ,芸術文化の一層の振興が期待できるとともに,全国に誇れる拠点が形成できるものと考えております。

そのような中で,新型コロナウイルス感染症の拡大防止の点から,全国公立文化施設協会の「劇場,音楽堂等における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」では,施設管理者や興行主催者の対策などが示されており,同ガイドラインなどを参考にしながら,適切に対応してまいりたいと考えております。

今後とも,再開発組合等との連携のもと,新市民会館の早期整備に全力で取り組んでまいります。

次に,芸術文化活動への支援についてお答えいたします。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため,本市においては,芸術文化の祭典である水戸市芸術祭をはじめ,多くの市民による芸術文化活動が中止,自粛を余儀なくされております。

本市におきましては,これまでもみと魁プランに芸術・文化の振興を位置付け,市民の主体的な芸術文化活動を支援してきたところでございます。今後とも,活動内容に応じた支援等を行いながら,市民主体の芸術文化活動の促進に取り組んでまいります。