最後に原子力行政について伺います。
日本原電は、4月17日、東海第二原発の使用前検査の申請をし、来月にも検査が始まるという報道もありましたが、まさに再稼働のための検査であり中止をもとめるべきです。
まず3号検査で原子炉に核燃料を入れ、5号検査では実際に稼働させるというものですが、検査といっても、いったん稼働させればそのまま運転を続けるのが通例といわれており、「検査しました」「はい止めます」とはならないわけで、まさになし崩しの再稼働です。
原電は5号検査の前に、新協定にもとづく協議をするといっていますが、3号検査つまり核燃料を入れる時点で、すでに再稼働の始まりではないでしょうか。市として、一刻も早く、再稼働を認めない意思を示し、明らかに再稼働と一体の使用前検査は中止させること、さらに東海第二原発はきっぱりと廃炉にすることをもとめるべきです。
日本原電の無責任な企業体質はかわりません。データのミスや悪質な改ざん、東海第二原発のトラブルの数は、枚挙にいとまもありません。さらに、この間、新型コロナ感染拡大で多くの工事が自粛し、市民も自粛生活を強いられていた中でも、原電は昼夜の別なく突貫工事を続けています。周辺の住民の生活などお構いなしに夜間もこうこと明かりがつき、轟音が深夜まで響いている。コロナ禍の非常事態に、まさに不要不急の工事を、再稼働のためにひたすら強行する。あまりにも市民感覚や市民の安全とかけ離れた事業者です。
私も、江尻県議に届いた県民投票をもとめる子どもたちの手紙を読ませてもらいました。
市民の安全と子どもたちの未来、そして県都としての責任を果たすためにも、一日も早く原電に引導を渡すべきですが、お答え願います。
以上で私の質問を終わります。
(子どもたちの未来をまもる、かけがえのない文化をまもり育てる、新型コロナ感染症拡大で疲弊した市民生活や不安な気持ちに寄り添い支えることが、今、水戸市に求められていると考えます。真摯で明快なご答弁をお願いします。)

答弁:市民協働部長

次に原子力行政についてお答えをいたします。

東海第二発電所の使用前検査の申請につきましては,本年2月に開催された原子力所在地域首長懇談会において,日本原電から,防潮堤等の安全対策工事を進める上で必要な法的手続きであること等について説明を受けました。その際に,申請書には,稼働を伴う可能性がある検査や発電所の開始予定時期を記載する必要があることが判明いたしました。

日本原電からは,近隣自治体の了解なしに,再稼働はもとより,稼働を伴う検査をすることはない旨の説明があったものの,なし崩し的な再稼働につながりかねず,書面で確約しなければ申請は容認できないという認識で,構成6自治体が一致したところでございます。

そのため,3月に改めて文書において申し入れを行い,4月に示された日本原電からの回答において,「使用前検査の申請や検査が,発電所の再稼働に直結するものではないこと」,そして「工事や使用前検査等について,地域住民にきめ細かに説明を行っていくこと」を確約いたしました。

東海第二発電所の使用前検査の申請は,この確約のもとで認めたものであり,今後とも日本原電が決して,なし崩し的な再稼働を行わないよう,厳しく対応してまいります。

東海第二発電所の再稼働につきましては,全ての市民の安全な避難に向けた実効性のある広域避難計画の策定はもちろんのこと,市民理解が得られない限りは,認められないと考えております。本市といたしましては,引き続き,議会の御意見を踏まえるとともに,水戸市原子力防災対策会議における技術的,専門的な御意見や多くの市民の声を十分考慮しながら,判断をしてまいります。