日本共産党水戸市議団の土田記代美です。通告に従い只今から一般質問を行います。

はじめに、台風被害からの復旧と水害対策について伺います。今なお被災地域では大変な日々が続いています。生活再建や地域の復旧・復興にむけての支援や再発防止策の徹底、加速化が重要な課題です。

まず河川整備について、前回も質問しましたが、大量の越水をした国田地域の無堤防部分は、長年、住民の切実な要望として築堤が求められていました。また、西田川でも、やはり堤防のない部分から大洪水となりました。地域の住民からみれば、起こるべくして起こった人災ともいえる思いがあります。那珂川緊急治水対策プロジェクトが発表されましたが、概ね5年で取り組むこのプランにも位置付けされていない部分で、まさに住民が心配していた事態となったのです。これらの河川整備については、国や県が行うこととはいえ、実際に被害を受けるのは水戸市民であり、市民の生活と安全を守る一番の責務は水戸市にあります。台風は毎年やってきます。5年後10年後になんとかという話ではすみません。無堤防部分の早期築堤を求めること、また、越水した堤防のかさ上げが難しい部分では、河道掘削で川の水位を下げるなどの対策を早期に進める必要があります。市としてどう取り組むのかを伺います。地域の方からは「なにより堤防をなんとかしてほしいが、どうせどうにもならない、あきらめている」という声を聞くことが多く、市民に応えることが強く求められています。

また、今ある堤防についても点検整備が必要です。これは(写真)飯富消防署近くの藤井川の堤防です。藤井川の水位が下がったあとで、堤防から水が吹きあがっているのを見たという方がいらっしゃいます。川側の斜面に何か所も大きな穴や深い亀裂があり、そこから噴き出したとみられる砂だまりが川沿いにできていました。堤防の外にたまった水が、堤防の中を通って噴き出したとすれば、堤防自体の機能や強度が大変心配です。今回の大水害では堤防自体が傷んでいる部分があるのは当然であり、今後の安全のためにも総点検が必要と考えますがいかがでしょうか。

次に農家への支援についてですが、今回大きな被害にあったのは、家族農業、畑作も多く、水戸の農業を支える大切な地域資源を担ってきた地域です。家屋や生活の被害に加えて、 出荷直前のネギやイチゴなどが壊滅状態になり、一瞬にして目の前の収入が断たれた被害には直接の支援がありません。米や大豆などにはある補償制度も、ネギなどにはないため、やはり「どうしようもない、あきらめている」という声をたくさん聞きました。

水戸市では農業振興として柔甘ネギなど水戸ブランドを作ってきましたが、今後も水戸になくてはならない農業の継続のために、被災農家への独自支援を考えるべきではないでしょうか。例えば、倒壊したビニールハウスの再建や農機具等の買い替えには補助制度がありますが、それでも自己負担分が厳しいと再建をあきらめる方もいらっしゃったり、春からの再開はなんとかできても、今、出荷できずに失った収入が厳しいという切実な声を聞いています。被災した作物に対する収入補償等、まず市が独自でしっかりと農家を守るという姿勢が求められると考えますが、いかがでしょうか。

3つ目は災害ゴミ置き場の早期復旧についてです。水戸市の災害ゴミの収集については、

家の前に出せば回収してくれて本当に助かったというみなさんの声を聞いています。まず水戸市の取り組みに敬意と感謝を申し上げたいと思います。そのうえで、災害ゴミの仮置き場となったうち、旧国田小学校校庭と田野市民球場では、すでにゴミはなくなっていますが、いつから使用できるようになるのか、伺います。旧国田小の校庭は、地元のみなさんが日常的に活用していました。いつになったら元のように使えるのか、早く使えるようにしてほしいとの声があがっています。生活再建と共にスポーツやレジャー活動の拠点の復旧は、地域コミュニティや市民の健康のためにも急ぐ必要があります。水戸市は中核市移行にむけ健康都市宣言もするのですから、一日も早く復旧に取りかかるべきですがいかがでしょうか。

答弁:建設部長

土田議員の一般質問のうち,河川整備についてお答えします。

議員御質問の国田地区における築堤につきましては,これまでにも,地元から  那珂川の無堤防状態の解消を望む声を受けており,機会があるごとに,河川管理者である国に対し早期の河川改修について要望してまいりました。

昨年12月には,高橋市長が会長を務める「那珂川改修期成同盟会」において,  国田地区をはじめとした無堤防区間の早期築堤や県管理河川である支川を含めた 河川整備計画の検証,見直し等 について,構成市町とともに内閣府及び国土交通省へ,緊急要望を行ったところでございます。

また,那珂川本川につきましては,令和2年1月に発表・開始された「那珂川緊急治水対策プロジェクト」の中において築堤や河道掘削等の計画が前倒しとなった  ところであります。

御質問にございました西田川をはじめとする県管理河川においても,河道内の土砂堆積や草木の繁茂は,流下能力の低下等の支障をきたすことから,適切な維持管理がなされるよう,継続的に県へ働きかけてまいります。

また,御指摘いただきました藤井川の堤防亀裂からの水の噴き出しについては, 飯富市民センター東側,藤井川に架かる上合(かみあい)橋上流の堤防左岸側において覆土部分に亀裂がある状態を確認できたことから,当該箇所の管理を行っている国土交通省  那珂出張所へ現地状況をお伝えし,現在,管理者である国により,覆土の下に敷設  されている護岸ブロック及び堤防本体の異常の有無について現地調査が進められているところでございます。

既存堤防の点検・調査につきましては,河川管理者により定期的な点検や河川巡視が行われておりますが,地域の方々が安心・安全に暮らせる環境を構築するためには,早期の河川改修はもとより,適切な維持管理が必要不可欠であると十分認識しております。

本市といたしましては,これからの台風シーズンにむけて,出水期前の点検作業等がなお一層強化されるよう,国や県に対し,強く働きかけてまいります。

答弁:産業経済部長

土田議員の一般質問のうち,台風災害に係る農家への支援についての御質問にお答えいたします。

本市におきましては,台風19号により,農作物で約4億円,農業用施設等で約20億円を超える多大な被害を受けたところであります。そのような中,一人の離農者も出さないよう,幅広い農家の支援策に取り組んでいるところでございます。

農業者の営農の再開に向けましては,まず,その基盤となる用水機場や排水路,農地の復元について,地元の声を受け止めながら,災害復旧事業の早期完了に向け,鋭意取り組んでいるところであります。

さらに,被害の大きかった農業用機械や農業用ハウスの買替え,再建,修理について,国・県と連携し,その経費を補助するほか,営農再開に向けた種苗や薬剤の購入,今年の作付けに向けた土づくり等に係る支援も進めているところでございます。

農地内に堆積した稲わらにつきましては,農業公社及び農業の多面的機能の維持活動組織と連携し,収集作業を進めており,令和2年産米の作付けまでに完了させてまいります。

また,水戸のブランド農産物である「水戸の柔甘ねぎ」の生産維持に必要な支援策につきましても,市独自の措置を講じているところでございます。

これらの支援制度等につきましては,説明会や相談会をきめ細かに開催してきたところであり,引き続き,迅速かつ丁寧な情報発信を進めるとともに,被災者に寄り添った対応に努めてまいりたいと考えております。

また,農作物が被害を受け,減収した場合の支援策としては,農作物共済や収入保険制度等がございます。

農作物共済は,水稲・陸稲・麦を対象に,3割を超える被害に対して,共済金が支払われるものであり,収入保険は,収入が基準収入の9割未満となった場合に,減収分の9割が補填される制度であります。今後,災害への備えとして,水戸地方農業共済事務組合と連携強化しながら,制度への加入促進を図ってまいりたいと考えております。