1. 最後に放課後学級について

(1)私は、放課後学級は水戸市が責任をもって直営で行うべきと考えますが、現状の民間委託であっても、現場で起きている様々な問題について、特に、この間の年度代わりに起きている混乱について、市の責任は重大であり、早急かつ根本的な改善をもとめて質問いたします。

(ア)まず、今年度の入札で2000万、3000万円単位の安い価格で落札した業者に変わったA地区とB地区の学校では、4月からガラリと体制が変わり、新学期早々から子どもたちも混乱しています。いつもいた先生たちが突然いなくなり、教室のルールや雰囲気も変わってしまった。子どもたちも保護者も何がおきたのかわからず、ただただ不安と不信が募っているという状況になっていました。

日々の積み重ね、信頼、安心こそが求められる事業であり、現場を無視した価格競争をさせるべきではありません。来年度は残りのC地区、D地区、E地区の入札が控えています。次の入札でまたさらに安く落とされれば、事業者はさらに経費を削り、ますます現場の荒廃を招くのは目に見えています。まず、入札の在り方を根本的に見直すことをもとめます。総合評価方式等、価格ではなく企画提案、実績等をしっかりと見極めた上で、市の方針と責任を明確にして決めるべきではないか、お答え願います。

(イ)業者間および学校間格差については、明らかに激化しています。民間委託といっても市の放課後学級です。支援員さんたちも水戸の子どもたちのために、と、いろいろあっても堪えて働いてくださっており、保護者も水戸市に預けているという認識です。子どもたちがどの学校に通っていても、同じ環境であるべきと考えますが、ご見解を伺います。

 

(2)また、市は民間委託の成果として、待機児童がゼロになった、支援員不足が解消されたといいますが、あまりに現場を無視した無責任な話です。待機児童ゼロは、とにかくどの学級も申し込めば入れてしまい、実際には、定員など関係なくどんどん受け入れているという「ゼロ」です。

ある学校では、定員40人の2教室に5月時点で152人もいましたが、さらに今月も追加の入級があるとのことでした。受け入れ可能かどうかなど関係なく、ただ受け入れ続け、限界を超えている現場の状況を、市はいったいどう把握しているのでしょうか。

支援員の数も、数字の上で足りているというだけで、現実にはまったく機能していません。民間委託に移行した際、市は地区単位にわけることで、請け負った業者がその中でやりくりできるから支援員不足を解消できるという説明をしていましたが、今回落札した2社では、支援員不足を自社の支援員ではなく、派遣で穴埋めをしています。しかも、派遣会社から日替わりで現場に来る人たちは、放課後学級のホの字も知らないような異業種の人、例えば普段はビルのお掃除をしているおじさんとか、子どもと触れ合った経験もないフリーターの人も来るそうです。その人たちにあれこれ教えながら面倒をみることに労力をとられ、子どもをみていられない、かえって大変だという声があちこちから聞こえています。そして、なんとかやり方を教えても、次にくるのはまた別の人、その繰り返しで、責任を持って働いている現場の支援員さんたちが疲弊しています。

新型コロナの3年間、本当に涙ぐましいほどの過酷な労働に追われながら、水戸の子どもたちのためとがんばってきてくださった支援員さんたちを、民間に放り投げた上、さらなる待遇悪化を招いている本市の責任は、本当に重大だと思います。早急に、市の責任で現状の改善をすべきですが、いかがか、市の認識と改善策について答弁願います。

(3)最後に、施設の補修、備品の購入については、時間がありませんので、簡潔に伺いますが、要望されている補修改修がなかなか進まないこと、備品購入については、どの学級も定員を超えているため下駄箱もロッカーも足りていないとか、新規参入した事業者では、トイレットペーパーやコピー用紙の補充もままならず、支援員さんたちが個人的に持ち寄ったりしているところまでありました。経費削減にもほどがあると思います。早急な改善をもとめて、私の質問を終わります。

 

答弁:教育部長

土田議員の一般質問のうち,放課後学級についてお答えいたします。
本市では,市立小学校及び義務教育学校の全33校において,放課後学級77学級を運営しております。

放課後学級及び放課後子ども教室につきましては,民間委託を進めた結果,6年生までの受け入れの拡大を図りながら,待機児童ゼロを達成することができたところであり,開設時間につきましても,午後6時30分まで延長することができました。

また,放課後学級の運営につきましては,全校で差が生じることがなく,児童の健全な育成が図れるよう,委託業務仕様書に業務内容等について詳細に定めているところであります。

あわせて,市と各事業者との情報交換の場を月1回設けるとともに,事業者から提出される報告書を確認するなど,現状の把握に努めながら,訪問指導員による支援員への助言,指導等を実施しているところであります。

放課後児童支援員につきましては,国の基準よりも手厚く配置しており,心身に特別な配慮を要する児童が入級する場合には,支援員を加配するなど,支援員の負担軽減を図っております。

あわせて,令和3年度からは,国の交付金を活用した「放課後児童支援員等処遇改善事業」を実施し,賃金を3%程度引き上げるなど,働きやすい環境をつくり,支援員の確保に取り組んでいるところでございます。

今後におきましても,事業者と連携しながら,児童が安全・安心に過ごせる放課後学級づくりを推進してまいります。