次に、放課後学級について伺います。

(1)まず、民間委託について伺います。2年前に、全ての放課後学級を、あまりに拙速で乱暴なやり方で民間委託とした際に、私は、市の責任放棄だとして反対をしました。その時には、前年に民間委託となっていた13校で、すでに、支援員さんたちの待遇や、教室の運営に格差が生じていたこと、また、いきなり年末から年明けにかけて書面の連絡だけで、説明も話し合いもなく、長く水戸市のこどもたちのために働いてきた支援員さんの、4月からの身分変更を一方的に押しつけ、現場に不安と混乱を招いたことを厳しく問いました。

今、この春、現場はさらにひどい状況になっており、これはまさに民間委託の弊害だという思いで、民間委託の見直しをすることをもとめて質問します。

1月24日に、3年前から委託となっていたA地区とB地区で、新たな業務委託の入札がありました。そして、現在の委託料よりも、A地区では3024万円、B地区では2340万円も安い価格で、それぞれ違う会社が落札しました。A地区とB地区は4月1日から運営会社が変わることになるのですが、そもそも放課後学級は安ければいいという次元の事業ではないはずです。今、放課後学級は児童数も増えている状況であり、支援員さんたちは、市の職員だった時よりも、時給も就労環境も過酷になっています。それを、さらに2000万、3000万という単位でコストダウンすれば、どこにしわよせがいくか。誰の目にも明らかではないでしょうか。そして、もう目の前の4月から、支援員さんは、自分が雇用されている会社をかわるかどうか、仕事場をかわるかどうか、1カ月の猶予もなく決めなければなりません。

前回、市直営から民間に変わるときに水戸市は、支援員さんの待遇はかわらないようにする、そのままそこで働き続けられるようにすると言っていましたが、結局、その後、それは担保されませんでした。例えば、市では時給1000円になっていましたが、今、1000円以上で募集しているのは1社だけで、他は920~950円という募集です。それでも、水戸の子どもたちのためと働いてくださっていた皆さんを、今度は、前回よりも遅く、今この年度末ギリギリになって、その民間からもっと安い民間へと移し替えていくという事態になっているのです。まず、市として、この状況をどう考えているのか伺いたいと思います。

4月からかわる企業が、どんな会社かもよくわからない、就業条件の説明もない、このまま働き続けられるのかもわからない、不安でたまらないが、年度末と新学期の準備でそれどころじゃない。と、支援員さんたちは毎日の業務に追われています。そんな状態で、目の前の4月からの進退を迫られています。そして、会社がかわってもその学校で働きたいと思ったが、なぜか次の会社に採用されなかった、とか、条件があまりに不安定すぎてとても働けない、長年続けてきた仕事場だが去らざるを得ないという声が、聞こえています。大混乱で職を失う人まで出ている状況です。これが、市の子育て支援事業の現場でしょうか。

市の放課後学級の支援員さんたちは、民間委託で民間の社員となっても、それぞれの会社のためではなく、水戸の子どもたちのためという思いで働いてくださっています。その方たちが、安心して、安定して働き続けることができない状況を招いてしまった水戸市の責任は、あまりに重大です。支援員さんが安心できなければ、子どもたちも安心できません。市は、民間委託で支援員不足が解消できたといいますが、現場をちゃんと見ているのでしょうか。人手不足でも愛情を持って子どもたちのためにがんばって働いている支援員さんたちを、コスト感覚で使い捨てにするような運営は絶対に許されません。まず現場にいき、現場の声をきいて、市が責任をもって今の状況を改善すべきと考えますが、いかがでしょうか。お答え願います。

放課後学級は、市が責任を持って、支援員さんたちが安心してやりがいを持って働ける事業にしていくべきです。民間から民間への移動で、支援員さんたちが振り回され、待遇もどんどん不安定になっていく状況は、まさに民間委託の弊害であり、これが次の入札でもコストダウンの競争になっていくことは目に見えています。これで、本当に水戸市の子どもたちの放課後学級が安心安全に守られていくでしょうか。制限なく経費削減していく今のやり方を、ただちに改めるべきです。

高橋市長が子ども部をつくり、子育て子ども政策が1丁目1番地というのなら、放課後学級を、水戸市の子どもたちが毎日、健やかに安心してすごせる場所にしていくことは譲れない市の責務ではないのでしょうか。まさに子どもたちの生活の一部でもあり、教育の一端でもある場所です。今、弊害がはっきり見えてきた民間委託はやめ、市が責任をもって直営で行うべきです。この間、3年あまりの実態をきちんと検証し、現場の声をしっかりとききながら、よりよい放課後学級に向けて再スタートすること、今、現状から支援員さんたちの仕事と生活をきちんとまもることを、強くもとめます。

(2)施設整備につきましては老朽化・狭隘化している教室の速やかな改善をもとめるものです。各学級から出されている、教室の修繕や改修の要望がなかなか通らず、何年たっても直らないという声を度々聞いています。例えば、五軒小では体育館の中に放課後教室がありますが、アンテナがなくてテレビがうつらないため、子どもたちは同じDVDを繰り返し見ています。体育館なので、いざという時には避難所にもなるのですから、テレビが映らないというはいかがなものかと思いますし、アンテナくらいすぐにつけてあげられないのでしょうか。堀原小では、私自身も何年も前から議会でも質問し担当課にも要望していますが、雨が吹き込んでびしょ濡れになってしまう昇降口に庇をつけて欲しいというものです。寿小では、震災で床が波打ってしまった図工室がそのままで、放課後学級の教室として使えと言われても危なくて使えない、とか。子どもたちが長時間過ごす教室です、予算の拡充と速やかな修繕・改修の実施を求めます。ご答弁願います。

答弁:こども部長

土田議員の一般質問のうち,放課後学級についての御質問にお答えいたします。

はじめに,放課後学級の民間委託についてお答えいたします。本市では,放課後等における子どもの居場所づくりとして,日中に保護者が労働等により家庭にいない児童に対し,安心して過ごすことができる生活の場を提供する放課後学級を,小学校及び義務教育学校の全33校で75学級を運営しております。

放課後学級の運営につきましては,令和元年度に,梅が丘小学校において民間活力活用モデル事業を実施し,この成果を踏まえ,令和2年度から放課後学級及び放課後子ども教室の運営の民間委託を段階的に進め,令和3年度には全校において民間委託を実施したところであります。現在,市内を5つの地区に分け,3つの事業者と複数年の業務委託契約をしております。

民間委託により,待機児童がゼロとなり,現在も継続しているほか,全校における6年生までの受け入れ拡大や開設時間の午後6時30分までの延長が実現しており,加えて,放課後子ども教室との一体的な運営により,子どもたちがより充実した放課後を過ごすことができるようになったものと評価しているところです。

放課後学級の運営に当たりましては,市と各事業者との情報交換の場を月1回設けるほか,市の訪問指導員による訪問などを通して,支援員への指導,助言などのサポートを行っております。学校との連絡調整には,市も積極的に関わり,よりよい放課後学級の運営を図っているところでございます。

支援員の配置につきましては,国の基準では児童数40人以下の場合,支援員を2人以上としているところを,本市の取扱基準において,児童数35人以下で,支援員2人以上とし,充実した配置としております。また,心身に特別な配慮を要する児童等への対応として,各校に1人支援員を加配することを業務委託仕様書に記載し,支援員の負担軽減を図るとともに,児童が安全な環境でより安心して過ごすことができるよう取り組んでいるところでございます。さらに,令和3年度からは,国の交付金を活用した処遇改善事業を実施するなど,支援員の働きやすい環境づくりに取り組んでいるところでございます。

次に,放課後学級の施設につきましては,トイレ改修や外灯の設置等を年次的に進めており,エアコンやガラスの修繕等,緊急性の高いものから,優先順位を定めて対応しております。引き続き,現場の状況の速やかな把握に努めてまいりたいと考えております。

今後におきましても,事業者と学校と市がしっかり連携するとともに,民間活力を充分生かしながら,放課後等における児童の健全育成を,より一層推進してまいります。