日本共産党水戸市議団の土田記代美です。只今から通告に従い一般質問を行います。

はじめに新市民会館整備計画について伺います。

まず、大型車両の動線については、会館が来年7月には供用開始となる状況となった今、この期におよんで、あいまいな動線計画は、もはや許されないものであり、まちなかに大混乱を起こす迷惑施設となる危険を、実際にどう回避するつもりなのかを伺いたいと思います。例えば、吹奏楽コンクールが行われるとして、20組出場ならそれぞれバスとトラックが一台ずつ、計40台。あるいは、大きな講演や演説会が2000席ホールで行われるとして、例えば、全県からバスで動員するような演説会なら、50人乗りの大型バスが40台。つまり、最低でも40台の大型車両の安全かつ利便性のある動線を確保する必要がありますがどうするのか、具体的にお示しください。

 

さらに、こうした車両がさばけない施設であることで、イベント等の度に、まちのど真ん

中で致命的な渋滞、交通マヒを起こし、市長が目指すまちなか活性化に、まるで逆行する事態になると考えますが、最初から指摘し続けているこの問題を解決するための方策は何かみつかったのでしょうか。なにも見直さず、なんの対策も打たずに、開館を迎えるとすれば、あまりに無責任です。具体的な解決方法をお聞かせください。

さて、新市民会館のホームページのイベントカレンダーをみましたが、開館後は著名アーティストが目白押しかと思いきや、今のところ、ゆずの後は10月のジュジュのみ。市長がもう8年も言い続けている「若者に人気の著名アーティスト」とは、ゆずとジュジュさんなのかもしれませんが、いわゆる、普通の人が思う、著名アーティストの場合、来年のツアーは、すでにほぼ決まっており、イレギュラーで水戸に来てくれる奇特な方がどのくらいみつかるのでしょうか、コロナにも負けず、これから続々とやってくるのでしょうか、と、疑問ばかりが膨らみます。さらに、チケット販売はそれぞれのツアーページまかせで、ファンクラブの先行販売や抽選販売が始まり、結局、市民が買えない、入れない、というオチまでありそうです。また、未定のオーケストラ等、なんともあいまいなスケジュールが並んでいますが、オーケストラといってもピンからキリまであり、どこのどんなオーケストラなのかわからなければ、楽しみにしようがありません。と、音楽ファンの普通の感覚ではとてもついていけないホームページで驚きましたが、改めてこれから年間60万人の来場者あふれる会館になるという根拠はどこにあるのかをお聞きしたいと思います。

利用料金については、まず、ホールを借りる方からすれば必要不可欠な付帯設備の一覧と舞台図面がありません。ホールの料金表だけあっても、付帯設備の料金表がなければ、何がどう使えるのかわからず、舞台図面がなければ、借りるか借りないかの検討のしようもありません。予約受付を始めるといわれても、申し込みようがありませんが、いかがでしょうか。

また、莫大なお金をかけ、将来にわたって市民が大きな負債を背負うことになってしまった市民会館です。市民への還元がまるでないまま、多額の指定管理料で稼ぐコンベンションリンケージと、営利利用する事業者だけが利益を得るだけのハコにしてしまうことは許されないと考えます。せめて、市民が利用しやすくするため市民利用は無料とするか、最低限、利用料金の市民割引をすべきですが、いかがかお答え願います。

2700万円をかけて作る泉町一丁目のバス停についても伺います。そもそもバス停というのはバス会社のものであり、市の施設ではありません。それを、なぜ、水戸市が税金を使って作るのか。その理由と税支出の根拠をお答え願います。

たったひとつのバス停に2700万円という異常な支出が、私たち議員には予算の金額だけが示され、どんなバス停でなぜこれほどお金がかかるのか、その中身は説明されずに進められていく。この際限のない泉町1丁目への税金投入には、あきれてものが言えませんが、市民のみなさんがどうしたらこれを納得できるのか、ご説明願いたいと思います。

360億円を超える事業費、年間3億7千万円ものランニングコストで、市民の利益にならないどころか、まちなか活性化の障害になることすら見込まれる新市民会館に、もうこれ以上の税金無駄遣いは許されません。本市の4大プロジェクトでは、地下を掘ってみたら予定外の何かが出てきて工事費が増額になるというパターンが、毎度、繰り返されてきましたが、案の定、今度も、思わぬ障害物が埋まっていて、さらなる増額が見込まれることとなった上空通路、このまるで必要のない上空通路や、市の施設とは何の関係もない豪勢なバス停など、今、まだ止められるものは直ちに建設を中止すること、民間丸投げの運営をやめ、せめて市民が使える施設とするため根本的な運用計画の見直しをすることをもとめます。

答弁:市民協働部長

土田議員の一般質問のうち,新市民会館整備計画についてお答えいたします。

吹奏楽コンクールや大きな講演会などにおきましては,一定の時間内において,参加者の入退館に使用する大型バスや,機材運搬用トラック等を同じエリアに集中させないことが重要であります。

新市民会館につきましては,施設西側の市道上市189号線に大型バス等が停車できる車寄せを整備するとともに,1階に11トントラックが2台,地下1階に4トントラックが2台,それぞれ同時に駐車できる搬入口を整備しております。

また,新市民会館の北西に位置する水戸京成パーキングプラザ脇の市有地において,大型車両の待機スペースを確保しております。

吹奏楽コンクールの運用につきましては,一般社団法人茨城県吹奏楽連盟と協議を重ねているところであり,大型バスにおいては,車寄せを活用し,出演者等が降車した後,指定した場所に順番に移動していただくことにより,周辺道路の渋滞防止を図ることといたします。

また,機材運搬用トラックについては,新市民会館の搬入口をはじめ,大型車両待機スペース,周辺の公共施設の駐車場等を活用しながら,順番に誘導することにより,搬入口付近に渋滞が生じないような運用を図ってまいります。

次に,まちなか活性化についてお答えいたします。

指定管理者の営業により,既に多数の公演の内定をいただいておりますが,会場側の告知につきましては,著名なアーティストのコンサートやツアー公演の場合,出演者側の承諾を踏まえて,情報を公表するというのが一般的な流れであります。

目標値である年間60万人の来館者見込み数の算定根拠につきましては,これまでの市議会特別委員会でお示ししてきたとおり,施設区分ごとの稼働率を,大ホール,中ホール及び展示室を70%,会議室を85%,小ホールなどの諸室を75%,和室を60%として設定し,これらの稼働率を踏まえて,旧市民会館の年間利用者数,類似施設の状況や新市民会館の機能,施設規模,事業内容等を勘案して算出したものでございます。

次に,利用料金についてお答えいたします。

新市民会館の備品につきましては,備品計画に基づき,段階的に購入を進めており,来年4月末までに,マイク,譜面台等の付帯設備をはじめ,机・椅子,家具等の備品がおおむね納入される見込みであります。

このことから,付帯設備の利用料金につきましては,旧市民会館やザ・ヒロサワ・シティ会館のほか,施設規模が同程度の公立文化施設の利用料金を参考とし,現在,適正な料金を算定しているところであり,今後,利用者の皆様に公表してまいります。

また,市民割引についてでございますが,水戸市民会館条例に位置付けた利用料金につきましては,市内外の利用者を問わず,一律な料金設定として議決をいただいたものでございます。

答弁:市長公室長

土田議員の一般質問のうち,新市民会館最寄りの泉町一丁目バス停についての御質問にお答えいたします。

水戸市公共交通基本計画におきましては,中心市街地のおけるバス停留所について,市民の待合環境の向上を図るとともに,洗練された都市景観を創出することを位置づけております。集客施設である水戸芸術館,水戸京成百貨店に加え,新市民会館によって利用者の増加が見込まれる泉町1丁目バス停につきましては,水戸市バリアフリー基本構想に基づく特定事業計画におきましても,屋根やベンチの設置を位置づけ,整備を行っているところでございます。

あわせて,新市民会館をはじめとしたミトリオ地区は,まちのにぎわいの中心となり,芸術文化の発信拠点となることから。最寄りの泉町1丁目バス停につきましては,まちのデジタル化のモデルともなるよう,バスロケーションシステム等に対応したデジタルサイネージの整備を行うこととしたものであります。

市内初の取組であり,交通の分野におけるデジタル化の効果を検証し,今後の拡充につなげていくためにも,本市が主導して整備,運営することとしたものであります。

今後とも,バス事業者と連携しながら,バス停留所の待合環境の向上を図ってまいります。