次に、市営住宅について。本市には、せっかく市営住宅があるのに、その役割があまりに果せていないと痛感し、改善をもとめて質問いたします。

まず、入居条件や入居者の状況について、ひどく老朽化していたり、ずっと空き部屋となっている住宅がたくさんある一方で、入りたい方が入りにくい現状があります。たとえば、単身者が住まいを探していても、単身者が入れる市営住宅は、3か所しかなく戸数も限られているため、順番待ちでいつになるかわからないという状況を、なんとかできないものでしょうか。入れず待ち続け困っている市民がいる一方で、あちこち空き部屋ばかりになっている住宅がたくさんあるのです。単身者や高齢者、あるいは連帯保証人をみつけられない状況にある人が、民間アパートに入れず、住む場所に困っているときに入居できることこそ、市営住宅の存在意義であり、本市の役割ではないのでしょうか。単身者用、一般用と区別し、ただ空き家にしておくよりは、柔軟に対応し、ひとりでも入居してもらった方が、建物にとっても市民にとってもよいのではないでしょうか。

また、双葉台など、以前は多くの子育て世代が入っていた規模の大きい住宅でも、一定の収入が上がった時点で、即、退去勧奨がなされ、若い人たちがどんどん出ていってしまい、残っているのは高齢者世帯と空き部屋ばかりという状態で、これでは自治会も成り立たないと、住民が困りきっています。こうした状況も、一定の条件緩和や、若い人が入りたがらない古い部屋をリフォームするなど、改善の方法はいくらでもあるものと考えます。どんな家でも人が住まなければ、傷みが早まり、ますます人が入らない悪循環となります。また、ただ空き家を維持する経費を考えても、条件を見直すなり柔軟な対応をすることで、入居者を増やす工夫こそすべきと考えますが、いかがでしょうか。

もう一点、市営住宅の駐車料金について伺います。本市で生活するには、おおむね車と家はセットであり必要不可欠なものです。2100円の駐車場料金を家賃と別にとるのではなく、住宅とセットで無料にしてはいかがでしょうか。駐車料金が負担となり路上駐車してしまっている状況も改善でき、安全確保の観点からも有効と考えます。さらに、子育て世帯や共働きの世帯では、駐車場は1台分では足りず、駐車料金が2台分かかる場合がほとんどです。駐車場の無料化がすぐには無理なのであれば、せめて2台目は無料とか2台目割引などの措置が早急にできないものでしょうか。お答えを願います。

答弁:都市計画部長

一般質問のうち,市営住宅についてのご質問にお答えいたします。

市営住宅の現在の入居率は,政策的空き家を除いて 約82.7%であり,507戸の空き家がございます。

議員ご指摘のとおり,近年の傾向といたしましては,入居者の高齢化や建物の老朽化等の影響から年々空き家は増加傾向にございます。それに伴い,自治会の運営に携わる入居者の方からは,役員の担い手を確保できないなどの相談も受けており,入居率の向上は,早急な課題であります。

一方で,高齢単身者の方々からは,入居希望の相談を多くいただいていることもあり,現在の単身者入居要件である床面積50㎡以下の基準を見直すなど,高齢単身者が入居しやすいよう住宅セーフティネットの環境整備に向け条件緩和などの検討を行ってまいります。

また,市営住宅駐車場の無料化につきましては,車を所有している方と所有していない方との負担の公平性の確保の観点から無料化は困難であると考えております。近隣の民間駐車場と比較しましても,低廉な金額の設定となっておりますので,これまでどおり駐車場1台につき,2,100円のご負担をいただいてまいります。