次に、水戸市の水道について伺います。

茨城県が、茨城県水道ビジョンの策定で、県内水道事業をすべて統合し一県一水道を目指す方針を唐突に打ち出し、水戸市も検討を進めるための研究会に組み込まれています。

これは、茨城県が、何十年も前の需要予測を見直すこともせず、放漫な水開発(八ッ場ダムや霞ケ浦導水事業など)を続けてきたことで積み上がった莫大な負債を、各市町村に押し付けようとしているものであり、市町村の負担も水道料金も跳ね上がると考えます。また、将来的には、麻生元財務大臣や経済界が推進しようとしている、水道民営化への道筋をつけるものでもあり、市民に安心安全な水を届けるという、本来の公的サービスが損なわれるものと考えます。水道は、なくてはならない身近な公共サービスであり、広域で統合すれば、本市の職員の機動力や必要な専門性も損なわれます。水戸市にとっても市民にとってもデメリットしかありません。

水戸市は水戸黄門の時代から、全国にさきがけ、市民に安全な水を供給してきたパイオニアです。ムダに高い上に、震災や先の水害の際にもあちこち壊れ供給できなくなった茨城県の水では、市民の安心安全もまもれません。これまで市の責任で安全でおいしい水を供給してきた水戸市の努力も、将来にわたっての更新計画を考えての水道料金ということで、かなりの値上げがあっても我慢して支払ってきた市民の願いも、水の泡になるのではないでしょうか。

水戸市には豊かな水があり、独立採算でやっていけているどころか、8万人分もの水が余っているほどです。高橋市長には、茨城県のすすめようとしている一県一水道方針には明確に反対し、水戸の豊かな水と歴史ある水道事業を将来に渡ってまもりぬくことを求めるものですが、ご答弁願います。

次に、水戸水(ペットボトル)についてですが、夏季の熱中症対策として、小学校へ配備をしてはいかがでしょうか。猛暑とコロナ対策が重なり、今、子どもたちは水筒を持参して学校に通っています。しかし、こまめな水分補給が必要な暑い最中に、水筒の水はあっという間になくなってしまいます。だからといって、ちいさな子どもたちに大きな水筒を持たせるのも無理があり酷な話です。この夏、日立市やつくばみらい市などで、子どもたちにペットボトルの冷水を提供する取り組みが行われ、大変喜ばれたとのことです。水戸市には水戸のおいしい水道水のペットボトルが商品化されており、ぜひこれを活用してはいかがでしょうか。

答弁:上下水道事業管理者

土田議員の代表質問のうち,水戸市の水道についてお答えいたします。

初めに,1県1水道についてでございますが,茨城県では,本年2月に本県水道が目指す将来像とその実現のための取組の方向性を示す,茨城県水道ビジョンを策定いたしました。その中で,最も合理的に理想像を実現するためには,広域連携が有効であるとし,段階的に「1県1水道」を目指すこととしたところでございます。

これを受け,今年度は,県が主体となり,広域連携等を含めた具体的な方策について検討を行うため,県及び市町村等で構成する「広域連携等に係る研究会」が定期的に開催されており,各市町村等の現状について検討を加えている段階でございます。

この中で,県は,広域連携に係る国の交付金を活用した早期の事業着手が有利との考えから,令和7年度の統合を目標としたスケジュール(案)を示したところでございますが,各市町村等に対し,広域化に参加するか否かについての意思表示は求めていない状況でございます。

したがいまして,本市といたしましては,引き続き研究会への参加を通じて,他市町村等との連携を図りながら,課題の把握や共有に努めるとともに,市民負担の増大につながらないことを第一とし,かつ,本市水道事業の安定した供給と経営を最優先に,慎重に検討を進めてまいります。

次に,ペットボトル水「水戸水」につきましては,水道水のおいしさや安全・安心な本市の水道をPRするため,楮川浄水場で浄水した水道水をボトリングしたものであり,平成27年度から製造しております。水戸水の活用方法といたしましては,市内店舗での販売や市が主催する会議・研修等での配布のほか,令和3年度からは水戸ホーリーホック及び茨城ロボッツとコラボレーションしたラベルを作成し,新たな客層へのPRとして,ホームゲームでの来場者への配布なども行っております。

議員御提案の夏季の熱中症対策として,水戸水の小学校への配備についてでございますが,水戸水はPRを目的として製造していることから,大量に流通している民間のペットボトル水と比較して,コストが割高となっており,また,水戸水の製造,運搬等にかかる費用を,料金収入を原資とした独立採算制を基本とする水道事業で負担することは,適切でないと考えております。

本市では,安全・安心でおいしい水道水を日々提供しておりますので,子どもたちにも蛇口から水道水を飲用していただけるよう,引き続きおいしい水道水のPRとさらなる水需要の拡大に努めてまいります。