日本共産党水戸市議団の土田記代美です。通告に従い一般質問を行います。

はじめに教育行政について、まず学校プールと水泳教育について伺います。

今年1月7日の文教福祉委員会で、4月から小学校のプールを廃止し、水泳授業は民間のスポーツジム等で行うと報告され、今議会に予算が提案されていますが、古いプールを直して使うより、50年スパンで考えれば安上がりになるという説明に、委員会でも異論・疑問が続出しました。そもそも教育はコストか?と怒りが噴出しました。

こうした本市の教育にかかわる大きな方針転換について、事前になんの説明も議論もなく、いきなり決定の報告がされ、あっという間に強行されることは、あまりに議会軽視でありとても認められません。文教福祉委員会では、開放学級が民間委託される時も、また市立幼稚園が廃止されるときも、今回と同様、いきなり年明けの委員会に報告がされ、その新学期からの実施強行でした。まず、このやり方に断固抗議したいと思います。私たち市会議員が、市民に選ばれた代表として議会にいる責任が果たせません。

水戸の宝である子どもたちを育む教育を、コストと考え経費削減ありきで安直に切り捨て、市が行うべきことを民間にまかせていく姿勢は、市長が本会議初日に延々と述べられた、こどもを大切にするという施政方針とまったく相反するのではありませんか。

学校プールの老朽化について、私は何度も改善をもとめ本会議で質問を重ねてきました。そのたびに「優先度の高い修繕箇所から順次改修している。引き続き計画的な改修をすすめ水泳学習の充実に取り組んでいく」と、答弁をされてきました。子どもたちにとって、夏の楽しみであり、貴重な学習体験であり、本市の歴史的特性からも大切なプール授業を安心安全なものに、という思いで予算の拡充と速やかな改修をもとめ続けてきましたし、各学校や担当課が限られた予算の中で、工夫しながら改善をすすめてきたことも、現場をみながら確認しています。ところが、水戸市は「お金がかかるから、もうプールは直さないことにした」と。到底理解できません。

委員会では、様々な理由が語られましたが、まず、学校プールの維持管理にかかる先生の負担を軽減するというなら、速やかに維持管理しやすいプールへと改修すべきですし、天候に左右されない屋内プールを借りた方が教育的によいというのなら、なぜ、6校だけは、これまで通り学校プールの授業を続けるのか。また、古いプールの学校から順番に移行していくといいながら、もう6年も前から本会議でも示し、危険な状態になっているプールの石川小学校が、真っ先に移行とならずに、新年度もそのまま学校プールを使うのです。とても合理的な判断がなされたとは思えません。また、民間の施設は様々であり、施設によっての違い、学校からの移動距離の違い、あるいは、今般のコロナ禍のような状況が起きたときに、経営の存続や会社都合による施設閉鎖などのリスクもはかり知れず、いきなりプール授業ができなくなる学校が出てくる可能性もありますが、どこまで考えてこの方針を決められたのか、お答え願います。本市の子どもたちが、どの学校に通っていても格差なく平等な授業を受けられるようにすることは、市の当然の責務ではないのでしょうか。

学校プールの補修・改修工事は毎年行われており、昨年度までの5年間だけでも174件、年に30件~40件の工事を行っています。(パネル)この積み重ねた工事費用や、優先度の高い箇所からの改修といわれ「次はどこを直してもらえるだろう、早く直してもらいたい」と、順番を心待ちにしていた各学校や子どもたちの思いも、すべて水の泡とするのでしょうか。(今年度、知らない間に試験的に導入されていたという梅が丘小学校は、前年の令和2年度に工事をしたばかりです。まったくのムダ使いとなったことになります。)

さらに学校プールは、単に学校だけのものではなく、地域のものでもあります。東町プールがなくなってから、多くの市民の要望を受け、本市は夏休みのプール開放を広げてきました。これも、老朽化したプールが多いため、ちいさな子どもを含めた市民に安全に開放できるプールが少ない中、毎年、工事を進め少しづつ増やしてきたわけです。市民に喜ばれ、利用も年々増え、地域のバランスを考えさらに拡大できるよう、市としても努力をしてきたのではないですか、それもすべて水の泡ということでしょうか。

このような拙速で安易な方針転換は到底認められません。学校プールの廃止計画を撤回し、速やかにプールの整備・改修をすすめ、長年、1校1プールの方針で培ってきた本市の伝統ある水泳教育を堅持し、全市で格差のないプール授業を継続していくことをもとめますが、ご答弁願います。

答弁:教育部長

土田議員の一般質問のうち,学校プールと水泳教育についてお答えいたします。

本市の小学校の水泳授業は,例年6月中旬から7月下旬にかけて実施しておりますが,梅雨の時期と重なり,気候や天候の影響を受け,計画的どおりに実施できないといった課題やプールの老朽化が進んでいるなどの状況がございます。

特に,プール施設については,プール槽やプールサイドの破損に加え,ろ過機,配水管など,設備の不具合が相次いで発生しており,修繕を重ねていかざるを得ない傾向にあります。

このような中,本年度は,梅が丘小学校において試行的に民間施設を活用して,水泳授業を行ったところ,子どもたちからは「屋内プールなので風もなく寒くない」,「温水なのでずっと入っていられる」など,天候に左右されることなく授業が実施できることへの喜びの声が届いております。また,教職員からは「水泳への興味関心が高まり意欲的に取り組む児童が増えた」など,子どもたちの変化を実感しているといった意見が寄せられています。保護者からは「これまでプールを嫌がっていたが,今年は積極的に参加するようになった」,「より良い環境になってありがたい」などの反響がございます。

また,市学校長会からも,学校外の屋内プール施設の活用に向けた要望をいただいており,築30年以上経過しているプールを保有する小学校について,学校外の屋内プール施設を活用しての水泳授業の実施に向け,学校,民間施設等と協議を重ねてまいりました。

学校外プール施設の活用に当たりましては,学校と民間施設等が連携し,円滑かつ確実に水泳授業を実施する必要がございます。

そのため,各年度の対象校につきましては,プールの建設年が古い学校や施設設備に不具合のある学校などを優先し,令和4年度から令和6年度までの3年間で段階的に拡大していく移行スケジュール案を作成したところでございます。

また,今回,学校外プール施設活用の対象となっていない6校の小学校につきましても,プールの老朽化の進行の状況などを踏まえて,使用する施設までの移動時間,受け入れ可能な人数,学級数など,学校外プール施設との調整を行いながら,今後,学校外プール施設の活用を検討してまいります。

本事業につきましては,小学校の水泳授業について,順次,従来からの転換を図り,良好な水泳環境である学校外の屋内プールを活用して実施するものであり,子どもたち,教職員,保護者から多くの期待が寄せられているものでありますことから,しっかりと準備をし,水泳授業の円滑な運営に努めてまいります。