次に、中学校の部活動について伺います

今年度、双葉台中学校で休日の部活動を外部の指導に任せる地域部活動のモデル校としての取り組みがなされました。部活動顧問の先生の働き方改革という点では、先生の負担軽減に大変有効だったとのことであり、専門的なコーチングを受けられ子どもたちにも好評だったそうです。しかしながら、これを新年度も継続していくためには、大きな課題が残され、学校も保護者も心配、苦慮しています。

双葉台中の場合、地域部活動を導入した部では、ひとり当たり月1000円の負担金と新たに保険の加入が必要でした。今年度は、新型コロナの影響であまり使われず余裕があった学校後援会費で賄ったとのことですが、今後も続けていくには、受益者負担の形でお願いしていくしかない。当面は、みんなで支える部活動ということで、後援会費で賄うつもりだが、外部コーチを導入する部としない部があり、どうしても不公平感は出てくるので悩ましいということでした。そもそも学校後援会費自体が、部活をやっている子もやっていない子も一律に負担しているもので、そこにさらに負担が増えるとなれば、保護者の負担感・不公平感は増大します。

中学校の部活動は教育であり、本来、どの子もどんな部活でも、安心して無償で取り組めるものであるべきではないでしょうか。今でも、後援会費・部費・用具やユニフォームなどの購入費・校外練習や試合のための移動費等、部活にお金がかかりすぎるという切実な声がある中、地域部活動の導入のためにさらなる大きな負担を保護者に押し付けるべきではありません。もともと部活動の費用が受益者負担という考え方自体、教育の本筋から外れていると考えます。

中学生が部活動で得る経験・学習は貴重なものであり、自分がやりたいものを自由に選択し、どの子も平等に有意義に取り組めるものであるべきです。家庭の経済状況などによって、「お金がかかりすぎるから弓道部はやめて他の部にして」とか、「外部コーチの費用は出せないから外部指導が入らない部に」とか、「部活はやめて我慢して」などと子どもの選択の自由が制限されてしまうことなどあってはならないことです。

まず、市として、中学校の部活動にかかる保護者負担の軽減をはかることをもとめます。さらに、今後、地域部活動や外部コーチの活用を進めるなら、本来、旗を振っている国・県が財政的な負担をすべきでありますが、本市としても、導入を学校まかせにせず、子どもたちや保護者の不公平感・負担感を増大させることなく、本市の教育推進のために必要な施策として、責任を持って財政負担をしていくべきと考えますがいかがか、お答え願います。

答弁:教育部長

次に,中学校の部活動についてお答えいたします。

国は,令和2年9月に,生徒にとって望ましい部活動の環境の構築と学校の働き方改革も考慮したさらなる部活動改革の推進を目指し,具体的な実現方策やスケジュール等の方針を示したところであります。

さらに,令和3年度から地域運動部活動推進事業を実施し,令和5年度以降の休日の部活動の段階的な地域との連携による活動への移行に向けて,地域人材の確保や費用負担の在り方,運営団体の確保などの課題に取り組むために拠点校において実践研究を実施し,研究成果を普及することで,休日の地域部活動の全国展開につなげることとしました。

県内ではつくば市の中学校と本市の双葉台中学校が,県の実践研究のモデル校に指定され,昨年5月から本年2月までを期間として実践研究を実施いたしました。双葉台中学校の男子バスケットボール部など5つの部活動においては,運営団体であるNPO法人から専門的な指導を行う指導者が派遣され,土日のいずれかの日に1回3時間程度の部活動指導を行いました。受益者負担となる費用については,双葉台中学校後援会からも御支援をいただきながら運営いたしました。

双葉台中学校の研究の成果として,地域運動部活動に参加した生徒・保護者からは,専門的な指導を受けたことで大会において活躍できたとの声や練習内容,練習プログラムに対して約8割が満足しているとのアンケートの回答が寄せられております。

研究成果を普及する方法や課題を検証するため,総合教育研究所において,市中体連会長や民間スポーツクラブ,保護者等の委員からなる検討・運営会議を開催し,今後の部活動の在り方等について協議を行っております。検討・運営会議では,研究成果を市内へ発信していくことや課題である運営団体や指導者の確保,受益者負担の在り方などを検証していくことで市内全域への展開が推進されるなどの御意見をいただいたところでございます。

今後におきましては,双葉台中学校での成果や課題である人材確保や受益者負担の在り方などについて丁寧に検証し,国や県の有識者会議の動向を踏まえながら,休日の部活動の地域移行推進に努めてまいります。