• 次に市民生活の安心安全について伺います。

(1)まず、住宅地および通学路の安全についてですが、渡里小学校のすぐ近くの住宅地の中に、車のタイヤが山積みになっている古い住宅と道路があります。空き家となっている住宅の中までタイヤが散乱し、建物自体が大きく壊れかけ危険な状態ですが、さらに、その隣に、屋根の高さを超えるほど大量のタイヤが広範囲にわたり積みあがっています。周辺の住民は、長年、怖くて見ていられない、もしも火が付いたらどうなるか、また、夏場には蚊などが大量に発生し衛生的にも悲惨、なんとかならないものか、と、本市や警察にもたびたび相談しています。そこでは、古いタイヤを回収しホイールを外してタイヤを廃棄する仕事をしているのですが、作業に使われる機械の運転音が凄まじく、騒音被害は想像を絶するものです。また、狭い路地に廃タイヤを回収しに来る大きなトラックが出入りをし、それが子どもたちの下校時刻と重なることが多く、小学校の目の前で本当に危険な通学路となっています。

タイヤが山積みに放置され困っている、という話はよく聞きますが、これほど密集した住宅地の中で、多くの住民が隣接して生活しながら、日常的に悩まされているという例は、水戸市でも他にはないのではないでしょうか。

安心して暮らせない、安全に通れない、という市民生活の問題を解決する責務が本市にはあり、また、現場を見ながら、住民の苦痛やこれほどの危険な状態を黙認してきた市の責任も大きいと考えます。本市の公害防止条例に、市長の責務として「第3条 市長は、市民の健康を保護し、生活環境を保全するため、あらゆる施策を通じて公害の防止に努めなければならない。」と、あります。第8条には、市長は、事業者が公害の防止のために行う施設の整備、改善若しくは移転に必要な資金のあっせん又は技術的な助言に努めるものとする。」と、書かれています。公害の定義は、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる汚染や騒音、振動などにより、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいうとされています。まさに、地域住民に日々、直接被害が生じております。

市民の安心安全が損なわれている現状を、一日も早く解決すべきですが、事業者にとっても、長年暮らしている生活の場でもあることから、本市が、条例に基づき移転の手助けをするなど、解決に向けて、市民に寄り添った対応と早急な改善策に真剣に取り組むことをもとめますが、いかがかお答えください。

 次に、生活環境を脅かす悪臭対策についてです。

長年にわたり、内原周辺の住民が苦しんでいる悪臭について伺います。先般、周辺住民に対し、水戸市は、市の調査で法規制の範囲内であり問題がないとの書面を配ったとのことですが、とても納得できない、なんとかしてほしいとの住民の声は切実です。悪臭は、広範囲にわたり、また日によって時間帯によって違い、本当に強烈です。窓をあけると頭が痛くなる、洗濯物が外に干せない、収穫したコメに臭いがついて売れなくなってしまう・・・等々の訴えがあり、まさに市民の健康と生活環境が脅かされている状況です。

悪臭の原因と思われる事業者は、大量の生ゴミなどからたい肥を作っているとのことですが、その管理に問題があるのではないか、住民にとって、日常的かつ長年にわたる苦痛に対し、市としてどう改善していくのかを伺います。

今から5年前、2016年1月に、水戸市は公式ツイッターで「内原地区の悪臭につきましては、同様の苦情が市にあり、発生源と思われる事業場に対して、県と合同で立入調査を実施しているところです。今後も県と情報の共有を図りながら、施設管理の徹底等による悪臭防止を指導してまいります。」とツイートしています。

当時は、産廃処理事業者に対する改善指導の責任は茨城県にあり、その翌年の2017年には県議会で江尻かな議員がこの問題を質問し、同様に生ゴミを扱う事業所は県内に20以上もある中で、この水戸の業者だけが再三立入指導をうけながら改善されないこと、その回数はなんと6年間で23回にも及んでいることなどが明らかになりました。

そもそもこの事業の許可をしたのは県であり、隣接する県の障がい者施設との距離をみれば、都市計画法や県の立地基準に反するものと考えますが、施設の残飯等の廃棄処理を請け負う契約で、県予算から多額の費用がこの業者に支払われています。そして運ばれたそれら大量の生ゴミが、異常な悪臭を周囲に放っているのです。

これまで県の対応が不十分なまま改善されなかった問題であり、県の責任は重大ですが、昨年度から本市は中核市となり、この管理指導責任を負うことになりました。今後どう対応するのか、まず、開け放たれている事業場をきちんと覆うなど悪臭を敷地内で封じ込める対策とらせるべきです。また、県に対しても、水戸市に責任を押し付けて終わりにするのではなく、業者との契約を見直すこと、本市と連携し合同で問題解決にあたることを強く求めるべきです。いずれにせよ、市民生活の環境保全は市の責務であり、早急な改善をもとめるものです。

(3)最後に大塚池公園の整備については、市民の憩いの場、散策の場として、多くの人に利用されており、私も先日、夕暮れ時に一周してきました。遊歩道を歩いてもゴミ1つ落ちていることなく、よく管理をされていると感心しましたが、利用者の安心・安全面で気になることがあったため改善をもとめて質問します。ひとつは、3か所あるトイレに電気がないのです。今の季節は日が短く4時過ぎには薄暗くなりますが、トイレに入ると真っ暗で怖いようでした。電気をつけるべきではないでしょうか。また、遊歩道が傷んで危ない部分があり、特に児童遊園の近くで、大きな亀裂や段差ができてしまっています。小さな子どもたちや高齢者の歩行の安全のために早急に整備すべきですがいかがでしょうか。

以上で私の質問を終わります。明解なご答弁をお願いいたします。

答弁:市民協働部長

次に,市民生活の安心安全についてのご質問のうち,住宅地および通学路の安全についてお答えいたします。

安全で安心して生活できるまちであることは,すべての市民の願いであり,その実現のためには,行政や市民,事業者がそれぞれの役割を認識しながら,相互に連携して取り組むことが重要であると考えております。

渡里地区内における,タイヤの山積みや作業に伴う騒音,関係者のトラックの出入りによる危険性など,近隣住民の方から相談が寄せられた内容につきまして,現状の把握のため,関係各課が合同で,当該場所での確認を行うとともに,事業者と面談を行ったところでございます。

その結果,現時点におきましては,法令等の違反に該当する事案は確認できませんでしたが,地域の皆様から不安の声が寄せられていることにつきましては,市から事業者へお伝えしたところであります。

今後とも,住民の皆様が,安全に安心して生活できる環境づくりに向け,市民の声に対しまして,迅速かつ丁寧に対応してまいります。

答弁:生活環境部長

土田議員の一般質問のうち,悪臭対策に関するご質問にお答えいたします。

悪臭は,騒音や振動をはじめとする,環境基本法で定める7種類の公害,いわゆる「典型7公害」の一つであり,その不快なにおいにより生活環境を損ない,感覚的・心理的な被害を与えるものであります。

また,悪臭は,臭気物質が住民の嗅覚に作用し,苦情や陳情という形で顕在化することが多い問題でございますが,悪臭の感じ方が人それぞれであることや,風等の影響で広範囲に拡散し,発生源の特定を難しくしていることなど,様々な要因がからんで発生するため,他の公害と比べ,解決が困難であり,対応に長期間を要することが多い傾向にあります。

このような悪臭に対応するため,国におきましては,生活環境を保全することを目的に,悪臭防止法を制定し,工場や事業場における事業活動に伴って発生する悪臭について,規制地域の指定や規制基準の設定を行うことで,悪臭防止対策を推進することとしております。本市におきましても,悪臭の発生に対しましては,調査等により発生源を特定したうえで,悪臭が法令に定める規制基準を超える場合は,発生源者に悪臭の防止について改善指導を行っております。

また,廃棄物処理施設につきましては,廃棄物の処理及び清掃に関する法律等に基づき,定期的な立入検査を実施し,改善を要する箇所があった際は,文書による指導を行い,更なる立入検査を実施することにより,改善状況の確認を行っております。これらの指導を行ってもなお,改善が認められない場合は,同法に基づく改善命令等の行政処分を行うこととしております。

市内で発生する悪臭につきましては,発生源者に,法令の遵守を徹底させることが,問題の解決,ひいては,良好な生活環境の保全につながるものと考えておりますので,引き続き,関係部署との連携を図りながら対応してまいります。

答弁:都市計画部長

土田議員の,市民生活の安心・安全についてのご質問のうち,大塚池公園の整備についてお答えいたします。

大塚池公園は,周辺地域の都市化が進む中で,水と緑が醸し出す良好な癒しと憩いの空間であり,池を周回する約2.6キロメートルの園路は,早朝から深夜まで時間を問わずジョギングやウォーキングを楽しむ多くの市民に利用されているとともに,遊具広場は子どもたちの安全な遊び場として,毎日,親子連れなどで賑わっております。また,冬には,飛来する白鳥を目当てに,多くの方々が来園される地域のシンボルであります。

ご質問のトイレにつきましては,公園内に3箇所配置されており,いずれも建物は,設置から38年が経過し,老朽化が進み,ご指摘の通り,室内灯も備わっておらず利用の方々へは不便をおかけしております。そのため,特に利用頻度の高い,遊具広場内のトイレから優先に,年次的な改修を検討してまいります。

また,園路につきましては,これまでに約1キロメートルの改修を進めてきたところであり,ご指摘の遊具広場付近を含めた残りの約1.6キロメートルについては,今後,国の補助金を活用しながら,年次的な維持補修に努めてまいります。