次に、国民健康保険税について伺います。
来年度から、県の方針に従い、保険税の賦課方式を、これまでの3方式から2方式へ移行するとされています。これまであった平等割をなくし、所得割と均等割のみで算定されることで、単身者の負担は多少減る可能性がある一方で、世帯人数の多い場合には、相当な値上げにつながると見込まれます。子どもが多いほど税額が高くなるのでは、少子化対策にも逆行する方式と考えます。国保税は、そもそも収入に対する負担が大きすぎ、本市でも、高すぎて払えない世帯が約8000世帯もある状況です。県の方針だからといって、さらなる値上げにつながる方式を、言われるままに採用するのではなく、本市の実態と影響を熟慮しながら判断すべきと考えますが、市長のご見解を伺います。さらに、本市の国保会計は、昨年度もおよそ8億円以上もの黒字が見込まれており、これを活用して引き下げが可能と考えますが、いかがでしょうか。本来的な制度の問題として、国庫補助が減らされてきたことが、重い負担原因の一つであり、国の負担を強くもとめるべきでありますが、国が一向に動かない中でも、市民のくらしと健康をまもるための社会保障として、本市が独自に市民負担を軽減することは、やろうと思えばできることです。まずは、一世帯1万円の引き下げをもとめますが、いかがでしょうか。

答弁:市長

次に,国民健康保険税についての御質問にお答えいたします。

国民健康保険制度につきましては,平成30年度から,県が財政運営の責任主体となり,県内市町村の統一的な運営方針である, 「茨城県国民健康保険運営方針」に基づき,安定的な財政運営と国民健康保険事業の広域的・効率的な運営を担っております。

また,国は,国保制度における財政運営上の課題解消のため,令和2年5月,将来的な都道府県での保険料水準の統一に向けた検討をすることなど,運営方針の策定要領を改定いたしました。

これを受けて,県は,令和2年10月に運営方針を一部改定し,段階的な取組として,各市町村がそれぞれの実情にあわせて採用している,国保税の賦課方式について,所得割・被保険者別均等割による2方式とし,令和4年度からの県内統一を目指すことといたしました。

本市におきましても,国保制度改革の趣旨を踏まえ,県の運営方針に基づき,令和4年度から国保税の賦課方式を,現行の3方式から世帯別平等割を廃止した2方式へ変更することとし,本年8月に水戸市国民健康保険運営協議会へ賦課方式及び税率等について,諮問させていただいたところでございます。

賦課方式を変更することにより,世帯当たりの税額は,所得や世帯の加入者数によって変動が生じてまいります。平等割の廃止により均等割が高くなる傾向となり,人数が多い世帯の負担増が想定されますが,子育て世帯の経済的負担軽減の観点から,令和4年度から国において制度化される,未就学児を対象とした子どもの均等割の5割軽減措置等の新たな支援策を活用することで,負担軽減が図られるものと考えております。

ご指摘の,令和2年度の国民健康保険会計の決算におきましては,国保事業費納付金が,令和2年度・3年度の2か年度に限り,県の会計の決算剰余金を活用することで,大幅に減額となったことなどが影響し,実質的に黒字となっております。

本市の国保財政は,赤字の状況が続いておりましたが,一般会計からの計画的な繰入れを行うことで,平成25年度を最後に,これまで税率改定を行うことなく,健全な財政運営を維持してまいりました。

しかしながら,今後も国保事業費納付金の変動や高年齢化等によって見込まれる医療費の増加に備え,繰越金等による一定の財源確保を図り,将来に向け国保財政基盤の強化を図る必要があります。

従いまして,安易に繰越金を活用した国保税の値下げをするべきではないと考えております。

賦課方式の変更等の改定につきましては,国民健康保険会計の決算状況や県へ納付する国保事業費納付金等を踏まえ,今後,適切な税率等となるよう,慎重なシミュレーションを行うとともに,水戸市国民健康保険運営協議会においてご審議いただき,その答申に基づき決定してまいります。

私は,医療保険制度は,市民生活の基盤であると考えております。そのため,今後も市民が安心して医療が受けられるよう,引き続き健全で強固な国保財政基盤の構築に努め,持続可能な国保事業の運営に積極的に取り組んでまいります。