次に、東海第二原発について伺います。

再稼働に向けて躍起になっている日本原電が、敦賀原発2号機の審査で、原子炉建屋下の活断層のデータを改ざんしていた問題で、原子力規制委員会は、先月、審査の中断を決定しました。「元のデータの書き換えは絶対にやってはならない。倫理上の問題だ」と厳しく批判され、原電の体制改善が確認できるまで審査は再開しないということです。

原電の審査資料の不備やデータのミスは、東海第二原発の安全審査や20年延長申請の際にも連発され、当時、水戸市で行われた住民説明会の際に、原電の担当部長は「地に落ちた信頼を回復していきたい」などと語っていましたが、何年たってもまるで変わらない体質にあきれるばかりです。過去にはトラブル隠しなども何度も行われ、とても信用できない、そもそも危険な原発を扱う資格がない事業者ではないかと思います。それでも、原電は確実に再稼働に向けて邁進しています。一日も早い東海第二原発の廃炉を求めて質問いたします。

高橋市長には、本市でも策定に苦労している広域避難計画について、根本的なことを伺います。私は、27万人の市民が安全に避難できる、市長の言う実効性のある避難計画など、現実に策定不可能だと考えていますが、万が一、仮に、実現可能な避難計画ができたとして、市民が一人残らず安全に避難できればよいのでしょうか。みんな安全に避難できました、ただ、「何年たっても、何十年たっても戻ることはできません。もしかしたら二度と戻れないかもしれませんよ。」という避難です。たとえ安全に避難できても、ふるさとにはもどれない。それで安心安全が確保されたという市民はいないと思います。

なぜ、一事業者の利益のために、市民がふるさとを奪われるかもしれないという不安や覚悟とともに生きなければならないのか。市長が、市民の安心・安全を守り抜くというのなら、東海第二原発は再稼働を認めず、原電に対しきっぱりと廃炉をもとめるべきではないのでしょうか。お答え願います。

答弁:市長

次に,東海第二原発に係る御質問についてお答えをいたします。

私は,原子力施設においては,安全が最優先されるべきであり,原子力事故は二度とあってはならないと強く認識しております。そして,施設の万全の安全性を確保することは事業者の当然の責務であると考えております。

そのため,昨年2月に敦賀発電所2号炉の安全審査に関する資料が,日本原電により一部無断で書き換えられるという事象が発生した際には,同じ事業者が管理する東海第二発電所の周辺に位置する本市といたしましても重く受け止め,原子力事業者が持つべき安全に対する意識と誠実さを著しく欠いた行為であり,同様の行為を二度と行うことのないよう,申し伝えたところでございます。

今後とも,日本原電に対し,東海第二発電所に使用済み核燃料が現存し,災害リスクがある以上,責任感を持って,常により高いレベルの安全を目指し続けるよう,強く求めてまいります。

また,事前了解権を持つ6自治体で構成する原子力所在地域首長懇談会においては,本年4月,私を含めた各首長が直接発電所の安全対策について現地確認を実施したところでございます。

引き続き,茨城県や関係自治体との連携のもと,定期的な現地視察を実施するなど,施設の安全対策等について,継続して厳しくチェックし,住民の皆様の安全と安心の確保に努めてまいります。

東海第二発電所の再稼働につきましては,全ての市民の安全な避難に向けた実効性のある広域避難計画を策定できない限りは,あり得ないものと考えております。私は,市民の皆様の安全で安心できる暮らしを守っていくという使命がありますので,引き続き議会の御意見を踏まえるとともに,水戸市原子力防災対策会議における技術的,専門的な御意見や多くの市民の声を十分考慮しながら,最終的な判断を下してまいります。