次に教育行政について(1)まず、学校施設について伺います。

まさに不要不急の開発事業には、あっという間に大きな予算がつぎ込まれる一方で、必要不可欠な予算が賄われず、あまりにも進まない事業が、老朽校舎の改善ではないでしょうか。子どもたちの過ごす学校を安全で快適なものとすることは、まったなしの緊急課題と考え、早急な改善をもとめて質問いたします。

これまでも施設の老朽化や深刻な不具合については、例をあげながら質問してきました。担当課の皆さんが、足りない予算の中であれこれ工夫をしながらやりくりし苦労していることもよくわかっております。しかし、子どもたちの現場に予算不足や後回し、順番待ちなどという言い訳は通用しないものと考えます。

例えば、石川小学校について、私は議員になって初めての質問で取り上げましたが、その時指摘したトイレの配管、壁のつぎはぎなど、根本的な解決は大規模改修でということで、それを待っている間に6年がたち、あの時の1年生がもう卒業します。これは、その時に使ったパネルですが、いまだにこのトイレでこどもたちは一生懸命掃除をし、石川小に入る子は入学前に和式トイレの練習をしなければならないという状態が続いているのです。

校舎の老朽化はさらに進み、教室の床が剥がれたり、雨漏りにより天井にカビが生えたりと危険な不具合が出てきています。これは教室の床です。こうして剥がれてくる部分を、先生たちがカーペットを切って埋めて補修しています。これは廊下の天井、黒カビです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、石川小は二つの校舎があるのですが、給食を新校舎に運ぶのに、給食室のある旧校舎から出る扉が小さすぎて、給食のワゴンが通りません。そのため、子どもたちは校舎間も階段も全部手持ちで運ぶのです。しかも雨が降るとびしょ濡れになる渡り廊下です。すべって給食をぶちまけてしまっても、とても子どもを責められないと、先生方はおっしゃっていましたが、当然です。子どもたちのこんな苦労すら、水戸市が改善できない理由がわかりません。この扉を取り換えてワゴンが通れるようにすることに、何億円かかるというのでしょうか、大規模改修でなくてもできるのではないでしょうか。子どもたちの毎日を快適に安全にすることこそ急務であり、特に床や扉の改善、雨漏りの修繕などは、ただちに行うべきではないか、ご見解を伺います。

設備の更新についてもうかがいます。1月に寿小学校で水道に大量のサビが混じり、給食をつくれない事態が起きました。水道管の老朽化とのことですが、昔、古い水道でよくあった赤水というような状況ではなく、真っ黒な水だったとのことです。緊急工事をし、給食室には新たな管をつないだところ、水圧が変わり今度は給食室内の水道が破損、さらに3日にわたり給食がつくれませんでした。このようなことは、寿小学校だけではなく、同じように古い学校では起こりうることと考えます。起きてからでは遅い、まず、古い学校の水道管および排水の総点検をし、事故が起きる前に、ただちに更新すべきですが、いかがでしょうか。

寿小学校の給食室では、ボイラーの老朽化も深刻です。1993年製で、導入は平成6年、と記されており、すでに27年使っていることになります。数年前にも、ボイラーのお湯にサビが混じり、蛇口にフィルターを取り付けてしのいだとのことです。耐用年数をはるかに超え、いつ壊れるかわからないという状況で調理業務を続けておられます。また配膳室の換気扇が壊れており、天井一面に黒カビが生えていました。一刻も早い改善が必要ではないでしょうか。また、石川小では放送設備が壊れ校内放送ができない状況です。(他にも、校内の電気ケーブルが古い校舎や渡り廊下などに埋め込まれていて雨漏りでショートするなど危険なため、例えば体育館のトイレなど、電気が使えないでいるところもあります。)

学校の設備、機器については、そもそも計画的に定期的な更新をすべきものであり、完全に壊れるまでだましだまし使っている現場の負担を軽減すべきです。定期的な更新と、壊れたものは速やかに更新することを求めますが、ご答弁願います。

(2)次に学校給食について伺います。先ほどの寿小の事故では、給食室が再開するまで、おかずなしの給食が続き、さすがに栄養的に問題ということで、家庭からおかずを持参してもらうことになりました。こうしたとき、緊急的に、他の学校や、水戸市は立派な共同調理場ももっているわけですから、分担して余分に作り補うことができないのでしょうか。たった1校分です、食材は確保されており、問題は調理と配送だけです。あるいは、緊急に市販のおかずを調達するなど、今後も起こりうる事故時の対応として、ただおかずなしで我慢させるのではなく、なんらかの対策を検討すべきですがいかがでしょうか。また、以前、滑川議員も質問されましたが、夏場の給食室の暑さは苛酷であり、労働環境として劣悪と言わざるを得ない状況です。速やかに空調を整備すべきです。

民間委託についても伺います。来年度も石川小、寿小が民間委託となります。そのため、市の調理員さんたちは移動となり、補助調理員の方たちは来月から民間会社の従業員となります。各学校では、栄養教員、調理員、補助調理員がチームとなって毎日のハードな業務にあたっています。子どもたちに安心安全なおいしい給食をとの思いで、培ってきたチームワークが、水戸市の都合でいきなり解体されるわけです。ただただ経費削減を目的として、現場の努力や苦労を顧みることなく、次々民家委託することには反対です。すでに12校の小学校が民間委託となっていますが、給食はまさに教育です。子どもたちの成長に重要な食育の現場であり、食物アレルギーも増えている中、市が直営で責任をもってきめ細やかに実施すべきものと考えますが、いかがですか。民間任せでは、調理場の安全管理、調理員の働き方についても、責任の所在が心配です。この間、共同調理場で調理員が転んでケガをする事故が続いたそうですが、原因や再発防止策、またケガの補償など、市としてどう把握しているのか伺います。水戸市の子どもたちの給食を作る現場です、民間会社の社員のことだから民間任せでというわけにはいかないものと考えます。また、小学校でおいしかった給食が、中学校になるとまずくなったという子どもたちの声をよく聞いています。長年工夫を重ねながら、身近な給食室で子どもたちに愛されてきた各学校の給食を、なぜ、水戸市は継続させられないのか、経費削減は他ですべきです。学校給食は直営で行い、安心安全なおいしい給食を水戸市が責任をもって子どもたちに提供すること求めますが、お答え願います。

(3)最後に、教育にかかわる事業の民間委託化の中止をもとめます。

私たちは市の行うべき業務、公的サービスの民間委託化に反対してきましたが、開放学級、給食、図書館など、教育委員会が所管する事業に関しては、とりわけ直営でしっかりときめ細やかに取り組むべきと考えます。経費削減や人材不足の解消などという理由で安易に責任放棄をすべきではありません。そもそも金銭的な利益が生まれない事業で、請け負う会社はその中から収益を出さなければならないわけですから、結局、そのしわ寄せが、従事する人、モノ、事に跳ね返ってきます。まさに本市の未来をつくる大切な事業であり、安心して豊かな教育を受けられる環境づくりこそ本市のすべきことです。目先の予算削減よりも日々の安全と長期的な視点、未来への確かな投資が必要不可欠な事業であり、民間頼みではなく、直営で、市自らがプロフェッショナルな人材を育てる事業として位置付けるべきと考えますがいかがでしょうか。ご答弁願います。

答弁;教育部長

土田議員の一般質問のうち,教育行政についてお答えいたします。

はじめに,学校施設についてですが,学校は,児童生徒が一日の大半を過ごす施設であり,施設の老朽化対策は,早急に対応すべき重要な課題であると認識しております。

本市では,構造体の劣化対策や,電気・給排水設備等のライフラインの更新により,建物の耐久性を高めるとともに,快適で機能的な教育環境を確保し,多様な形態での学習活動に柔軟に対応できるようにするための長寿命化改良事業を,水戸市第6次総合計画の3か年実施計画に位置付け,計画的に推進しております。

この計画に基づき,これまで,2校の校舎及び2校の屋内運動場の工事を完了させるとともに,現在,3校の校舎の工事を実施しているところです。

議員御指摘の老朽校舎の早期改修等につきましては,既に長寿命化改良事業に着手している3校に加え,石川小学校校舎の長寿命化改良実施設計や損傷が軽微な段階における予防的修繕を目的とした笠原中学校屋内運動場の屋根防水改修等の諸改修のほか,市内の小学校7校の給食調理室への空調設備導入などに関する予算について,本議会に提案させていただいております。

また,建物内装の経年劣化等に対しましては,状況の把握に努め,優先度を勘案しながら,補修等の対応を行っております。

なお,電気や給排水設備等のライフラインにつきましては,建築基準法に基づく点検や各施設設備の保守点検を実施し,適切に管理しているところですが,突発的な故障等が生じたときには,遅滞なく緊急対応をしております。

また,令和3年度からは,担当課の組織に事業係を新たに設置し,長寿命化改良事業等の推進を図るとともに,これまでの施設係においては,日常的な維持管理及び施設設備の補修や更新等を,より機動的に行うなど,体制を強化することとしております。

今後におきましても,長寿命化改良事業等の大規模な工事を計画的に進めるとともに,各学校や関係各課との連携を密にしながら,施設設備の改修や更新等を適切に実施し,児童生徒が,快適に学校生活を送ることができる環境づくりに努めてまいります。

次に,学校給食についてお答えいたします。

議員御指摘の寿小学校の給食室水道管の漏水に際しましては,工事や水質検査期間中は,献立の一部を変更して対応し,給食室内の工事を行った1日は,おかずを御持参いただき,給食を実施いたしました。

今回のように調理できない事態が突発的に生じた場合は,他校や共同調理場で調理した給食を提供する方法も考えられますが,緊急かつ大量の食材調達,対象校への配送及び食物アレルギーへの対応などの課題があり,難しい状況にあります。

そのため,献立の変更や代替品の提供などにより,可能な限り献立が欠品しないよう努めてまいります。

次に,給食業務の民間委託についてですが,本市では,献立の作成や食材の調達等は直営で行い,調理業務や洗浄業務は,民間委託することとし,平成24年度には共同調理場,平成26年度には常磐小学校の民間委託化を図り,段階的に拡大してまいりました。県内44市町村のうち32の市町村で民間委託が進められております。

次に,調理員の処遇についてですが,会計年度任用職員につきましては,委託業者に対し,面談の実施や優先的な採用を依頼しており,これまでも,委託先において正社員に採用され,引き続き給食調理の現場で活躍されている方もおられます。

また,民間委託先の調理員にケガなどの事故が発生した場合についてですが,事故原因や改善策についての報告書の提出を義務付けており,必要に応じて,共同調理場や各学校に配置されている栄養教諭等が,具体例を挙げながら再発防止に向けた指導,助言等を行っております。

民間委託後は,調理等業務の円滑な移行及び適切な運営が行われているか検証するため,教職員及び保護者等を委員とする検証委員会を実施しておりますが,委託後も変わらず,安全安心でおいしい給食を提供しているという御意見をいただいており,今後とも民間委託の拡大推進を図ってまいります。

次に,教育委員会が所管する事業の民間委託等についてですが,図書館におきましては,指定管理者制度を導入後,毎年導入効果等の検証を行っております。開館時間の延長をはじめ,託児サービスや音楽配信サービスなどが導入されており,利用者対象の満足度調査においても,9割を超える方々から肯定的な評価をいただいております。

また,開放学級につきましては,民間委託の全市拡大を図るための予算を本議会に提案しているところであります。待機児童ゼロの継続や一体的に委託する放課後子ども教室の実施回数の増加,学習支援の充実を図るとともに,全ての開放学級の開設時間を午後6時30分まで延長するなど,保護者のニーズに則したサービスを提供し,放課後等における児童の健全育成を一層推進してまいりたいと考えております。

今後におきましても,民間の知恵とアイデアを活用し,さらなる市民サービスの向上に努めてまいります。