日本共産党水戸市議団の土田記代美です。会派を代表し、只今から通告に従い質問を行います。

はじめに、新型コロナウイルス感染症に関する諸課題は多岐にわたるため、その中から

4点にしぼりまして、高橋市長の考え方をお伺いします。

1つは、感染拡大防止の肝となるPCR検査の拡充についてです

市保健所のスタートと同時に最初の感染が確認され、今なお収束が見通せない状況の中、保健所の体制を強化しながら日々がんばっているすべての皆様に、まず心からの感謝と敬意を表したいと思います。その上で、現在、市保健所では一日72件の検査能力があり、地域検査センターの運営も始まっていますが、実際の検査数は、そこまでいっていないこと、やはり、検査を受けられるかどうかという市民の不安や心配は解消されておらず、誤った情報による差別や偏見の発出を払拭できないとう現状があります。

新型コロナはいまだ未解明の感染症であり、重症化のリスクや、無症状や軽症でも感染力が強いことがある、深刻な後遺症が出ることもあるなど、感染予防は予断を許さない状況です。そこで、誰でもいつでも何度でも検査が受けられ、いち早く感染者を発見し保護してさらなる感染拡大を抑え込んでいくこと。そのためにPCR検査の拡大を各国が進めている中で、わが国の検査数は世界152位という状況です。国がしっかりと財政措置を行わないことが最大の問題ですが、世田谷区や松戸市など、独自に検査の拡充に取り組む自治体も出てきています。本市は、今や独自に保健所を持ち中核市として機動的に対策を打てるのですから、まず、検査能力を最大限活用し、必要な人が何度でも、すぐに検査できるようにすること。さらに検査拡充を目指し、早期に感染拡大を抑え込むこと。さらに市民の不安や偏見・差別を助長しない適切な情報発信を行うことで、市保健所への信頼感・安心感を持ってもらうことが重要と考えますが、ご見解を伺います。

次に、緊急対策の実施とさらなる支援策ですが、市の事業継続支援金は、3億円の予算に対し240件3880万円、休業協力金は2億円の予算に対し486件5350万円の執行にとどまっているとのことです。必要な事業者へ速やかに支援が届くよう取り組みを進めていただきたいと考えますが、さらなる支援策として、受診控えにより大幅な減収に見舞われている民間医療機関への支援について伺います。特に、歯科、眼科、耳鼻科、そして小児科など、市民にとって身近な診療で、医師との距離が近いため飛沫感染を心配し、定期的な通院をやめてしまったり、必要であっても我慢してしまい、重症化など患者さん本人へのリスクが大きい上に、各医院の経営を困難にしてしまう。と、事態は深刻です。コロナ対策として市内の医院への支援が必要と考えます。コロナ危機が収束し、いざお医者さんにかかろうと思ったら身近な医院がなくなっていた、とならないよう、今、市民の健康、市の医療をまもる観点から公的病院だけでなく民間医療機関への支援を講じるべきです。また、感染予防対策の徹底とともに、日常的な医療の受診控えを防ぐため、市として市民への呼びかけも必要ではないでしょうか。

次に、水道料金については、コロナで手洗い・うがいを日に何度もすることや、在宅が増えたことで、家庭での水道使用量が増えています。加えて4月からの値上げにより、多くの市民が、水道料金のハネ上がり方に驚いています。今、コロナ対策として、支払いの猶予ではなく値下げ、あるいは一定期間無料化すべきではないでしょうか。コロナ禍における、市民への公平平等で確実な支援になると考えますが、いかがですか。

答弁:市長

日本共産党水戸市議団を代表されましての,土田議員の御質問のうち,市保健所のPCR検査体制についてお答えいたします。

初めに,水戸市保健所の新型コロナウイルスPCR検査は公定法に基づき検査を実施しており,令和2年9月11日現在,1841検体の検査を実施いたしました。現在,市保健所では1日108検体までの処理が可能となっておりますが,これまでの1日最大処理件数は62検体であります。

「新型コロナウイルス感染症対策の基本対処方針」において,都道府県及び保健所設置市等は,「特に感染が疑われる医療,施設従事者及び入院患者等については,率先してPCR検査等を受けさせるようにする」とされており,新型コロナウイルス感染症発生時の行政検査の対象を,新型コロナウイルス感染症の患者,無症状病原体保有者,疑似症患者,罹患していると疑うに足りる正当な理由がある者としております。水戸市保健所におきましては「新型コロナウイルス感染症対策の基本対処方針」に基づいて,市民が検査を受けやすい体制を整えるなど,真に必要な方に適時・適切に検査を実施できる体制が整備されたものと考えております。

また,新型コロナウイルスPCR検査については,PCR検査の結果が陰性であってもその時点でウイルスに感染していないことを確認したものであり,今後感染しないと保証するものではないことから,委員ご要望の「誰でも,いつでも,何度でも」によるPCR検査は,効果も低く単なる費用の浪費と考えております。

本市としましては,今後も,わずかでも感染拡大の恐れのある地域に対して,集中的に最大限に効果のあるPCR検査を行ってまいります。

また,感染予防のためには,PCR検査結果によらず,何よりも,手洗いやマスクの着用など感染症予防対策を適切に実施することが最も重要であり,今後流行が懸念されるインフルエンザ予防対策にも有効であります。

私は市民の命と健康を守ることは最重要課題と考えております。このため,水戸市保健所を核とした全庁的な体制のもと,市民からの相談対応,正確かつ有効な情報提供等を行い,感染症予防対策に万全を尽くしてまいる所存であります。

次に,民間病院等への支援についてお答えいたします。

医療機関においては,感染を恐れた患者の受診控えや入院,不急の手術等の延期などにより収入が減少する一方,マスクや防護具などの感染症対策に係る経費が増大している状況にあります。本市におきましては,公的病院等に対し,緊急支援金として計8千万円を補助するとともに,従来の運営費補助金を前倒しして支給させていただくほか,国の持続化給付金の対象外となる事業者に対する市独自の支援である事業継続緊急支援金を支給するなど,引き続き,支援してまいりたいと考えております。

さらに,今議会に上程させていただきました「みんなのエール!医療従事者応援寄附金」につきましては,水戸市医師会に寄附を行い,医療現場の実情に即して,幅広く地域の医療機関や医療従事者の皆様のために役立てていただきたいと考えております。

また,県におきましても,医師や看護師など医療従事者等への慰労金や感染症患者専用の病床等を設置する重点医療機関に対し補助等を行っております。

本市といたしましては,引き続き,医療機関の経営支援に努めるとともに,中核市市長会や全国保健所長会と連携し,市民が安心して医療機関を受診できる体制整備に努めてまいります。

また,過度な受診控えは健康上のリスクを高めることとなるため,医療機関では感染防止対策が行われており,安心してかかりつけ医へ相談し,適正に受診することについて引き続き周知してまいります。

答弁:水道管理者

土田議員の新型コロナウイルス感染症に関わる代表質問のうち,水道料金についてお答えいたします。

水道事業は,料金収入をもって経営を行う独立採算制を基本原則としていることを踏まえ,経営環境の変化に適切に対応し,将来にわたって安定的に事業を継続する必要があります。そのため,老朽化した水道施設の更新事業や災害時に備えた耐震化事業等を確実に推進していくための財源として,令和元年12月議会におきまして水道料金改定の議決をいただいたところです。

水道事業における新型コロナウイルス感染症への対応については,国において水道料金等の支払いが困難な事情がある方に対しては,その置かれた状況に配慮し,支払いの猶予等,迅速かつ柔軟に対応するよう要請がなされたところです。

したがいまして,水道における市民への支援策については,新型コロナウイルス感染症にり患した方や感染症の影響により経済的な損失を受けた市民・事業者等に対し,9月30日までの期間において納付の猶予を実施し,対応したところです。

また,本市におきましては,市民の命と健康,安定的な暮らしを守るため数次にわたる緊急対策を実行し,持続可能な感染拡大防止体制の構築とともに,市民生活や地域経済のセーフティネットとなる施策の展開など,市民が安心して暮らすための基盤づくりに取り組んでいるところでございます。

このような中,水道料金の減免等の実施につきましては,他の施策との有効性の比較や費用対効果等を踏まえ,感染症の拡大防止,市民生活の安定化,地域経済の回復を柱とした支援策を重点的かつ効果的に展開することを第一と捉え,見送る判断をしたものでございます。

水道料金の支払いにつきましては,個別の状況に配慮した納付相談に丁寧に応じるなど,引き続き,柔軟な対応に努めてまいります。