次に、新市民会館整備計画について2点通告いたしましたが、都合により(1)のみ質問させていただきます。まず、3年前に浮上し立ち消えになっていた京成百貨店と市民会館をつなぐデッキ計画が、また浮上してきました。当時は、通行量の増加を考えると必要だという理屈で、654万円の調査費用をかけながら立ち消えになった。その後は、デッキはなくても通行量には問題がない、横断歩道と今ある地下通路で十分だと、じゃあ、あのデッキ計画はなんだったんだ?という、お金と労力のムダ使いでしたが、またしても、デッキでつなぐと。さらに、今度の計画は再開発事業ではなく、道路の方、建設計画課の仕事だという話で、また本事業とは別建ての追加予算がどれだけ組まれるのでしょうか。あきれてものがいえません。コロナ禍で、全国各地で百貨店の撤退が相次いでいます。もしも京成百貨店が撤退した場合はどうなるのでしょう。市民会館と空きビルをつなぐ、まさに宙に浮くデッキ計画となるのではないでしょうか。

今、コロナ後を見据えた財政計画とまちづくりを、熟考すべき時あり、ずるずると莫大な借金を重ねている場合ではありません。市長は、先ほどの代表質問の答弁の中で「今後、財政が厳しくなるため、各種事業を徹底的に見直して、事業縮小や廃止を断行する」とおっしゃいました。まさに、本事業こそ、財政的にも文化的にも破綻しており、ただちに中止すべきではないですか。そして泉町は、現状から真にまちなか再生につながる有効利用を考えるべきです。例えばオセロ・ミュージアム・パークです。発祥の地で世界初のオセロ・ミュージアムと50号から芸術館につながるグリーン・ベルトです。オセロ盤のように芝生をデザインし白黒の丸い円柱を配して、高齢者が座って休んだり、子どもが上って遊んだりできる。と、観光拠点かつ日常的に市民が憩える緑のオープスペースはまちなかに潤いをもたらします。芸術館広場と連携しマルシェや屋外イベントもさらに多彩にできます。芸術館で行っている青空クラフト市などは、狭くていまいち目立たなかったけれど、50号からスペースがつながれば賑わいは格段にアップしますし、まちなかフェス、黄門まつりなどでも有効に使えるでしょう。そして芸術館の景観を生かしランドマーク化することもできます。なにより350億円もかからないし、芸術館を隠し、大通りを年中日陰にしてしまうこともなく、コロナとともに生きる時代にも大いに活用できます。つまり大きな劇場施設は、コロナで一発アウトですが、博物館なら感染症対策をして開館が可能だし、公園なら密閉空間にならない、ということです。

真剣に水戸市の未来、文化、まちづくりを考えれば選択肢があり、まちのど真ん中に負の遺産をつくる破綻した計画に執着せず、立ち止まって見直すべきです。市長の決断をもとめます。

答弁:市長

次に,新市民会館整備計画についての御質問のうち,再開発事業とまちなか再生についてお答えいたします。

新市民会館は,市民が自ら芸術文化を育み,主体的に市民活動を展開する拠点であり,また,隣接する水戸芸術館や京成百貨店と連携することで,より一層,人の交流と賑わいを創出することができる,極めて重要な施設であると考えております。

私は,これまで,議会特別委員会における御審議を踏まえながら,市民会館早期整備を期待する市民の声に応えるため,鋭意,泉町1丁目北地区市街地再開発事業を進めてきたところであります。

今般の新型コロナウィルスの影響により,運用面等での見直しが必要となりますが,これまでの生活のリズムが一変し,ストレスを抱える中において,これからは,市民の心に癒しとゆとりを提供する場として,新市民会館の果たす役割は,ますます重要であると考えております。

新市民会館は,次の世代にしっかりと引き継がなければならない重要な施設であり,引き続き,議会特別委員会や市民の皆様の御理解を得ながら,着実に事業を推進してまいります。