(3)大型プロジェクトについて

次に、大型プロジェクトに関しての、高橋市長の姿勢について伺います。

ア)新庁舎建設工事について

まず、新庁舎建設工事については、今回、掘ってみたら、地盤が想定外だったという話で、追加工事費と工期延長が示されました。当初契約159億3324万円が160億4908万円となり、1億1584万円の増加、4ヵ月の工期延長です。

やってみたらこうだった、当初契約の時点ではわからなかった、という追加工事が、大型プロジェクトで続いており、つい昨年も新ゴミ処理施設用地の造成工事で、大きな問題となったばかりです。そもそも当初の契約が適正だったのか、事前の調査はどうなっているのか、これほど大きなお金が動いている大型プロジェクトで、こうした想定外の追加予算が次々と出てくるのは、やはり、事前の見込みがずさんなのではないのかと疑わざるをえません。とても市民の理解は得られないと考えますが、市長のご見解を伺います。

新庁舎建設を請け負っている大成建設は、旧庁舎も施工しています。元の杭や地下の構造物、地盤の状態がわからないとはどういうことなのでしょう。まるで違う会社が請け負ったのならまだしも、創業144年の会社で、たった45年前の工事の状況の把握もできないのでしょうか。事前調査や工事の見込みが甘すぎるのではないのでしょうか。契約は、一者のみの入札で99.91%の落札率で、入札の経緯にも疑問がぬぐえませんが、あまりに漫然とした契約だったのではないか、ご見解を伺います。

大成建設は、新国立競技場建設工事で23歳の現場監督が過労自殺した問題や、先月は、ビル工事の現場で作業員が転落し3名が死亡する事故、1月には、高浜原発で大型クレーンの倒壊事故、昨年11月の博多駅前の大規模な陥没事故など、重大な事故が頻発しています。まだ記憶に新しい4年前の笹子トンネル崩落事故や、2007年の渋谷の温泉施設爆発事故も、大成建設でした。また、防衛施設庁談合事件での不正入札や、2014年に発覚した3年間で約2億円の申告漏れ等の不祥事もあり、問題の多いゼネコンです。新庁舎建設は160億円もの大事業ですから、市としても、厳しいチェック機能が求められるものと考えます。

また、東京オリンピックに向け建設ラッシュで、さらなる人手不足なども見込まれている中、今回、工期が延長になったことで、工程の日程調整や作業員の労務環境などに、しわ寄せが起きないのか非常に心配されるところです。

工事の安全性、下請けに至るまですべての作業員の労務管理等、現場の状況についても市として厳しくチェックすべきですが、いかがですか。

答弁:市長

次に,大型プロジェクトについての御質問にお答えいたします。

はじめに,新庁舎建設工事につきましては,平成28年7月から工事に着手し,現在,建物地下1階部分の建築工事を主に進めております。

これまで進めてきた地中工事の中で遅れが生じたことから,工期を4か月延長することについて,先に開催された議会特別委員会で御報告するとともに,工期延長を含めた工事請負契約の変更について,本定例会に御提案しているところであります。

地中工事が遅れた要因としましては,支持層が想定以上に固かったことや,掘削面の状況が想定以上に軟弱であったことによる現場作業への影響のほか,想定していなかった地中障害物の撤去工事等が生じたものであります。

旧本庁舎の施工につきましても大成建設が行っておりますが,当時とは,杭の施工方法や地下掘削の範囲,深さも異なっていることから,地中の状態を細部に至るまで想定することは難しく,工期延長はやむを得ないものと考えております。

次に,建設現場での労働環境についてでありますが,現在,国土交通省におきまして,働きやすい環境とするため,ワーク・ライフ・バランスを推進できる環境整備を進めております。

新庁舎の建築工事を請け負う特定建設工事共同企業体の代表者である大成建設につきましては,当該建設現場において,モデル的に週休2日制を実施するとともに,各協力会社のリーダーの会議について,通常18時からの開始時刻を16時半からに見直すなど,時間外労働時間の削減に努めている旨の報告を受けております。

また,安全衛生につきましては,週や月ごとの管理目標を掲げながら,作業所パトロールや作業員の安全教育を徹底するなど,事故・災害の防止に努めているとの確認をしております。

市といたしましても,毎週開催の定例会議をはじめ,日々の現場確認等を通し,委託している工事監理者と連携して,工事の進捗状況や安全衛生管理状況について確認を行っております。

今後とも,作業従事者の健康管理についても十分な配慮を求めるとともに,施工業者等との連携を図りながら,安全に,かつ着実に工事が進捗するよう施工管理にも取り組んでまいります。