日本共産党水戸市議団の土田記代美です。

会派を代表し、只今から通告に従って質問を行います。

【1.市長の政治姿勢について】

はじめに、高橋市長の政治姿勢について伺います。

1)平和行政について

今年7月、国連会議において、配備や使用の威嚇も含め、すべての核兵器を全面的に違法とする画期的な核兵器禁止条約が採択されました。長年にわたるヒバクシャの粘り強い訴えと切実な願いがようやく結実した感動的な舞台に、ザンネンながら日本政府の姿がないという、本当に信じられない事態となったことに、言いようのない怒りと失望を覚えておりますが、高橋市長はどうお感じでしょうか。

水戸市は、昭和60年7月に核兵器廃絶平和都市宣言をしています。市のホームページにも、「…わが国憲法の崇高な平和主義の理念に基づき、すべての国の核兵器の全面撤廃を求め…」宣言したと表記されています。30年以上も前から、水戸の子どもたちは、この宣言に基づき、核兵器のない世界、平和な社会を求め学んできたはずです。ところが、今、日本は、唯一の戦争被爆国として、核なき世界をリードするべき立場でありながら、その役割を果たせていないどころか、平和憲法の理念の継承さえも危うい状況と感じます。今回の核兵器禁止条約への日本の姿勢、および平和憲法の重要性について、どう考えていらっしゃるのかをおきかせください。

答弁:市長
日本共産党水戸市議団を代表されましての土田議員の御質問にお答えいたします。

初めに,平和行政についてであります。

先の太平洋戦争において,我が国では,広島と長崎に原爆が投下され,多くの尊い命が犠牲となり,現在も後遺症などで苦しんでいる方がおられます。本市においても,水戸空襲により市街のほとんどが焦土と化し,300名以上が亡くなるなど,甚大な被害を受けました。現在におきましても,北朝鮮が発射した弾道ミサイルが,北海道上空を通過するなど,不安定な国際情勢となっております。

本市では,このような悲惨な戦争を繰り返さないために,そして,人類生存の脅威となる核兵器全面廃絶の実現のために,昭和60年7月1日に,核兵器廃絶平和都市を宣言したところでございます。

いつまでも続く平和な世の中とするためには,戦争の恐ろしさと平和の尊さを次世代に伝えていかなくてはなりません。このため,本市では,8月を平和について考える月間として「ぴ~すプロジェクト」を実施し,平和に関する様々なイベントを開催しているほか,市内の小中学生から水戸市平和大使を任命し,広島へ派遣することで,原爆の恐ろしさを学んでいただいています。そのほか,今年度は新たな取組として,「語り部の想いをつなぐ集い」を実施し,本市の語り部11名のうち8名が一堂に会して,市内の小中学生や一般参加者などに,戦争の体験を語っていただきました。参加した方々には,戦争がもたらした悲劇を単なる過去の出来事として捉えるのではなく,再び繰り返さないためにどうすべきかということを考えていただけたのではないかと思っております。

戦後72年が経過し,戦争を体験した方が少なくなってきている中,戦争の悲惨さと平和の尊さを風化させることなく,次世代につなげ,恒久平和な世の中としていくため,今後も平和憲法の精神に則り,市民の平和意識の醸成を図る取組を推進してまいります。なお,条約への参加については,国の専権事項でありますが,核兵器廃絶平和都市を宣言している本市といたしましては,今後とも全ての国に対し,核兵器の全面廃絶の実現に向けて訴え続けていくことが,国民的使命であると認識しております。