日本共産党水戸市議団の土田記代美です。会派を代表し、通告に従って代表質問を行います。高橋市長には、ぜひ明瞭なご答弁をお願いいたします。
はじめに、市長の政治姿勢について伺います。

1つは、予算執行の健全性と透明性についてです。

水戸市の予算執行の中で、「事前報告のない予算」や「事後の予算追加」、「ムダな調査費用」や「競争原理が働いていない工事入札」など、不明瞭な税金の使い方が続いています。とても市民に理解されないやり方ではないかと考えるものですが、市民の税金を預かる市長として、こうした予算執行の不透明さ、市民への責任についての考え方を伺います。
まず、新ゴミ処理施設用地について、水戸市は15億円近くかけて取得していますが、大量に出て来たという産廃の不法投棄を知りながら、土地買収をしたのでしょうか。もしも知らずに買ったのなら、出て来た産廃の処理は、当然、売り主の責任ですが、なぜ水戸市の予算で処理しているのか、ご説明ください。また、もし知っていながら買ったのなら、水戸市の大きな瑕疵であります。この廃棄物の責任の所在について、明確にお答えください。

次に、水戸市は事前の地質調査、測量だけでも、6000万円以上を使っています。今頃になって追加の地盤改良工事予算が増額されるというのは、いったいどういうことなのでしょう。事前に地盤の状態を把握しないまま、造成工事契約をしたのでしょうか。そもそも契約額の積算根拠は適正だったのか、伺います。

さらに、工事開始は1年も前です。この間に、なんの報告もなく追加工事を行い、事後承諾のような形で金額が出てくるというやり方は、とても納得できるものではありません。追加工事は、分かった時点で報告し議会に諮るべきではないでしょうか。市長の考えを伺います。

また、増額される予算は、3工区あわせて10億6千万円もの追加工事です。中でも、株木・菅原・高橋商事特定建設工事共同企業体が請け負っている第3工区の追加工事は6億4260万円と、他に比べて突出しており、当初契約の6億5232万円が、ほぼ2倍となる金額です。市民の目線で見れば異様さを感じるものですが、これほどの変更額が追加工事といえるのでしょうか。お答えください。

すべては、市民の税金です。ムダ使いはないか、疑問を感じる契約はないかということは、重大な関心事であり、市長には、徹底した説明責任と適正な予算執行が求められています。

例えば、公共工事の請負に関しては、市民に疑惑の念を生じさせないために、首長の3親等まで自粛している自治体もあります。政治的、道義的な疑問を持たれるような工事契約を避けること、ガラス張りのお金の使い方をすることが求められていると考えますが、市長のご見解を伺います。

新市民会館整備に関わる予算についても、疑問のある予算執行がありました。例えば、旧市民会館解体工事に1億5,000万円も使っていますが、入札調書をみると、失格となった3者の入札価格に対し、水戸市の調査基準価格が6~8千万円も高く設定されています。実際には1億円前後で出来る工事だったのではないか、高すぎる契約にしたのではないかと疑わざるを得ないものでした。

また、京成百貨店と結ぶ上空デッキの検討にかかる予算は、議会にも知らせず執行され、結果は、完全なムダ使いとなってしまいました。

市民会館整備に関しては、見直しをもとめる根強い市民運動も起きています。適正な予算や予算の縮減こそが求められている中、こうした市民に疑問をもたれるような税金の使い方はいかがなものか、ご見解を伺います。

 

≪答弁≫ 市長

日本共産党水戸市議団を代表されましての,土田議員のご質問にお答えいたします。

はじめに,予算執行の健全性・透明性についてのご質問のうち,新ごみ処理施設用地に関する予算についてお答えいたします。

新ごみ処理施設用地の取得に当たりましては,事前に行った地権者や砂利採取事業者からの聞き取り,ボーリング調査等の結果から,一部の箇所において不法投棄ごみの存在を確認しておりました。しかしながら,現地は,広大な山林,原野であり,草木に覆われて立ち入ることも難しく,造成工事前に,その種類や全体数量を把握することは極めて困難でありました。また,聞き取り調査等の結果から,不法投棄の行為者の特定もできませんでした。

加えて,小吹清掃工場の老朽化の進行により,新たな施設の早期整備が求められており,地権者のご理解,ご協力があって,土地の取得が円滑に進んだものであり,不法投棄ごみの処分について,市といたしましては,造成工事の中で対応するとの判断をしたものでございます。

次に,造成工事の契約に係る積算根拠についてでございますが,契約締結に当たっては,施設の配置箇所での地質調査結果を踏まえ,盛土地盤の安定性等について検討し,地盤改良等の必要はないと判断しておりました。しかしながら,工事着手後,施設の配置箇所とは離れた茨城町との境界付近において,土質が不均一の地盤が一部確認されたため,改めて地質調査を行うことを本年3月に,その結果地盤改良が必要となったことを本年6月に,それぞれ水戸市議会定例会の質問において答弁させていただいたところです。その後,市において,地盤改良の工法の検討を進め,設計変更額が確定したことから,特別委員会に報告するとともに,契約変更に係る議案を提案させていただいたところでございます。

第3工区の契約変更内容としましては,契約時に設計に計上していた項目で数量等の変更が必要となったものと,新たに追加した不法投棄ごみの処分及び地盤改良でございます。不法投棄ごみ等の処分については,廃棄物及び清掃に関する法律に基づき,土木建築工事の元請業者が排出事業者として処理責任を負い,発注者は,国の指針により,適正な処分費を計上することとなっております。このことから,造成事業者が行った不法投棄ごみ等の処分に対し,設計変更を行うとともに,その費用を計上するものです。また,地盤改良につきましては,造成工事の主たる目的である盛土の完成に必要な工事であり,現に施工中の工事との綿密な調整が求められ,分離発注することが困難であることから,造成工事と一体施工とすべきと判断いたしました。これらによる変更金額は,当初契約額とほぼ同額となっておりますが,平成28年5月に示された国の工事請負契約における設計変更ガイドラインにおいて,「変更見込金額が請負代金額の30パーセントを超える場合においても,一体施工の必要性から分離発注できないものについては,適切に設計図書の変更及びこれに伴い必要となる請負代金又は工期の変更を行うこととする。」と規定されていることを参考として,契約変更としたものであります。また,このことにより,分離発注とした場合と比較して,工期の短縮や経費の削減等が見込まれます。

今後も,契約手続きにおける透明性を確保しながら,財源の確保や事業費の縮減を図り,新清掃工場及び第三最終処分場の平成32年4月の供用開始に向け,円滑な事業の推進に努めてまいります。

次に、新市民会館整備に関する予算について、お答えいたします。

本市におきましては、「みと財政安心ビジョン」を策定し、市全体の中長期的な財政見通しについて、健全な財政状況を維持できることを明らかにし、市民の皆様に安心していただける財政運営に努めているところであります。

旧市民会館の解体工事にかかる入札において、失格した業者の入札価格に対し、市の調査基準価格が高く設定されているとの御指摘につきましては、ダンピング受注防止のため適正な調査基準価格の設定を行っているところであり、失格基準価格を下回る価格で入札をしたものについては、失格としたものであります。

また,新市民会館と京成百貨店を繋ぐ上空通路整備検討業務委託につきましては、「水戸市新たな市民会館整備基本計画」において、泉町1丁目の南北連携のための新たな歩行者動線の可能性について検討することと位置付けし、上空通路設置について課題や問題点を整理し、結論を導くために実施したものであります。

私は、新市民会館整備事業により、福祉、教育、道路等の生活基盤整備など、市民の暮らしを支える行政サービスの低下を招くことや将来世代に過大な負担を残すことは、決してあってはならないことであると考えております。

そのため、本市では、「みと財政安心ビジョン」に基づき、財政規律を堅持し、将来世代に大きな負担を残さない健全な財政運営の確立に努めるとともに、あらゆる機会を捉えて、これまで以上にしっかりと説明責任を果しながら、新市民会館の整備を推進してまいります。