2023年6月議会 一般質問と答弁 補聴器購入補助について

補聴器購入補助

最後は補聴器購入補助の質問です。年齢を重ねると耳が聞こえにくくなる加齢性難聴は40歳代から始まり、65歳から74歳では3人に1人、75歳以上では約半数が難聴に悩んでいると言われています。
聴力低下の影響として、家族や友人との会話が上手くいかなくなるとつながりが減り、孤立し引きこもりがちになると指摘されています。それに伴い、うつ病の発症リスクを大きくする要因の一つともいわれています。
さらに聴力低下に伴い危険を察知する能力も低下するので、交通事故や転倒などのリスクも増加します。
また国際アルツハイマー病協会は、認知症の危険因子とも指摘しています。
令和3年度水戸市が介護認定の際に行った聴力調査によると「普通の会話がやっと聞こえる」と答えた方が4割、「大声なら聞こえる」が2割に上り、合わせて6割もの高齢者が難聴という結果でした。水戸市でも多くの高齢者が難聴なのは明らかです。
補聴器は片耳で5、6万円代から機種によっては30万円と高額で、保険適用にならないため全額自己負担です。年金生活者や所得が低い高齢者にとって負担が大きすぎるため、補聴器を購入困難な現状をどのようにお考えでしょうか?
看護師として働く私の同級生は、補聴器が必要な患者さんに購入を勧めても、高額なため、ためらう方がいると話していました。さらに年金からお金を捻出するのが大変だと、いう声をたくさん聞いています。
また、水戸市議会においても、2年前に全日本年金者組合水戸支部から加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的助成制度の創設を求める陳情が提出され、全会一致で趣旨採択されました。
この1年間で加齢性難聴に対応する補聴器の購入助成を始める市町村が全国で急速に増えています。
2021年7月時点では全国で35市町村でしたが2022年、年末は全国で123市町村と1年余りで約3、5倍と急速に増加しています。
県内でも以前から補聴器購入補助を実施していた古河市や、今年に入ってから城里町や筑西市、土浦市が補聴器購入の助成制度を始め、急速に拡大しています。
そこで水戸市でも補聴器購入に助成制度を求めますがいかがでしょうか?
これまでも日本共産党水戸市議団で、高齢者の補聴器購入の補助を再三議会で求めてまいりました。対する水戸市の回答は、国、県、他の自治体の動向を注視しながら総合的に検討すると毎回、回答しています。検討した結果はどうだったのか明らかにしていただきたい。
そして直ちに補聴器購入の補助を実施すべきと考えますが答弁を求めます。以上で一般質問を終わりますが、答弁によっては再質問をします

答弁:福祉部長

次に,中庭議員の一般質問のうち,補聴器購入費補助についての御質問にお答えいたします。

加齢によって起こる加齢性難聴は,年齢以外に特別な原因がなく,誰にでも起こる可能性があり,老化による聴覚機能の低下であるため,根本的な治療がないとされております。

また,国の認知症施策において,難聴は,日常会話に支障を来たし,家族や社会からの孤立化につながることから,認知症を進める危険因子の1つとしております。

日常生活での聞こえづらさを補うためには,補聴器の使用が有効な手段とされておりますが,補聴器につきましては,精密な医療機器であり,また,使用者それぞれの聴力に合わせて何度も調整を行う必要があるなど,高価なものとなっております。

本市における補聴器購入に対する補助につきましては,障害者総合支援法に基づく補装具費として,身体障害者手帳をお持ちの聴覚障害のある方に対し,購入費用の助成を行っているところでございます。

身体障害者手帳に該当しない加齢性難聴者の補聴器購入への補助につきましては,聴覚機能の低下がみられる高齢者全般に関わるものであり,全国市長会における国に対する提言の中でも,補聴器購入に対する全国一律の公的補助制度の創設などについて,積極的な措置を講じることを求めているところであります。

また,他市の状況につきましては,中核市においては,全62市中6市が,県内では古河市,土浦市,筑西市,城里町の4市・町が既に助成制度を実施しております。

このような中で,本市が昨年度実施した補聴器助成に関する調査では,補聴器を購入したことにより「よく聞こえるようになった」「日常生活のコミュニケーションが向上した」等の個人の感想がある一方,認知症予防の効果検証は難しいということがわかっております。

今後につきましては,引き続き,国や県,他の自治体の動向を注視するとともに,次期高齢者福祉計画・介護保険事業計画の策定を進める中で,高齢者福祉サービス全体の状況を踏まえながら,新たに活用できる財源等の調査を行い,総合的に検討してまいります。