2023年12月議会 代表質問と答弁 高齢者の補聴器購入の補助について

次に高齢者の補聴器購入の補助について質問します。年齢を重ねると耳が聞こえにくくなる加齢性難聴は40歳代から始まり、75歳以上では約半数が難聴に悩んでいると言われています。

加齢性難聴は女性より男性のほうが早く悪くなると言われていますが、非常に個人差が大きいです。

若い時から耳を酷使している方や騒音の多い環境の かたは難聴が進みやすいと言われています。

聴力低下の影響として、家族や友人との会話が上手くいかなくなると、孤立し引きこもりがちになりうつ病の発症リスクを大きくします。さらに 聴力低下で危険を察知する能力も低下するので、 交通事故や転倒などのリスクも増加し、アルツハイマー病協会では認知症の原因となるとも言われています。

補聴器は片耳で機種によっては20万円と高額で、 基本的に両方の耳に使用したほうが良いと言われていますが、保険適用にならないため全額自己負担です。

市民は年金から補聴器を購入するお金を捻出するのが大変だとして2年前に全日本年金者組合水戸支部から公的助成制度の創設を求める陳情が提出され、全会一致で趣旨採択されました。

県内では以前から実施していた古河市や、 今年に入ってから城里町や筑西市を始め東海村でも 来年度から実施する、とのことです。

今年4月から始まった土浦市では、申請者が殺到し8月末には受付を終了しました。

それだけニーズが高いといえます。

水戸市でも直ちに高齢者の補聴器購入に補助を実施すべきと求めますがいかがでしょうか?

 

答弁:高橋市長

中庭議員の代表質問の高齢者の補聴器購入費補助についての御質問にお答えいたします。

加齢によって起こる加齢性難聴は,誰にでも起こる可能性があり,老化による聴覚機能の低下であるため,根本的な治療法がないと言われております。

また,難聴は,日常会話に支障を来たし,周囲との意思疎通が困難となるなど,家族や社会からの孤立化につながることから,国の認知症施策において,認知症を進める危険因子の1つとされております。

日常生活での聞こえづらさを補うためには,補聴器の使用が有効な手段とされておりますが,補聴器は高価な精密医療機器であり,使用者それぞれの聴力に合わせて何度も調整を行う必要があります。

本市における補聴器購入に対する補助につきましては,障害者総合支援法に基づく補装具費として,身体障害者手帳をお持ちの聴覚障害のある方に対し,購入費用の助成を行っているところでございます。

身体障害者手帳に該当しない加齢性難聴者の補聴器購入への補助につきましては,聴覚機能の低下がみられる高齢者全般に関わるものであり,全国市長会における国に対する提言の中でも,補聴器購入に対する全国一律の公的補助制度の創設などについて,積極的な措置を講じるよう求めているところでございます。

このような状況の中で,本市におきましては,今年度,耳鼻咽喉科医へ補聴器の購入状況についてのヒアリングを実施し,補聴器の使用を継続するためにはフィッティングに時間を要することや,難聴レベルが中等度に達してしまうと既に聞こえにくい静かな環境に慣れてしまい,補聴器を使用することに抵抗感を感じてしまうことなどから,早期の対応が重要であるなどの御意見をいただいたところでございます。

身体障害者手帳を取得するほどの重い症状ではないものの,軽度・中等度難聴により生活のしづらさを感じている高齢者は,潜在的に多く存在すると考えられており,まずは難聴を早期発見する仕組みが必要と考えております。

今後も引き続き,国や県,他の自治体の動向を注視するとともに,補聴器についての正しい理解を深めるための周知啓発や難聴を早期発見する仕組み,活用できる財源の調査等を行いながら,総合的に検討してまいります。