日本共産党水戸市議団の土田記代美です。通告に従い一般質問を行います。

はじめに東海第二原発について伺います。

今年1月、日本共産党茨城県議団と周辺自治体の議員とで、東海第二原発の内部を視察してきました。広大な敷地の中、ありとあらゆる場所で大きな穴が掘られ、大量の鋼管が積まれ、クレーン、重機、そして大勢の作業員が所せましと動きまわり、壮大な工事が行われていました。このコロナ禍の日常とはかけ離れた別世界のような賑わいで、あまりに密な状態におどろきました。原電は、これら工事におよそ3500億円もかけるということで、様々な工事の計画、工程、効果等の説明を受け、現場を回りましたが、これで東海第二原発が安全になるとはとても思えず、むしろ一刻も早く廃炉をとの願いが強くなりました。なぜなら、工事はすべて原子炉建屋の外側のものだからです。一番心配な原子炉建屋や原子炉自体にはなんの更新もなく43年前に建てられた老朽施設のままで、いくら周りを補強しても意味がないのではないか、壮大なる無駄遣いではないのかという感想です。

その建屋の内部も見せていただきましたが、本当に古い作りの建物で、通路の天井は低く階段は狭く、エレベーターも1基しかありません。10人乗ればいっぱいになるような狭いエレベーターで、乗り降りに何度も順番を待つため、エレベーター前に作業員が列をなして時間を費やしている状態で、今時、こんな施設は他にないと思うような、本当に40年前にタイムワープしたような気がしました。ここで事故が起きれば、周辺に住む私たちどころか、まず、ここで働く人たちの命が守れない、と強く感じました。新規制基準に適合したという、燃えやすい古いケーブルの状態も間近で見てきました。燃えにくいケーブルに交換はせず、難燃性シートでくるむことで合格したとのことですが、構内に張りめぐらされたケーブルの束の一部に、確かに黒いシートが巻かれテープで止められていました。見学の際、カメラもケータイも取り上げられてしまい、写真でお見せできないのが本当に残念ですが、まるで、建築工事の際の養生で、シートを養生テープで止めたような状態です。まさかと思い、これは仮止めですよね?と聞いたところ、いえ、これが完成形です、と。正直ゾッとしました。

莫大な費用をかけ再稼働にまい進しようとする原電や、それを後押しする国に、市民をまもる意志はありません。本市には、市民の安全や郷土の未来に責任をもつべき使命があり、そのために、まず、原電に対しきっぱりとした意志を示すべきです。東海第二原発は再稼働させず廃炉にすることを求めるべきですが、ご答弁願います。

(2)次に、原子力研究開発機構の研究用原子炉JRR-3の運転再開について伺います。

震災から10年以上止まっていた原子炉が、2月26日に運転を再開しました。機構から本市に対し、運転再開にあたっての連絡や説明、協議などはあったのでしょうか。

研究用原子炉ということで、避難計画の策定は半径5キロ圏内とされ、本市はその範囲には入っていませんが、すぐ隣接しています。万が一の時、放射能は風に乗って拡散し5キロ圏内など関係なく飛んでくるのではないでしょうか。放射能が、ここまではひたちなか市だから飛ぶ、ここからは水戸だから飛んでいかない、などという判断はしません。現在の原子炉の初臨界は1990年、すでに30年以上経過しており、さらに、原子炉建屋、排気塔などは1962年、およそ60年も前に作られた施設で老朽化が心配です。屋根の更新や補強、耐震工事を行ったとのことですが、東海第二原発と同様、外付け後付けの工事であり、大きな地震が来たときに本当に安全なものとは考えられません。

原子力研究開発機構は、これまでにも、たびたび事故や火災、作業員の被ばくなどトラブルを頻発している事業者です。今後、大洗にあるHTTRや常陽の再稼働も計画しており、その際には水戸市も5キロ圏内に入ります。市民の安心安全をまもるため、市として厳しく対応し、備える必要があると考えますが、いかがでしょうか。お答え願います。

答弁;市民協働部長

土田議員の一般質問のうち,原子力行政に係る御質問についてお答えいたします。

はじめに,東海第二発電所の安全対策工事についてでございますが,本市においては,原子力施設は安全が最優先されるべきであり,原子力事故は二度とあってはならないものと認識しております。

そして,東海第二発電所に使用済核燃料が現存する以上,決して事故を起こすことがないよう,施設の万全な安全性を確保することが事業者の責務であると考えております。そのため,東海第二発電所が再稼働する・しないにかかわらず,防潮堤をはじめとする安全対策の工事をしっかり進めていただくことは,当然に必要なことであると認識しております。

その上で,日本原電が決してなし崩し的な再稼働を行わないよう,厳しく対応してまいります。

次に,JRR-3の運転再開に係る御質問にお答えいたします。

先月26日付で運転を再開いたしました東海村に所在の原子力研究施設JRR-3につきましては,「本市に隣接した自治体に所在する施設ではないこと」,また,「施設のUPZに本市が含まれていないこと」から,安全協定は締結しておらず,事業者から運転再開に関する説明も受けておりません。

一方で,同事業者が運営する大洗町に所在の原子力研究施設につきましては,各施設のUPZに本市の一部地区(秋成町,下入野町,島田町)が該当していることから,安全協定に基づき,施設の安全対策の状況や今後のスケジュール等について,事業者から説明を受けております。

そのため,本市におきましては,これら大洗町に所在の原子力研究施設で万が一事故が起こった場合の備えとして,住民説明会等を開催しながら,避難計画の策定に取り組んでいるところでございます。来年度早期の完成を予定しており,完成次第,計画の普及啓発に向け,避難方法等をとりまとめたリーフレットをUPZにお住まいの皆様に全戸配布してまいります。

あわせて,茨城県や施設近隣の自治体との連携のもと,施設の安全対策等について,継続して厳しくチェックを行うなど,住民の皆様の安全と安心の確保に努めてまいります。