次に、下水道・農業集落排水事業について伺います。

市長は、水戸市使用料等審議会に値上げを諮問し、10月15日に出された答申は、来年度の下水道料金を10.5%、農業集落排水使用料10.9%値上げし、平成29年度は消費税増税で値上げ、さらに平成31年度に値上げするというものでした。

今回の条例は、答申より値上げ率を若干下げたものの、2回の値上げを3回に変えただけであり、来年度の値上げに続き、再来年は消費税で値上げ、さらに31年度に値上げし、また34年度にも値上げと、連続する大幅値上げであることに変わりありません。

市長は、市民生活の厳しい実態を理解しているのでしょうか。来年度の市民負担増は2億2400万円にもなります。
市長は、受益者負担を値上げの理由にし、下水道会計における受益者負担率を、現在の51.4%から、平成34年度には70%に引き上げるとしていますが、水戸市の受益者負担率が平均より低い理由は、下水道整備が他の自治体と比べ大幅に遅れ、平成19年度から23年度に集中整備したためであり、その責任は水戸市にあるものです。
今後、市の借金である公債費のピークが平成31年度で、それにあわせ一気に受益者負担率を上げること自体、非常識であり、市民負担を大幅に引き上げることになります。

水戸市には過去最大、100億円を超える財政調整基金があり、市民生活の厳しい実態を考えれば、値上げではなく、むしろ値下げすべきです。
多額の予算をつぎこむ大きなハコもの建設では、次々と数十億単位の増額をしながら、こうして市民には負担増を押しつけるなど認められません。値上げ条例の撤回を強く求めるものですが、ご答弁ください。

答弁≪市長≫

次に,下水道及び農業集落排水事業についてお答えします。

両事業につきましては,これまで定期的な改定を行うとともに,経費節減や収入の確保などの経営改善に努めてまいりましたが,依然として一般会計からの基準外繰入に依存する状況にあります。その額は,平成26年度決算において下水道事業が25.1億円,農業集落排水事業が3.8億円と非常に大きな金額となっております。
このような負担が,毎年度経常的に生じていることは,市の財政を大きく圧迫するばかりでなく,下水道等を利用している市民とそれ以外の市民との負担の公平性という観点からも課題であり,早急に改善を図る必要があります。

そのため,本年7月16日に水戸市使用料等審議会に対して,下水道及び農業集落排水処理施設使用料の改定について諮問し,委員の皆様による真摯な議論のもと,去る10月15日に答申をいただいたところであります。

この答申においては,それぞれ10%を超える改定を行うべきとの答申をいただいたところでありますが,今後予定されている消費税増税など社会経済情勢を勘案するとともに,市民生活に与える影響などを十分考慮し,下水道使用料は6.8%,農業集落排水処理施設使用料は6.6%と,答申よりも改定率を引き下げて提案することといたしました。

いずれにいたしましても,市民の皆様に負担増をお願いしなければならないことは,大変心苦しいものでありますが,住民負担の公平性の確保を図るために,苦渋の決断をしたものであります。

今後におきましても,接続率の向上による収入確保と経費節減等に努めながら,次世代に負担を先送りすることのないよう,決断すべきものは決断するという強い信念のもと,受益者負担の適正化を図り,経営基盤の強化と安定した行政サービスを提供するために,両事業の経営改善に努めてまいりたいと考えております。