次に、文化行政について伺います。
 元の市民会館は、県民文化センターの大ホールと小ホールの中間、いわゆる中ホールの役割を担っていました。そのため、水戸市民は、大・中・小のホールが身近にあり、それぞれの規模にあった多様な文化に親しむことが出来ました。現在、水戸市にないのがこの中ホールの機能であり、今の市民会館の計画ではこの機能が補完されず、多彩な文化事業の構成に大きな穴があいてしまいます。この点について質問いたします。
元の市民会館を利用していた市民から、早く、同じように利用できる、これまでと同規模のホールが欲しいとの声が多く聞かれますが、市民の文化活動の拠点としても、また多様な文化事業、公演を行うホールとしても、800~1000人規模の中ホールは非常に使いやすくニーズのあるもので、水戸市の文化の充実や発展のためにも欠かせないものと考えます。
大ホールでは大きすぎ、小ホールでは小さすぎるという公演や文化事業は沢山あり、これに応えるホールが必要です。例えば、演劇などの公演では、演者の息づかいや表情、表現がダイレクトに届き、舞台と客席との一体感が生まれること、劇場全体が熱気のあるひとつの空間となることが重要なため、多くの劇場がある都内でも、コンスタントに稼働しているのは中ホールが多いのです。
そういう公演を呼ぶときには、客席を部分使用するといっても、舞台から空席が見えるのは演者にとっては、非常にイヤなものであり、また劇場全体の空気にスキマが出来、客席が散漫になるため一体的な熱気が生まれにくい、などの理由で、質の高いプロの公演は断られてしまうか、一度来ても二度と来ないと言われてしまうと思われます。劇場施設の場合、残念ながら大は小を兼ねません。適度な規模のホールがないために、豊かで多彩な文化に触れる機会を逸してしまうのは、市民にとって大きな損失です。
全国には、バブル時代から、大きすぎるホールをつくって公演が埋まらず苦戦している例や、維持費がかさみ、メンテナンスや改修がままならず閉館の危機にさらされている例も、多々ある状況です。
今、稼働やランニングコストの予測や見通しの立てられない2000人の大ホールより、多様な文化の構成につながり、市民が利用しやすく、稼働も見込める800~1000人規模のホールが、水戸市には必要なのではないのか、考えを伺います。
現計画を白紙に戻し、現実的な必要性、水戸市の文化醸成への有用性などをしっかりとリサーチした上で、市民が活用できる適正な規模で、市民に愛される市民のための会館建設を求めるものです。

答弁 市民協働部長
 次に,文化行政に関する御質問にお答えいたします。
新市民会館につきましては,多くの市民から早期整備を求められており,多くの人が集い,交流する拠点を整備することによって,新たな文化が創造され,水戸発の文化が経済や産業の発展にも,つながっていく成熟したまちが実現するものと考えております。
昨年度,特別委員会において,御審議,御了解をいただいた新たな市民会館整備基本計画においては,市民の芸術文化活動の拠点として,また,新たな交流や活力,にぎわいが創出され,全国大会の会場や著名なアーティストの全国ツアーでも御利用いただける施設として,2,000席程度のホールを備えた施設を整備することとしております。
さらに,500席程度の多機能ホールも整備することにより,演技者と観客の一体感が生み出される空間として,市民に利用していただけるものと考えております。
このような状況を踏まえまして,新たな市民会館につきましては,それぞれの利用目的に応じて,適正規模のホールを整備することとしております。
従来の市民会館と同等規模のホールが必要との御質問につきましては,客席照明の工夫やホールの一部使用に係る料金設定などにより,事業に応じて1,000席程度の利用も可能となるような運営手法を検討してまいります。