次に、高齢者福祉について伺います。

県が毎年発行している『市町村早わかり』の最新版で、水戸市は、ひとり暮らし老人数(65歳以上1万人あたり)が、県内第1位になりました。10年前には18位、これまで、震災後10位~13位にあがったこともありましたが、ほぼ18位~20位前後で推移してきたものです。高齢者がいきいきと暮らしていけるよう、市の福祉施策の充実が一層求められておりますが、3項目について質問します。

1つは、敬老会についてです。今月は、各地区で敬老会が行われており、私もいくつかの会場に毎年お邪魔していますが、年に一度、地域の高齢者が集い、そのみなさんに心からの敬意を表し交流できる、大切なイベントです。ところが、最近は、式典やアトラクションをやらず記念品の配布だけという地区が増え、「お祝い品の内容もお粗末になってきた」「水戸市からの補助金が少なくて運営に苦労している」という声も聞いています。

平成16年までは1人当たり1500円だった水戸市の補助金が、現在は800円です。補助金の削減により、敬老会の運営が厳しくなり、運営団体の負担も大きくなっているのではないでしょうか。水戸市の敬老会です、市として、招待者が喜ぶ一日となるように補助金を拡充すべきと考えますが、いかがですか。

次に、養護老人ホームについて伺います

養護老人ホームは、対象となる高齢者にとって、最後のセーフティネットであり、行政の責任で安心してくらせる環境を整えるべき施設です。水戸市では十分に活用されていないのではないでしょうか。

まず、開江老人ホームの定員割れについて伺います。市内には、入所の対象となる高齢者、身寄りがなかったり、経済的に困窮していたり、生活が困難な高齢者は多くいるはずですが、およそ30人もの空きがある状態が続いています。これは、全国的に問題となっている‘措置控え’ではないのかを伺います。

養護老人ホームに入所する方の措置費を負担するよりも、例えば、生活保護を受けて1人暮らしを続けてもらう方が、自治体の財政負担が少ないため、相談に来た高齢者を、窓口で、生活保護の担当課へまわしている自治体があるなど、各地で措置控えの実態が指摘されていますが、水戸市ではどうでしょうか。定員割れが続いており、30人もの枠があるのですから、入所要件を満たす高齢者に対し、積極的に措置していくべきではないでしょうか。

また、障害者等加算について伺います。養護老人ホームに入所されている高齢者の中で、近年、精神的な障害などのある方の割合が増大しているとのことです。そのため、施設の職員の負担は重くなっており、事業所への十分な支援が必要ですが、事業所に対し支給される月々の障害者等加算は、年に1度、4月時点での人数で認定されることとなっています。

例えば、5月に入所した人の加算は、翌年度まで支給されず、すべてが事業所の持ち出しとなってしまいますが、一方で、認定後にお亡くなりになった場合には、すぐに支給が打ち切られます。およそ3万5千円の加算であれば、5月入所で11ヵ月分、38万5千円もの持ち出しになります。こうした途中入所の方は何人もいるわけで、これは実態とあわない仕組みであり、事業所に必要以上の大きな負担を押しつけることになります。本来、自治体が持つべき費用である障害者等加算については、毎月、その月の入所者の実数で加算し、確実に支給すべきではないでしょうか。認定を年に1回行うのか、月ごとに行うのかは、市町村の判断でできるとされています。水戸市として、早急に実施すべきですが、いかがでしょうか。

3つめの高齢者健診については、受診率が18%程度と低い状況が続いています。広く受診をしてもらい早期発見早期治療につなげた方がよいというのは当然のことですが、そのためにも、現在、追加検診にかかっている自己負担分をなくし、高齢者健診は無料で受けられるようにしてはいかがですか。健康長寿を推進するささやかな予算ではないでしょうか。

例えば新市民会館建設のためには、無駄な調査費用や、莫大な建設費に追加の地下工事、無法な事前買収…などと、予算がずさんに積みあがる一方で、敬老会の補助金や老人ホームの措置費、健診の費用などには、予算が十分にあてられていないと実感します。長年、大変な思いで税金をおさめてきた市民のみなさんが、納得し喜ぶ高齢者福祉の充実を強く求めるものです。

答弁:保険福祉部長

土田議員の一般質問のうち,高齢者福祉についてお答えいたします。

初めに,敬老会につきましては,75歳以上の高齢者を対象として,各地区の社協支部,女性会等の主催により,市内32全ての地区で敬老会を開催しており,市及び水戸市社会福祉協議会が開催費用の補助を行っております。各主催団体が中心となり,式典等を実施しておりますが,対象者の増加に伴い,実施に係る事務が増大していることなどにより,式典等の簡素化をしているところもございます。

敬老会は,本市の地域社会の発展に多大な貢献をされてこられた,高齢者の皆様に深く敬意を表し,感謝を申し上げる機会として,今後とも継続してまいりたいと考えておりますが,対象者の増加に伴い,補助金の総額も増加している現状から,現在の補助単価を維持してまいりたいと考えておりますので,御理解願います。

次に,養護老人ホームについてお答えいたします。

養護老人ホームは,環境的,経済的な理由により在宅生活が困難な高齢者が,措置により入所する施設であります。本市において,昨年度は年間30名の措置入所を行っており,そのうち23名が本市が設置する開江老人ホームに入所となっております。開江老人ホームにおいては,本年度4月現在入所者は110名の定員に対し,81名の入所となっておりますが,1人当たりの居室の基準面積拡大の改正に合わせ,入所者への生活環境の配慮から,二人部屋を一人部屋として利用する場合もあることから,実質的には10部屋程度の空きとなっております。入所手続きの際は,本人の意向や環境,経済状況等を丁寧に伺い,入所判定専門委員会議により決定しているものであり,いわゆる「措置控え」を行っているものではございません。今後も,支援を必要とする高齢者に対しましては,養護老人ホームの積極的な活用に努めてまいります。

次に,養護老人ホームにおける障害者等加算につきましては,施設入所者のうち介護認定非該当者であり,かつ,継続的な援護を要する知的障害者等につきまして,国の老人保護措置費に係る各種加算等の取扱い指針に基づき,毎年4月1日現在において加算対象者を認定しているところであります。月単位での認定につきましては,他市町村等の状況も調査するなどしながら検討してまいります。

次に,高齢者健診についてお答えいたします。

75歳以上の方を対象とした高齢者健診につきましては,茨城県後期高齢者医療広域連合から受託し,血圧,血糖検査など指定された健診項目のほか,市独自に特定健診と同様の心電図,貧血検査などを追加実施しております。また,集団健診の日程や健診実施医療機関を記載したチラシを同封した受診券を,全ての対象者へ送付し,さらに生活習慣病のリスクが高い未受診者については,はがきによる受診勧奨などを行っております。

個人負担金につきましては,市・県民税が非課税の世帯は無料,課税世帯は,集団健診を600円,医療機関での個別健診を1,000円としており,健診に要する経費,受益者負担の考え方などを考慮して,70歳以上の方の特定健診と同額としております。

今後とも,健診についての周知を図り,高齢者の健康の維持増進に努めてまいりたいと考えております。