日本共産党水戸市議団の土田記代美です。通告に従い一般質問を行います。

6月2日、東海第二原発で放射性廃液が漏れる事故がありました。配管の腐食などによるものと考えられますが、原発の配管は、通常の経年劣化に加え、中性子が当たり続けるための劣化が避けられません。運転制限の40年も目前である東海第二原発は、配管はもとよりプラント全体に相当な劣化があると考えるのが妥当ではないでしょうか。再稼働は許されず、日本原電に廃炉の決断を求めるべきです。
今回の事故について、水戸市はどのような報告を受けたのでしょうか。原電と原子力安全協定を結んでいる県でさえ、事故の報告を受けたのは2時間後です。あまりに遅すぎるのではないでしょうか。実は、事故が発覚した時間帯に、日本共産党茨城県議団が東海第二原発の視察を行っており、現地で原電のトップからレクチャーを受けていました。その間、そのトップにさえ、なにひとつ報告があがってこなかったとのことです。原電の事故対応、報告の遅れに、相当の不信を感じるものですが、いかがですか。水戸市としても早急に安全協定を結び、原電に対ししっかりとものを言える立場で対応すべきですが、ご答弁ください。

答弁≪市民協働部長≫

土田議員の一般質問のうち,原子力行政についてお答えいたします。
今月2日に東海第二発電所において発生した,放射性廃液が漏えいする事故につきましては,現在,事業者である日本原電が詳しい原因等について,調査を実施しているところであり,終了次第,本市に報告されることとなっております。
今回の事故については,環境への影響は無いとのことでありますが,放射性物質の放出の有無に関わらず,原子力発電所における事故は,あってはならないものであり,再発防止はもとより,万全の安全対策を講じることについて,日本原電に強く求めてまいります。
また,再稼働の議論につきましては,原子力規制委員会の新規制基準に適合することはもちろんのこと,安全協定の見直し,そして実効性のある広域避難計画が策定されない限りはあり得ないものであります。あわせて,商業用の原子炉としては首都圏から最も近いこと,事故発生時には避難対象者が約100万人に及び,全国で最も多いこと,さらには,営業運転開始から37年が経過していることなどの現状を踏まえ,原子力規制委員会を初めとする国の動向を注視してまいります。

次に,原子力安全協定についてお答えいたします。
今回の事故に関する本市への通報につきましては,平成9年に締結した「原子力事業所に係る隣々接市町村域の安全確保のための通報連絡等に関する協定書」(通報連絡協定)に基づき,現在,安全協定を締結している茨城県や東海村とほぼ同時刻に第1報となるトラブル通報を受け,以後,事故調査の進展に伴い,3回に渡り,事故の概要や応急的に実施した措置,環境への影響等について報告を受けました。事故発生から通報までに約2時間を要したことについては,放射性物質を取り扱う施設として,安全管理に対する意識を欠いているものと認識しており,今月13日に茨城県や周辺自治体とともに実施した「事故に関する立入調査」において,初動対応状況の検証とその結果の報告について求めたところであります。
安全協定の見直しにつきましては,本市はもとより,東海第二発電所周辺地域の一体的な課題として捉えており,高橋市長が座長を務める東海第二発電所安全対策首長会議において,安全協定の枠組みの拡大や内容の見直しについて,昨年の1月に再度,日本原電に確約をさせたところであります。
また,見直しについては,東海村が事務局を務める原子力所在地域首長懇談会の要求事項を優先して協議を進めることとしており,懇談会として,協定の改定(案)を日本原電に提示し,「日本原電にボールを投げている状況」であります。
東海第二発電所安全対策首長会議としては,昨年11月に開催した検討会議において,他の原子力発電所における安全協定に係る対応状況について,日本原電から説明を受けるなど,課題の整理等を行うとともに,自治体間での共通理解を深めながら,現在,事務レベルで協議を進めております。
今後とも,検討会議を定期的に開催し,協議を進めるとともに,原子力所在地域首長懇談会と連携を図りながら,安全協定の見直しの早期実現に向けた取組を一層推進してまいります。