次に、教育行政について伺います。

まず、授業時数についてです。8月27日、市内の各小学校で2学期の始業式が行われましたが、長い夏休み明けのこの日、子どもたちは始業式のあと通常授業となり、1年生まで5時間授業でした。ちょうど1年生の下校時に遭遇し、子どもたちに声をかけると、口々につかれた~と言っていました。夏休み明けの9月、不登校や心身の不調が増えるといわれています。長い休みの後、通常の生活のリズムを取り戻すための助走期間は、大人でも3日は必要ともいわれています。まして、子どもたちの心身の負担を考えれば、始業式の日からいきなり通常授業に突入するのではなく、ある程度の助走期間、休み明け数日間は徐々に時数を増やしていくなど、スムーズに学校生活のリズムを取り戻すための配慮が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 次に教職員の配置についてです。小中学校教員の過酷労働は深刻です。特に、水戸市は、他市町村にくらべ、夏休みが少ない、授業時数が多い、と、子どもたちだけではなく、先生たちにも過重な負担がかかっています。特に子育て世代の先生たちにとっては、朝早くから夜遅くまで学校、休みの日も学校で、家で自分の子どもの顔を見る時間もない、水戸は本当にきついという声を聞いています。また、クラス数ギリギリの定員でがんばっていらっしゃる現場で、ひとり先生が倒れれば、お手上げになる、など、切実な声はどこの学校からも聞こえてきます。先生たちに、しっかりと子どもたちに向き合う時間や余裕がない教育現場では、豊かな教育はのぞめなくなってしまいます。茨城県の教員数は、この10年で891人も減っており、そのうち直近の5年間に553人も減っています。教員の配置は県のやることとはいえ、県まかせでは、教育現場の改善は困難です。健やかな子どもを育むのに、先生たちが過重業務でつかれていては話になりません。そこで、市独自の増員をすることはできないものでしょうか。鹿嶋市など市費で教員を入れている自治体もあります。水戸市でも市費で、独自の増員をすべきと考えますが、ご見解をうかがいます。

最後に、私は、学校施設の改修や整備について、校舎やプールなど、例を挙げながらたびたび質問をしてきましたが、今回は校庭について伺います。子どもたちが安全に学校生活を送るために、施設整備は迅速かつ丁寧に、最優先でおこなわれるべきと考えます。

先日、新荘小学校の校庭を見てきましたが、ひとつは、以前から要望を重ねてきた、校庭の遊具についてです。(写真)腐食や破損が著しく、早急な改善が必要です。外国製の遊具のため、部品等が調達できず改修が難しいといわれていましたが、腐食した木の部分を補修するなり交換するなり、可能な方法はあるのではないでしょうか。子どもたちには、大変人気の遊具だとのことで、何とか安心して使えるように直していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。また、校庭の芝生ですが(写真)かなり傷んでおり、あちこちに凸凹ができてしまっています。日々、子どもたちが駆け回り、また、市民運動会でも使われる校庭が、この状態では、かんたんに足をとられ転倒が心配されます。速やかな整備が必要です。

芝生の張替えや遊具の補修や改修などは、水戸市にとって必要不可欠な経費ではないでしょうか。学校改修も順番まち、通学路となっている身近な道路補修も順番待ち…と、使うべき予算がきちんと当てられず、大きなハコモノ事業では、あっという間に10億円単位の増額が行われます。今回の新市民会館計画の27億円の増額でどれほどの学校施設が整備できるのかと考えると、本当に誰のための税金で誰のための市政なのかと。水戸の未来を担う子供たちの教育環境を整えることにこそ、もっと予算とマンパワーを十分に増やしていくべきです。根本的な市の財政と姿勢の転換をもとめるものです。

答弁:教育部長

土田議員の一般質問のうち,教育行政についてお答えいたします。

はじめに,授業時数についてお答えいたします。

始業式の授業については,以前から,保護者より「他市町村では始業式の午後に授業が行われているところもある」,「水戸市でも始業式の日に,給食を実施して,午後に授業を行ってほしい」という要望が出ており,実際に,弁当を持参させ,午後に授業を行っている学校もございました。
また,平成29年4月に改訂された新学習指導要領では,小学校において,令和2年度から新たに,3,4年生で「外国語活動」,5,6年生で「外国語」が必修となり,標準総授業時数が35時間増加したことから,授業日数の更なる確保が必要となりました。
そのため,本市では,新学習指導要領への移行期間となった昨年度から,市内全校で,2学期及び3学期の始業式の日に給食を提供し,午後の授業を行うことといたしました。
なお,各学校では,児童生徒の心身の負担を軽減するため,始業式の午後は,教科の学習ではなく,2学期の目標発表や夏休みの作品発表を行ったり,避難訓練や保護者への引き渡し訓練を行ったりするなど,学校生活のリズムを徐々に取り戻せるよう,配慮しております。

一方,不登校傾向の児童生徒に対しては,夏季休業中に担任が電話連絡や家庭訪問を行うなど,学校生活への不安が軽減できるよう配慮した取組にも努め,円滑に学校生活がスタートできるようにしております。

今後とも,授業時数をしっかりと確保し,児童に十分な学力を身につけさせるとともに,児童が心身の負担を感じることなく学校生活が送れるよう,一人一人に寄り添った対応に努めてまいります。

次に,教職員の配置についてお答えいたします。

近年,少子高齢化や人口減少,グローバル化や情報化の進展など,予測困難な変化の激しい社会情勢にあり,学校における教職員の働き方につきましても,文部科学省が平成28年度に実施した勤務実態調査の分析結果を踏まえ,長時間勤務の是正に向けた抜本的改革が求められているところでございます。
教職員の業務の負担軽減を図るうえで,教職員の増員を図ることは有効な方策であり,国においては,「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」,いわゆる標準法に定める定数に加え,さまざまな種類の加配措置を行っております。

国による加配措置は,県教育委員会を通じて行われるため,本市としても県教育委員会に対し,措置要望を行っております。

その結果として,本年度は,個に応じたきめ細やかな学習指導の充実を図るための少人数指導担当教員,いじめ等の問題行動や不登校等の解消及び未然防止を図るための体制づくりを推進する生徒指導担当教員,小学校において教科担任制を導入する際に教科に関する専門的指導を行う専科教員など,市全体で105名の教職員を定数以外に措置することができました。その結果として,教員が子どもと向き合う時間の確保に対し,一定の成果がございました。

さらに,本市独自の取り組みといたしましては,児童生徒にきめ細やかで質の高い教育を保障するため,教職員免許状を有する者を学力向上サポーターとして任用しており,平成23年度から配置を始め,その後,大規模小学校への複数配置など,順次拡充を行い,現在では,54名を任用しております。その成果として,習熟度別学習等,個に応じた学習の一層の推進が図られております。

今後とも,国や県教育委員会に対し,加配教員の更なる措置を要望するとともに,学力向上サポーターの効果的活用を研究し,教職員の負担軽減に努めてまいります。

次に,校庭及び遊具の整備についてお答えいたします。

はじめに,校庭の整備についてお答えいたします。

小中学校の運動場は,体育の授業や部活動などの学校教育活動や放課後における子どもたちの遊び場として使用されております。

また,市民運動会やスポーツ少年団の活動にも活用されるなど,子どもたちや,地域の方々のスポーツに触れる機会を創出する役割を担う重要な場であると認識しております。

このようなことから,安全に安心して活動できるよう,全校で日常的に状況把握を行っておりますが,日常的な使用や降雨等の影響により,凹凸(おうとつ)や水溜まりが生じている場合もございます。

このような状況に対応するため,学校からの状況報告を踏まえ,子どもたちの活動が制限される場合には,整地等の応急措置を行うとともに,大規模な工事に併せて,運動場の整備を図っているところでございます。

今後におきましても,子どもたちや地域の方々が,安全に安心して,スポーツに親しむことができるよう,各校の現状を把握し,計画的な整備に向けて,状況に応じて,優先順位を定めるとともに,適切な維持管理に努めてまいります。

次に,遊具の整備についてお答えいたします。

学校の遊具につきましては,子どもたちが遊具を使っての遊びをとおして運動に親しむとともに,体力の向上にも効果が期待できることから,遊具の必要性は高いものと考えております。

このため,遊具の老朽化対策は,重要であると認識しており,市教育委員会において作成した学校遊具等点検マニュアルを活用し,全校において,毎月,安全点検を実施しております。

この点検結果をもとに,老朽化している遊具等の状況を把握し,簡易な修繕で対応可能なものについては,速やかに修繕するとともに,必要に応じて,大規模な改修等を実施することとしております。

今後におきましても,学校との連携を深め,遊具の不具合や活用状況等を把握し,子どもたちが安全に安心して使用できる遊具の整備と充実に努めてまいります。