平成31年第1回水戸市議会定例会 反対討論        2019320

                 日本共産党水戸市議団   土田記代美

日本共産党水戸市議団の土田記代美です。

本定例会に提案されました議案50件うち、議案第7号、第11号、第16号、第18号、第21号、第22号、第23号、第25号、第26号、第27号、第28号、第29号、第30号、第36号、第37号、第38号、第39号、第43号、第45号
以上、19件につきまして、通告に従い反対討論を行います。

はじめに、議案第7号は、職員定数条例の一部改正です。私たちは、市が正職員を減らし臨時・嘱託職員に置き換えて、不安定で安価な労働を増やすことに反対し、また、市が責任をもって行うべき業務、教育的な業務である図書館や給食の民間委託にも反対をしてきました。今回、給食調理員9名の削減が含まれており、本議案には賛成できません。

次に、議案第11号は、企業誘致のための固定資産税等の課税免除を延長する議案です。外からやってくる企業に対し、支払うべき税をゼロにするという条例には反対です。外からの呼び込みより、地元でがんばっている、がんばり続けている企業こそ応援すべきと考えます。こうした税制の優遇で、水戸にやってきたとしても、業績が少しでも悪くなれば、また簡単に水戸からひきあげてしまうなど、そうした企業が、市の経済や活力向上に責任を持ってくれるわけではありません。昨年度の実績では、5900万円もの免除額とのことですが、一部の企業に対しこれほどの税金を免除する一方で、厳しい経済状況に苦しむ市民に対しては、徴税強化をうたい、費用をかけて茨城租税債権管理機構に委託してまで、税や国保税の取り立てをしています。また市営住宅の家賃についても、20件もの裁判などを起こし、容赦ない対応をしている。水戸市は、いったい誰のために、どこを向いてお金を集め使うのか、はなはだ疑問と違和感を感じる議案であり反対します。

次に、議案16号は、家庭的保育の設備運営に関する基準条例の改正で、乳幼児を少人数で保育する家庭的保育について、食事の外部搬入の緩和を5年間延長するものです。対象児童は0・1・2歳であり、抵抗力が弱く、アレルギーやアトピー疾患への配慮や、衛生面や栄養面からも特に注意が必要です。そのため、自園調理を原則としているものであり、その緩和は乳幼児の安全確保に反するものであり認められません。

次に、議案18号は、建築基準条例の一部改正ですが、これまで義務付けられてきた特別支援学校等の、天井や壁などに不燃材料、準不燃材料を使用するという規定をなくし、可燃材料の使用を認めるという規制緩和です。特別支援学校の児童、生徒は、火災などが起きれば、避難に通常より時間がかかったり、パニックを起こして混乱することもあります。障害のある子どもたちの安全を第一に考えれば、市の条例で不燃材料を使うことを義務付ける規定は外すべきではなく、本議案に反対します。

次に、議案第21号、22号、23号、25号、28号、30号、37号、38号の7件につきましては、上下水道や農業集落排水、また公設市場の10月からの、消費税引き上げに伴う料金改定等に関する議案であり、反対をいたします。

わたしたちは、消費税10%への引き上げについて、断固反対の立場です。現在、国会でも議論が沸騰していますが、増税の根拠となる数々の統計不正が大問題となっており、政府のいう経済指標や現在の経済状況、消費増税の前提が根底から崩れております。

水戸市が消費税増税分を値上げすれば、水道料金や下水道料金、農業集落排水使用料や公設市場使用料の影響額は来年度半年分で約8,750万円、1年間では約1億8000万円に上ります。市として、10月からの増税中止こそ、国にもとめるべきと考えます。また消費税を公共料金や手数料、利用料等に転嫁するのではなく、財政調整基金などを活用し、さらなる市民負担増を行わないことをもとめます。また、1億4085万1000円も予算化しているムダな県受水の中止をもとめます。

次に、議案第26号、平成31年度一般会計予算につきましては、市政全般に及ぶ議案であり、多数の意見がございますが、そのうち1点、新市民会館整備計画について反対の意見をのべさせていただきます。

現計画は、一部の利益のために巨額の事業費をかけて、水戸のまちなかを壊し、市の文化や市民活動、そしてまちづくりにも役立たない無用の長物、それどころか、将来にわたって禍根を残し、市民にとって重大な負の遺産となってしまうと考えます。サインと運営の検討に1520万円が計上されていますが、世界的な建築デザイナーだからと、伊東豊雄氏の設計に巨額の契約をしているのに、サイン設計はまたそれとは別料金、などという話は、とても認められないというより、あきれてものが言えません。運営については、いくら検討しても、この計画では、巨額の事業費と維持管理費、運営経費に見合った稼働率でまわしていくなど、今の時代、到底不可能であることは、他自治体や他のホール施設の実績と現状をみれば明らかです。以前にも組織されたコンテンツ検討委員会と同様、無駄な労力とムダなお金になると考えます。

多くの市民の反対の声はもとより、物理的な矛盾や、噴出する明らかな問題点を無視し続けて、強引に推し進めようとしておりますが、根拠のない無謀な夢物語による税金のムダ使いといわざるを得ません。市民がもとめているのは、市民のための市民会館です。経済団体からの要請という、そもそも文化的視点が欠けている上に、市民不在の計画は根本から見直し、一日も早く、市民が待ち望んでいる水戸市の文化に資する市民のための市民会館建設に取り組むことをもとめます。

次に、議案第29号、第45号については、芸術館東側駐車場建設の中止をもとめる立場から、反対をいたします。新市民会館整備計画において大問題となっている駐車場不足の解決にはなんら機能しない上に、周辺の生活環境および景観も損なう、この高層駐車場建設は行うべきではありません。(予定地には、動きたくないと言っておられる地権者もおられます。土地収用法を適用し、強制立ち退きをさせてまで作るとすれば、言語道断であり、市民の理解は得られません。)

次に、議案27号国保会計予算、議案36号後期高齢者医療保険会計について反対をいたします。まず、国民健康保険は、来年度の茨城県への納付金が今年度より7億4000万円も減少します。市の国保会計は黒字続きで、昨年度の繰越金7億8000万円から国庫清算分などを除いても、今年度末、2億7000万円の黒字となる見込みです。ところが、課税限度額をさらに3万円引き上げ、最高額を年96万円とし、約1950万円の負担を増やす方針です。高すぎる国保税が払えない滞納者に対し、年金や給与を差し押さえるなど、厳しく取り立てていますが、本来は黒字を活用して値下げをすべきです。

また、後期高齢者医療保険料は、特例軽減が10月から廃止され、これにより、現在9割軽減の方は7割軽減となり、3100万円の負担が増える見通しです。市民負担を大きく増やすものであり、引き下げをもとめます。

次に、議案第39号は、第三最終処分場建設工事の追加契約で、2億2215万6千円の増額です。4大プロジェクトの一つである新ゴミ処理施設整備事業に関しては、不法投棄ゴミが埋まっていることに目をつぶり15億円もかけて用地を取得したという段階から、非常に不透明で、市民からはとても納得のいかない事業予算の執行が続いてきました。今回、30億円もかけて造成した用地で、しかも造成工事の際にも、途中で不法投棄ゴミが大量に出た、地盤改良が必要になったと10億6千万円もの追加工事が行われた用地で、いざ建設を始めてみたら、また地中からゴミが出た、と。そこで、また2億円以上の増額です。

掘ってみたらこうだった、と契約金額が吊り上がる、こうした事態が、水戸市の4大プロジェクトで、もう3度目です。

大きな事業、大きな予算だからこそ、十分な事前調査や、当初契約の積算根拠、事業内容や経過の説明は明確に示されるべきであり、それが行われていないずさんな予算執行といわざるを得ません。今回の追加工事についても不透明で、納得いく説明がなく、本議案には賛成できません。

最後に、議案第43号は、平成30年度一般会補正予算です。

泉町1丁目北地区再開発事業、および泉町周辺地区整備事業予算のうち、35億億3680万円を、次年度へ繰り越しするもので、認められません。

泉町再開発事業は、認可前の事前買収から始まり、権利変換計画では、一部の地権者には、水戸市が、毎年約2200万円もの賃借料を支払い続けること、さらには、反対を貫いている地権者の、土地および物件調書、同意の署名まで、地権者の同意もなく、土地収用法を準用して作成するなど、法も道理もない強引な進め方による、不公平で不公正な事業といわざるをえません。

そもそも、一事業者の利益のために動いているのではないかと、疑念がありましたが、今回、その点も明白となりました。総額およそ33億円の補償費の中から、約30億円、なんと90%が、伊勢甚に、移転補償として支払われます。さらに、伊勢甚はおよそ7000万円の保留床を商業エリアに得るということです。その上、10年以上も放置していた旧京成デパートの解体費用は、1円もかかりません。すべてが水戸市が持ち出す税金であり、水戸市は14億円もの解体費用などを予算化しております。市民の収める大切な税金が、一企業の利益や大手ゼネコンにつぎ込まれ、市民生活を圧迫する無駄なハコモノ建設としかいいようのない新市民会館整備計画は、一日も早く見直すべきであり、泉町再開発事業は、速やかに中止することをもとめます。

以上で、反対討論を終わります。