日本共産党水戸市議団の土田記代美です。通告に従い一般質問を行います。

はじめに新市民会館整備計画について伺います。

まず、まちづくりと税金の使い方についてです。

再開発による現計画は、泉町の活性化に逆行し、市民にとって、将来世代にまでのしかかり続ける負の遺産となります。水戸市が、この再開発に執着し続けるのは、市民のための文化施設をつくるという目的とはかけ離れた別の要因があると考えます。

現在、事業認可申請をしている段階で、先走りで、法的根拠のない税金投入をしていること自体が異常ですが、事業計画が認可されたとしても、その後、権利変換計画の認可、その後に、権利変換手続きと、まだまだ大きなハードルがあるわけです。大工町の再開発が14年もかかったことを考えても、あの場所が建設地として更地になるまでに、この先何年かかるかわかりません。さらに、絶対に動かないと言っておられる地権者がいる場所です。多額の税金をつぎ込んで、住民を無理矢理追い出して作る市民会館に、市民の理解が得られるでしょうか。

まちの真ん中で空きビルを放置してきた責任は、水戸市にも市民にもありません。伊勢甚優遇策としか思えない水戸市の税金投入は、過去にも繰り返されており、一企業に対し多額の補償を支払うための事業といわざるを得ません。

本当に泉町の活性化を考えるなら、一日も早く、再開発ではなく、まちなか再生につながる新たな選択肢を議論すべきです。伊勢甚が空きビルを放棄するのなら、すでに移転がすすめられている病院などと合わせて、芸術館へつながる誘客施設と歩行空間、例えば、オセロミュージアムパークといった、市民も観光客も行き交う、真に活性化が見込めるものを考えるべきです。水戸が発祥のオセロをテーマにしたミュージアムと、緑の遊歩道やオープンスペースで、子どもから高齢者まで憩える場所が出来れば、泉町の再生につながりますし、世界のどこにもない、水戸ならではの特別な場所になります。オセロの聖地として、世界に発信できれば、誘客の可能性もひろがるでしょう。何度も指摘していますが、大きな劇場施設では、周辺に賑わいをつくることはできません。

また、再開発で103億円以上もかける上に、何年かかるかもわからない場所ではなく、すぐにも市民会館を建設できる土地、市有地や安く購入できる空き地はいくつもあります。市民は、もう7年も市民会館の再建を待っていますが、場所の確保に長い時間と多額のお金をかけて無駄なハコモノをつくって欲しいとは、誰も思っていません。使いやすく市民が活用できる市民会館が早く欲しいのです。

一例として、先日、東部公園用地を見てきました。約19haもの市有地を、20年近くも、ほとんど寝かせている状況は、いったいなんなのでしょう。

(パネル)これが、その整備計画の図面です。

今、整備されているのはこの多目的広場だけで、他はまだなにもない、見渡す限りの空き地です。例えば、この広場の部分。ここに市民会館をつくるなら駐車場も十分確保できるし、こちらのサッカー場までつながる敷地内道路がゆうに500m以上はあります。ここなら大型車両が何十台きても並べておくことができ、それこそ吹奏楽のコンクールだってできるわけです。遊具を備えた児童公園やレストランなども併設し、子どもから大人まで、多くの市民が利用できる複合施設にすれば、スポーツと文化の一大拠点として、市民に愛されるすばらしい場所になるでしょう。

現計画は、総事業費320億円以上もかけて、たった一個の無駄なハコモノ。それよりも、どれだけ少ない事業費で、使い勝手のいい市民会館と、市民のための夢のある数々の施設がつくれることかと、広大な東部公園用地をみながら、水戸市の現状にあきれてしまいました。

市有地は市民の財産です。広大な土地を活用せず放置していることは、市民への背信ではないでしょうか。

サッカー少年団からの強い要望や、地域からの要望がありながら、この東部公園の整備が遅々として進んでいないのは、4大プロジェクトで首が回らないからでしょうか。一日も早く現計画を見直し、市民がよろこび、市民に愛される市民会館と、市民に求められている文化・スポーツ施設の整備のためにこそ、適正に税金を使うべきですが、いかがですか。

答弁:都市計画部長

泉町1丁目北地区市街地再開発事業につきましては,昨年,都市再開発法に基づく市街地再開発組合が設立され,現在は,事業計画の認可取得に向け手続きを進めているところであります。また,組合においては,3月7日にECI方式による施設建築物工事の施工予定者選定プロポーザルの手続きを開始したところでございます。特別委員会へもご説明したとおり,平成34年9月の新市民会館オープンを目指すとともに,工程短縮の可能性についても取り組んでまいります。

新市民会館の建設用地についてですが,本地区に新市民会館を建設する目的は,中心市街地において新たな交流や芸術文化の振興によって,まちに活力とにぎわいを創出し,将来に渡り,市民に愛され親しまれるまちづくりを成しとげることであります。レベルの高い文化を世界に発信する水戸芸術館と,商業における重要な拠点である京成百貨店に挟まれたこの場所だからこそ,それが可能であると考えております。あわせて,都市機能の更新や土地の集約化と利用増進を図ることができるとともに,国の補助金等を見込め,財政的にも最も有利な手法として,市街地再開発事業は合理的かつ適正なものであると考えております。新市民会館の整備は,中心市街地の活性化にとって成し遂げなればならない事業であります。引き続き,市街地再開発事業により,全力で取り組んでまいります。

答弁:市民協働部長

土田議員の新市民会館整備計画についての一般質問のうち,ホール施設と文化振興についてお答えいたします。

新市民会館につきましては,市民が楽しく芸術文化を育み,主体的な市民活動を促進する拠点として大きな役割を担うとともに,多くの人が集い,交流する施設を目指しております。

これまでも,整備基本計画や事業推進計画において,市民の芸術文化や創作活動の発表会をはじめ,クラシック音楽,ポピュラー音楽,演劇,ミュージカル等幅広い演目や,講演会,式典等,さまざまな事業を開催できる施設としており,市議会特別委員会でも十分な御審議をいただきながら,市民説明会や関係団体からの御意見等を設計に反映してまいりました。

新市民会館では,市民の豊かな心と感性を育むために,多くの鑑賞機会を提供するとともに,市民参加の自主事業を実施し,芸術文化の普及,啓発を促進してまいります。さらに,著名なアーティストのコンサートツアーのほか,全国規模の大会や式典,大規模イベントなどを積極的に誘致するとともに,市内外の企業等に会議や研修会の会場として利用を働きかけ,多くの交流人口を創出することにより,宿泊客や飲食店利用者の増加を促進し,中心市街地の活力向上や経済の活性化を図ってまいります。

本市といたしましては,全国の多くの方々に,「また来たい」,「また開催したい」と思っていただくとともに,市民が誇りに思えるような新市民会館を早期に整備することにより,将来にわたってにぎわい,楽しめるまちをつくってまいります。