次に東町運動公園の再整備について質問いたします。

再整備計画では体育館の規模は現在の床面積を3倍(5,417㎡→15,000㎡)とし、観客席は2倍(1,440席→3,000席)の3,000席にします。県立笠松運動公園の体育館(延床面積8,691㎡)の約2倍で、県内最大規模の体育館となります。一方で現在ある幼児プール、25mプールは廃止し、駐車場とします。

質問の第1は県内最大規模の体育館にする理由として、全国大会や国際大会の規模のスポーツ大会開催が可能とするためとしていますが、これらの大会は本来、県の体育施設で対応すべきものありませんか。

第2は体育館本体の建設費は当初80億円でしたが、外溝工事、アクセス道路、競技備品費などを含めると95億6000万円に増大します。さらに建設資材、労務単価の上昇で100億円以上になると見込まれます。最終的にいくらまで膨れ上がるのか、お答えください。

第3にもともと東町運動公園は県立であり、高橋市長と橋本県知事が覚書をとりかわして、水戸市が整備するなどと決めるべきではありません。本来、茨城県が整備すべきであります。

高橋市長と橋本知事が昨年9月30日に取り交わしました覚書も「県はできる限りの支援を行う」というものでありますが、県が負担する金額も明示されておらず、今年8月、県が示した補助額は20億円にすぎず、体育館建設費の4分の1にすぎません。土地代金は無償譲渡であるとしながら、県の補助金は土地の代金を含めるとしました。

8月27日、橋本知事は記者会見で、「駐車場建設費や競技用品費など増えた15億6000万円は補助対象にしない、今後、建設費が増大してもその分の補助はしない」と表明しました。このような事態になった責任は橋本知事にあることはもちろん、高橋市長の責任は重大であります。市長は再整備を返上し、橋本知事に東町運動公園を整備するようをもとめるべきではありませんか、答弁をもとめます。

第4に東町プールは50年以上も市民にしたしまれてきました。今年は猛暑で平均1日300人が利用しました。廃止になると市内には幼児プール、小学生、中学生が使えるプールがなくなります。

青柳室内プール、小吹室内プール、大串貝塚公園プールは深さが1.3mで大人用であり、小さい子供や小学生は使えません。市内の子供たちは常陸大宮市、東海村のプールを利用しています。

新日本婦人の会水戸支部は東町のプール存続をもとめる署名運動をすすめています。子供たちたのめにもプールを存続させる考えはないのかお答えください。

 

≪答弁 市長≫

次に,東町運動公園の再整備に関するご質問にお答えいたします。

私は,「するスポーツ」とともに「見るスポーツ」の充実を図り,スポーツ文化を一層伸展させることにより,まちの個性や魅力を創出し,経済や産業の発展にもつながる成熟したまちをつくってまいりたいと考えております。

その実現に向け,東町運動公園の体育館につきましては,将来にわたって,子どもから高齢者まで,広く市民の皆様がスポーツや健康づくりに親しむことのできる市民スポーツの拠点とするとともに,これまで困難であった全国規模の大会やプロスポーツ等の誘致が可能な,スポーツコンベンションの拠点となり得る多機能型のアリーナを持つ体育館として整備してまいりたいと考えております。

全国規模のスポーツ大会等の開催につきましては,市民の皆様が,一流選手のプレーに触れる機会が増えることに加えて,全国各地から多くの方々にご来場いただくことにより,新たな交流やにぎわいの創出,さらには,本市の重要課題である中心市街地の活性化が期待できることから,積極的に誘致してまいりたいと考えております。

全体事業費につきましては,外構工事や競技用備品等を含めて,95億6千万円程度と見込んでおりますが,現在進めている基本設計の中で,縮減に努めながら,さらに精査してまいります。また,今後,社会経済情勢の変動により,資材価格や労務費などの建設物価の上昇等が懸念されますが,実施設計段階においても,設計の工夫を重ね,可能な限り事業費の縮減に努めてまいります。

財源の確保に向けましては,過日,県知事と面会し,改めて財政支援に理解をいただいたところであり,具体的な県の補助額については,「県と水戸市の実質負担が同程度」という考え方を踏まえ,改めて協議を行うこととなっております。体育館建設工事費が増額になった場合について,県と交換した覚書の中で,県は「市にできる限り支援を行う」こととしていることからも,粘り強く協議をしてまいります。今後とも,財源の確保に向け,私自ら要望活動を行うなど,全力で取り組んでまいります。

そして,市民の皆様はもとより,県内外の多くの皆様にご利用いただき,愛される施設となるよう整備してまいります。

東町運動公園のプールにつきましては,長年にわたり,市民の皆様に親しまれてきた施設であると認識しておりますが,東町運動公園につきましては,スポーツコンベンションの拠点となる施設として,体育館を軸とする計画としております。あわせて,大規模な大会やスポーツイベント等の開催時におきましても,利用者の利便性を確保できるよう,限られた敷地の中で,可能な限り駐車場を整備する計画であることから,プールの整備につきましては,困難であると考えております。

一方,東町運動公園のプールが閉鎖されたことにより,今後,子ども達が水に親しみ触れ合う環境が不足することが懸念されますことから,市内の小学校プールについて,使用期間延長に要する経費や,安全管理上必要とされる管理者及び監視員の十分な確保などの課題を整理しながら,地域バランスを考慮しつつ,一般市民への早期開放の実現に向け,調整してまいります。

また,本市といたしましては,市民のプール利用状況や大会参加者数などを踏まえ,施設の確保が重要であると認識し,「水戸市第6次総合計画」に「新たな屋内公認プールの整備」を位置付けたところであり,現在進めている各体育施設の整備状況等を踏まえながら,今後,整備に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。