次に新市民会館建設についてお伺いいたします。

以下、7点にわたり質問いたします。

第1に高橋市長は水戸市の年間予算の3分の1、300億円の税金を投入して新市民会館の建設をすすめる計画であります。これは市民一人の負担額は11万円、4人家族では44万円も負担することになります。水戸市の借金を増やし、福祉、暮らしの予算を圧迫し、公共料金や市税の値上げにつながると考えないのか、お答えください。

第2に新市民会館の建設費は当初68億円と見込みました。一昨年度に策定された第6次総合計画では旧市民会館と同程度の規模とし、24年7月に開館した新潟県柏崎市の市民会館を参考にし68億円としたものでした。

ところが、当初の計画を大幅に変更し、4倍もの300億円にしたのであります。新市民会館の建設単価は1㎡69万円であり、2007年度から12年度までの5年間に全国で建設された500名以上のホールをもつ施設8カ所と比べても建設単価はトップレベルの豪華な市民会館計画であります。

当初の計画にもどせば、200億円以上節約することができ、これを保育所や特別養護老人ホームの建設にあてれば、待機児童や特養ホームの待機者450名も解消することができます。

第3に市民会館建設費192億円に対する国補助はどのくらいを見込んでいるのか。

第4は2000名のホールは県民文化センターと競合します。市民が使い易い規模1000名のホールなら、演技者の細かいしぐさが見え、出演者が観客と一体となり、臨場感がわきます。大ホールは1,000名の規模にすべきであります。

第5に300台の専用駐車場を建設するとしているが、まだ建設場所も決まりません。2000名のホールに300台の専用駐車場ではあまりにも少なく、駐車場さがしで周辺は大渋滞となり、開演時間に間に合わない人が多数でて大混乱となってしまいます。

駐車場が確保できる場所に変更すべきです。

第6に伊勢甚を中心とした再開発組合が2008年、泉町に京成百貨店を建設しました。この時、水戸市は68億円の補助を行ないました。今回の市民会館建設の最大地権者も伊勢甚であり、2度目の多額な税金補助であります。再開発準備組合の事務所も伊勢甚が所有する中央ビルの6階にあり、準備組合の中心であります。地権者に対し補償金が54億円支払われますが、伊勢甚には面積や建物からみて半分以上の30億円程度が支払われると見込まれますが、いくらなのか、お答えください。いま市民から伊勢甚のための再開発ではないのかとの疑惑の声がよせられています。伊勢甚が中心となって行う再開発に300億円の税金を投入してよいのか、お伺いいたします。

この再開発に強く反対している地権者もおります。長年にわたり続けてきた商売が移転で続けられないと反対を表明しています。水戸市はこれらの声を無視してまで年度内に都市計画決定を行うとしていますが、中止すべきではありませんか。

第7に9月4日から水戸市が実施している市民アンケートは昨年と同じで主にインターネットを通じておこなわれます。昨年度は502名の回答にとどまりました。

また今年8月から実施している市民ワークショップも募集人員が30名と極めて少なく、それも計画に賛成する人のみでおこなわれ、反対する人は参加できないもので、きわめて非民主的であります。

水戸市は第6次総合計画を作成した時、1万人アンケートを実施しました。今回も多くの市民を対象とした大規模な市民アンケート、または住民投票を実施すべきでありますが、答弁をもとめます。

つくば市で306億円の総合運動公園建設計画は、市の財政に大きな影響をもたらし、建設場所も不適格として、今年8月に住民投票が行われ8割が反対し、市原市長は白紙撤回しました。

水戸市の市民会館建設計画も建設費、場所も含め、白紙撤回をおこなう考えはないのか、明快な答弁をもとめます。

 

答弁 市長

次に,新市民会館建設に関する御質問にお答えいたします。

私は,まちが発展していくためには,まちにさまざまな人が集い,触れ合い,活動することを通し,多くの人の心を揺り動かすような感動が生まれ,次代を担う子どもたちの豊かな感性を育んでいくという循環を生み出していくことが必要であると考えております。それこそが,まちの文化であり,まちの個性や魅力を高めていく原動力となっていくからであります。

新市民会館を世界に誇れる水戸芸術館の隣接地に整備することにより,多彩な文化を体感でき,楽しめるまちをつくってまいりたいと考えております。

御質問の市民負担につきましては,新市民会館は,長期にわたって,市民の誰もが芸術や文化を享受する利益と施設整備による負担を,広く世代間で分かち合うものと考えておりますが,市民サービスの低下を招くことがないよう,そして,将来世代に過大な負担を先送りすることがないよう,努めてまいります。

次に,財源につきましては,社会資本整備総合交付金の活用により,12億円の国庫補助を見込むとともに,合併特例債などの有利な条件の地方債を活用し,実質的な市の負担軽減を図ってまいります。

次に,新市民会館の建設単価につきましては,資材価格の高騰など社会経済情勢により上昇傾向にあると考えており,一定程度の幅を持った積算としておりますが,今後,市といたしましても,基本設計や実施設計において,再開発事業の組合員の立場から,十分に縮減に努めてまいります。

次に,第6次総合計画における新市民会館整備費68億円につきましては,旧市民会館と同程度の施設を再築した場合の想定であり,現時点での整備費である180億円から192億円につきましては,新たな市民会館整備基本計画において必要な機能等を見込んだものであり,昨年度,特別委員会において御審議,御了解をいただいたものであります。

次に,大ホールの規模につきましては,本県には,800席から1,000席を若干上回る規模のホールは多くありますが,県民文化センターを含めまして,2,000席規模の大ホールはありません。全国的に見ても,1,800席から2,000席規模のホールを持たない県は,わずかであります。このため,全国規模の集客イベント,著名なアーティストの公演,各種団体の関東大会や全国規模の総会等が誘致できないという声があがっております。

また,経済団体等からも県都として2,000人以上を収容できる施設の整備を強く求められております。

このような状況を踏まえまして,私は,市民の芸術文化活動の拠点として,また,新たな交流や活力,にぎわいが創出されるコンベンションの拠点として,2,000席程度のホールを備えた施設を整備するとともに,演技者と観客の一体感が生み出される空間としては500席程度の多機能ホールを整備し,様々な市民需要に応えてまいります。

次に,駐車場につきましては,車いす使用者等のための駐車場を整備計画地内に確保するとともに,一般来場者のための駐車場は周辺地区での整備に向け,鋭意努力しているところでございます。

次に,補償金に関しましては,今後,再開発事業が進捗する中,地権者の意向を踏まえた上で,法律や制度に従い,適正かつ客観的に算出されるものですので,御理解願います。

次に,都市計画決定に関しましては,一日も早い泉町1丁目北地区市街地再開発事業の完成に向け,年度内の都市計画決定を目指してまいります。

白紙撤回及び大規模なアンケートをとの御質問につきましては,新市民会館は,文化活動団体や経済団体など多くの市民から早期整備を求められているところであり,また,郊外ではなく中心市街地の中央部に位置する泉町1丁目北地区に整備することによって,文化をはじめとする都市中枢機能の集積が図られ,コンパクトシティーの実現につながるものと考えております。そのため,新市民会館を公共交通が充実した中心市街地に整備し,高齢者や学生などあらゆる世代が訪れやすい環境を整えてまいります。

また,整備に当たっては,昨年度来,団体ヒアリング,市民ワークショップ,市民アンケート,パブリックコメントなど多様な手法によって市民の意見を伺っており,引き続きスピード感を持って事業を推進してまいります。