日本共産党の中庭次男です。通告に従い、順次、一般質問を行います。

  • 市立見川幼稚園の廃止反対

最初に、水戸市立見川幼稚園の廃止計画に反対し、幼児教育の充実を求めて、質問いたします。水戸市は見川幼稚園を令和5年度末で廃止するとして、4歳児の募集を停止しました。

見川地区の住民組織である住みよい見川をつくる会は「市立見川幼稚園の廃止は反対だ」「子どもたちが健やかに成長できる地区にしてほしい」としての願いをこめた陳情署名が取りくまれ、現在では2,500名の署名が集められております。すでに第一次分が提出されています。

地区住民からは「今年4月に市立(いちりつ)梅が丘幼稚園が廃止になったばかりだ。今度は見川幼稚園が廃止になったら、2万5,000人がすむ見川中学校区に公立の幼稚園や保育園が一カ所もなくなってしまう」「子育て支援が最重要課題だと市長はいいながら、幼児教育の大事な役割をもつ市立(いちりつ)幼稚園を7カ所も廃止するのは、認められない」との厳しい批判がだされております。見川幼稚園は設立当初は住民の寄付によって設立され今年で創立64周年となりました。地元になくてはならない市立幼稚園として、親しまれてきました。

水戸市は当初、3カ年実施計画で見川幼稚園を存続し、改築する計画でした。見川幼稚園にも、見川小学校にも「完成予想図」がはりだされ、住民は大変喜び、期待しておりました。

ところが今年8月の地元説明会で、住民の反対が相次いだにも係わらず、廃止を決めてしまいました。これに住民が怒り、今回の署名提出となったのであります。

水戸市は廃止の理由として幼稚園の園児の増加が見込めないとしていますが、現在、見川幼稚園に通う園児は年度当初より増えています。

それなのに来年度の4歳児の園児募集を中止するなどとんでもありません。保護者からは「園児と地域との交流もでき、カリキュラムがしっかりしている、小学校のとなりにあって、卒園後、すぐに学校に慣れ親しむことができるとしても良い幼稚園だ」との声が寄せられています。当初の計画どおりに園舎の改築をすすめれば、さらに人気の幼稚園になるはずです。

高橋市長は存続をもとめる陳情署名をどのように受けとめているのか。廃止計画を撤回し、見川幼稚園を存続させる考えはないのか。

地域住民は子育てできる環境の充実をもとめています。水戸市で子育てしてよかったといえる市政の実現を市民は求めています。そのために高橋市長は地域住民の要望や意見を聞く会を開催する考えはないのか、お伺いいたします。

答弁:こども部長

中庭議員の一般質問のうち,市立見川幼稚園を存続することについての御質問にお答えいたします。

本市におきましては,共働き世帯の増加に伴う保育需要の増大や,3歳児以上を対象とする「幼児教育・保育の無償化」などにより,保育所や認定こども園への入園希望者は増加する一方,これまで,充分な定員を確保してまいりました幼稚園への入園希望は,私立も含めて減少し続ける状況となっており,とりわけ,4・5歳児を対象とする市立幼稚園への入園希望者は著しく減少いたしております。

そこで,入園者の減少する市立幼稚園については,保護者ニーズを的確に捉え,施設機能を最大限有効に活用する必要があることから,認定こども園への移行を柱とした,市立幼稚園の再編方針を令和元年度に策定し,計画的に施策を進めているところでございます。

これまでに,令和2年度に稲荷第一幼稚園,内原幼稚園を幼保連携型認定こども園に移行したほか,令和3年度に石川幼稚園を,令和4年度に浜田幼稚園,常磐幼稚園を幼稚園型認定こども園に移行し,多様化する保育ニーズに対応が可能な施設といたしました。

さらに,緑岡幼稚園,酒門幼稚園では,令和4年度から3歳児以上を受け入れる3年保育を新たに実施しております。

一方で,園児数の減少が著しく,増加が見込めない幼稚園については,教育上望ましい集団保育ができる教育環境を維持することができなくなっており,近隣に幼児教育・保育施設が充実しているなど,保護者の利便性の低下を招かぬよう考慮したうえで,これまでに,7園を廃止し,よりよい充実した環境で子どもたちの教育・保育が提供できるよう,再編に努めてまいりました。

見川幼稚園につきましては,園児数が減少し,今年度から4・5歳児を合同で保育する複式学級により運営しており,地域に住む児童の年齢別の人口や,小学校入学前に在籍していた施設の状況等について,分析を行いました結果,今後,利用増は見込めないことから,令和5年度末をもって廃止との決断をしたところでございます。

長きにわたり地域の皆様に愛され育てていただいた施設であり,存続を求める声が寄せられている状況でありますが,市内には幼児教育・保育施設が116か所と数多くあり,地域ごとの偏在は少なく,官民それぞれの特色を活かした保育を行い,保護者ニーズに合った施設選択ができる環境が整っていると考えております。

今後におきましても,保護者の方々の保育ニーズを見極め,安心して子どもを生み育てることができるよう,より質の高い幼児教育・保育環境の提供に努めてまいります。