3.新市民会館問題について

次に、新市民会館建設問題について質問します。

私達日本共産党水戸市議団は、5月24日、市民のみなさんと共に、新市民会館計画地の周辺を現地調査しました。

現地をみて、私はあらためて、狭い場所に巨大な施設をつくる問題点を実感しました。

特に、施設東側の搬入口は、大型トラック2台分だけですが、11トンのトラックは一方通行の道路からバックで入るしかありません。1台入ればもう1台は入ることが困難なほど、せまい間口です。

これでは、トラックが何台も押し寄せるコンクールや、コンサートがまともに運営できるはずがありません。

また、京成百貨店との間の地下通路と横断歩道を歩き、5億4000万円もかけて上空通路をつくることがいかにムダか、痛感いたしました。

さらに、西側の来館者の乗り降りのための車寄せは、バス2台分だけです。

自家用車の来館者は、周辺のコインパーキングを探して右往左往し、渋滞が起きることは間違いありません。

これでは2度と利用したくないという声が噴出するのではないでしょうか。

このような問題がおきることは、現地を歩けば一目瞭然ですが、市長は一体どうするつもりなのでしょうか。

立地の検討がズサンだったことが原因であり、あらためて、県警と水戸警察署との9回におよぶ交通協議記録を全面公開し、渋滞の実態を明らかにすることを求めます。

現在、水戸地裁で、税金支出差し止めと損害賠償を求める住民訴訟が行われています。

5月28日の「市民の会」の総会では、原告弁護団から「基本的な問題についても市が回答不能に陥っている」と報告されました。

まず、「3000人規模のコンベンションをどのくらい誘致できるのか」「費用対効果はどうか」「他の施設では足りないのか」「県民文化センターとどう差別化をはかるのか」など、当然の疑問にも答えがありません。

市が裁判所に出したのは「対応できる施設があれば大規模コンベンションが水戸市で行われていた可能性がある」という希望的観測だけでした。

少なくとも、年間60万人来客の根拠を示す責任があると考えます。明快な答弁を求めます。

また市長は、他のどの候補地よりも高い泉町1丁目を選びましたが、更地化するための費用の比較検討や、芸術館との相乗効果、にぎわい創出の具体的内容についても回答がありません。

こうした問題について、客観的な調査や検討もおこなわず、360億円もの税金を投じることは許されません。

すでに、4大プロジェクト全体の借金合計は349億円となっています。そのうち新市民会館の借金は、155億円を占めています。そして、水戸市の借金の総額は、過去最大の2500億円をこえました。

今後、市民会館の借金返済が本格化すれば、市民の福祉や教育、生活関連事業を圧迫することになります。

地方自治法・地方財政法にさだめた「最少の経費で最大の効果」の原則を無視し、市長が裁量権を逸脱していることは明らかです。

事業の見直し中止を求めます。答弁願います。

 

答弁:市長

新市民会館建設について,お答えいたします。

新市民会館は,芸術文化の振興,中心市街地のにぎわいや交流を創出するとともに,市民にとって誇りある優良な都市空間の構築を実現する,本市の将来にわたるまちづくりに極めて重要な施設であり,本年10月の完成に向け,順調に工事が進められております。

以前,市議会等で申し上げた「3,000人規模のコンベンション機能」という表現は,ホール,会議室等の各施設の収容可能人数を積み上げた数字であり,必ずしも,3,000人規模の催しに限定して,誘致を進めるという意味ではございません。

また,年間来館者数60万人の根拠につきましては,旧市民会館の年間利用者数や,会議室,練習室等の稼働率に加え,類似施設の状況や新市民会館の機能,施設規模,事業内容等を勘案し,設定したものであります。

昨年9月から,施設の仮予約を実施しているところであり,大ホールを利用する大規模なコンベンションや音楽コンクールなどが,令和5年度分として,すでに20件程度の利用が申請されているところでございます。

大規模なコンベンション等の開催とあわせて,各施設の利用のほか,多くの方々が,学習や安らぎのスペースとして,日常的にラウンジギャラリーやロビーなどを利用されることが見込まれることから,これまでも市議会特別委員会等において,施設区分ごとに年間来館者見込数をお示ししてきたとおり,年間来館者数60万人の実現は十分に達成が可能なものと考えております。

次に,周辺道路整備に関する,茨城県警察本部との協議資料の開示についてお答えいたします。

泉町1丁目北地区市街地再開発事業及び周辺道路整備に係る,茨城県警察本部との協議文書につきましては,水戸市情報公開条例に基づく開示請求において,一部を不開示としたことに対し審査請求がなされ,4回にわたり,水戸市情報公開・個人情報保護審査会で御審議をいただいております。

同審査会からの答申を踏まえ,一部は追加で開示していることから,適切な対応と考えております。

私は,多くの市民の皆様や各種団体等に,新市民会館を幅広く利用していただくためには,多様なニーズに応えることが可能な施設として,その機能や設備等を内外に広く周知し,新市民会館の関心を高めることがとても重要であると考えております。

令和5年7月のオープンに向けて,歩みを止めることなく万全の準備を進め,コロナ禍を乗り越え,多くの市民に感動や希望を与えられる施設づくりを実現し,まちのブランドイメージを高めてまいります。