日本共産党の中庭次男でございます。通告に従い、順次、一般質問を行います。

新型コロナ対策について

最初に新型コロナウイルス対策について質問いたします。

新たな変異株「オミクロン株」が世界的に感染拡大し、日本でも感染者が増えるなど、第6波の備えが必要となっております。
政府の専門家の分科会の中野会長代理も「感染力が非常に強く、一旦感染するとすごい速度で患者数が増える」と指摘しております。
いまから万全の予防・医療体制が必要となっています。そのためワクチン接種、医療、検査など体制の強化を求めます。

(1)ワクチン接種について

現在、3回目のワクチン接種が始まっています。

今年5月・6月のワクチン接種予約では、「何十回電話をかけてもつながらない」とか、「接種できる医療機関が少なくワクチン確保も不十分でなかなか予約がとれない」などの苦情が殺到しました。
予約受付体制の強化、ワクチン接種ができる医療機関や接種会場の十分な確保を求めますが、現状についてお聞きします。
また、3回目接種の対象者は、2回目接種から8カ月後となっていますが、前倒し実施も検討すべきです。特にクラスターなどが発生しやすい、高齢者施設の利用者や従事者については前倒しで実施することを求めますがいかがでしょうか。

(2)検査について

感染力が強いオミクロン株の拡大を防ぐには、無症状者を早期に発見し、隔離して治療することが必要であります。

特に、発症する数日前の感染力が強いといわれており、PCR検査を無料で大規模に行うことを求めます。

ところが、人口あたりのPCR検査件数は、日本は世界で141位と遅れており、第5波では、自宅療養者が死後のPCR検査で感染が判明した事例も多発しました。

こうした状況をうけ、自治体独自で検査を行う例が増えています。筑西市は今年7月から、希望する市民を対象にPCR検査を無料で実施しております。検査キットを市役所と保健センターの窓口で配布し、すでに1829人が検査を受けたとのことです。

そのほか、日立市や笠間市でも独自に検査を実施しております。そこで、水戸市も無料のPCR検査を実施すべきと考えますがいかがか、答弁を求めます。

(3)医療体制の拡充について

急激な感染拡大がおきた今年8月、コロナ患者を受け入れる病床が不足する事態となりました。
コロナが陽性でも入院できない「原則自宅療養」とされたため、十分な治療がうけられない方が続出し、茨城県で最大1801人、水戸市内でも145人が自宅療養となりました。全国では自宅療養中に病状が悪化して250名が亡くなっています。
このような悲劇を繰り返させないためにも、万全の医療体制が求められます。

第6波に備え、水戸市のコロナ患者のための病床確保がどうなっているのか、宿泊療養施設、医師・看護師の確保の状況についてもお聞きします。

答弁:保健医療部長

中庭議員の一般質問のうち,新型コロナ 対策 についてお答えいたします。

[ワクチン接種]はじめに,新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種となる追加接種につきましては,2回目接種を完了してから原則8か月が経過した18歳以上の方を対象に1回の接種を行うものでございます。

これに対し,岸田首相は,12月6日の臨時国会での所信表明において,感染防止に万全を期す観点から,既存ワクチンのオミクロン株への効果等を一定程度見極めた上で,優 先度に応じ,追加承認される武田・モデルナ社ワクチンを活用して,8か月を待たずにできる限り前倒しをするとの方針を示しました。

本市においても,国において前倒しに向けた要件等が具体的に示されたときは,速やかに対応できるよう,前倒し接種についても並行して準備を進めているところであり,感染拡大防止と重症化予防に向け,ワクチン接種の推進に全力を尽くしてまいります。

次に,追加接種における一般の市民に対する接種体制につきましては,1・2回目の接種時には,約120か所の医療機関を中心に接種を行ってまいりましたが,追加接種 は1回のみの接種となるため接種回数が半減するほか,キャンセル時などのワクチン廃棄を極力なくすことなどを考慮し,接種回数が多い約40か所の医療機関において個別接種を行うことといたします。

さらには,見川町の市総合運動公園体育館において大規模接種を実施するほか,赤塚のミオスにおいて集団接種を実施いたします。なお,各会場への移動手段の支援といたしまして,1・2回目の接種時と同様に,移動困難者に対し,申請によりタクシー券を発行するほか,高齢者への接種が中心となる期間は,大規模接種会場と水戸駅及び赤塚駅間において無 料の直行シャトルバスを運行いたします。

次に,市民の接種予約方法につきましては,1・2回目の接種時と同様に,インターネットかコールセンターへの電話による予約が基本となります。予約開始時の混乱発生を避けるために,電話が殺到することが予想される高齢者の予約開始時などは,コールセンターの回線数を,通常時の30回線から90回線まで増設いたします。

これに加え,1・2回目の予約時に,インターネットや電話が使えない方もいらしたことから,接種日時や接種場所,ワクチンの種類についてこだわらないことを条件に,本人の希望があれば ,申請書を郵送いただくことにより,市が接種日時及び接種会場を決定する郵送申請による予約も実施いたします。

さらには,スマートファンなどはお持ちになられているものの,インターネットによる予約方法が分からない方に対して,予約方法等についてサポートすることができる体制整備を行ってまいります。市民の安心安全な日常を一日でも早く取り戻すためにも,

今後とも,関係機関と連携を図りながら,更新されていく情報と方針に対し的確 かつ迅速に 対応 し ,あらゆる手段を講じながら ワクチンの追加接種に全力で取り組んでまいります。

[検査体制]次に,検査体制の拡充についてお答えいたします。

本市におきましては,これまで,保健所におけるPCR検査機器の増設とともに,地域検査センターの運営,公的病院等へのPCR検査機器の導入補助など,検査体制の強化を図ってきたところであります。

さらに,昨年11月からは,PCR検査等の費用が保険診療の適用となったため,かかりつけ医などの医療機関においても行政検査としてPCR検査等が受けられるようになっており,現在は,60以上の医療機関でPCR検査等が受けられるようになっている状況でございます。

また,検査の対象者につきましては,発熱等の症状のある方には医療機関や地域検査センターで,陽性者の濃厚接触者等は保健所においてと,役割分担をしながら検査を実施しているところであります。直近の実績としましては,第5波のピーク時であった8月1か月間の検査件数は, 60 以上の医療機関で約6 500件,地域検査センターで約140件,本市の保健所で約2 300件となっており,行政と民間との協働で検査体制を拡充してきた ことにより十分な対応ができたものと評価しております 。

議員御質問の,希望者が誰でも受けられる予防的検査に つきましては,感染が拡大する傾向となった場合には,県知事の判断により検査体制が拡充されることとされております。

このため,本市といたしましても,引き続き感染状況等を注視しながら,国や県,水戸市医師会等と情報を共有し,連携を密にするとともに,中核市保健所としてこれまでに培ってきたノウハウを十分に生かして,感染拡大防止のため,適切に検査を実施してまいります。

[医療体制]続きまして,医療体制の拡充につきましては,今夏の第5波において,従来よりも感染力の強いデルタ株の影響もあり,茨城県内や本市においても新規感染者が急増したところであります。県内の入院患者のピークは499人で病床稼働率は一時7割を超え,宿泊療養は最大299人となり,医療機関や宿泊療養施設がひっ迫した状況になると同時に,自宅療養者についてもピーク時には1,801人に達し,支援体制が課題となりました。本市の第5波におけるピーク時においては,入院患者は30人,宿泊療養は31人,自宅療養者は145人となり,保健所では連日聞き取りと検査の調整に追われるなど,業務量が著しく増大したところであります。感染者の療養につきましては,茨城県と市保健所がそれぞれ役割を分担して対応して おり,入院病床や宿泊療養施設の確保については県が,療養先との調整については保健所が行っております。原則として重症患者及び中等症患者は入院病床,軽症患者及び無症状者は宿泊療養施設において対応するため,県は,第6波に備えた医療提供体制として,入院病床については国が求める約760床を上回る877床,うち重症患者向けに80床を確保するとともに,宿泊療養施設については感染者が入所しやすいよう県内に17か所を確保し,約1 500室から2 600室に拡充しております。

現在,新たな変異株であるオミクロン株の感染が世界各国 で広がりを見せて おり, 第6波も 懸念され ている状況でもあることから,引き続き,感染状況を注視するとともに,県と情報を共有し,連携を密にしながら,感染 症 対策に努めてまいります。