3、加齢性難聴者の補聴器購入費の補助について

次に、加齢性難聴者に対する、補聴器購入への補助について質問いたします。
年齢を重ねると耳が聞こえにくくなる加齢性難聴は、70歳代の3分の1、80歳代では3分の2が該当するといわれています。
そこで、水戸市ではどれくらいの方が難聴となっているのか、まず、介護保険の認定調査における聴力(ちょうりょく)調査の結果をお答えください。

加齢性難聴は、放っておくと日常生活の会話が困難となり、孤立し、うつ状態に陥りやすくなる、ともいわれています。
国際アルツハイマー病協会の会議では「難聴が認知症の最大の危険因子」と指摘しており、対策が必要です。
加齢性難聴の症状が起きても、早期に補聴器を使えば、適切な「聞こえ」が維持できます。
家族や友人との会話で脳が活性化し、認知症予防や健康寿命をのばし、介護などの医療費の抑制にもつながります。
ところが、補聴器は片耳で8万円台から25万円台までと、非常に高額で、保険適用にならないため全額自己負担です。
これでは、年金暮らしの高齢者は、とても購入できません。

今年5月、水戸市議会に、「加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的助成制度の創設を求める陳情書」が提出されました。年金者組合水戸支部が署名を添えて、水戸市の補助を求めたものです。
他の自治体はどうでしょうか。東京都では14の区で支援策を実施しています。葛飾区や中央区は3万5000円、江東区は3万円の補助、新宿区は補聴器の現物支給を行っています。愛知県の設楽町(したらちょう)は、最大10万円の補助を実施しております。県内でも古河市は年間150件補助しています。

水戸市も補聴器購入に補助することを求めますがいかがでしょうか。

以上で、一般質問をおわります。

答弁によっては再質問を行います。

 

答弁:福祉部長

中庭議員の一般質問のうち,加齢性難聴者への補聴器購入費の補助についての御質問にお答えいたします。

加齢性難聴とは,年齢以外に特別な原因がない難聴のことで,耳の中にある,音を感知したり増幅する細胞が加齢によりダメージを受け,劣化や減少することにより,音の情報をうまく脳に送ることができなくなり起こるものであります。誰にでも起こる可能性があり,老化による聴覚機能の低下であるため,根本的な治療がないと言われており,日常生活での聞こえづらさを補うためには,補聴器の使用が有効な手段とされております。

補聴器につきましては,精密な医療機器であり,また,使用者それぞれの聴力に合わせて何度も調整を行う必要があるなど,高価なものとなっております。

御質問のありました,本市における令和2年度中の介護保険の要介護申請に係る認定調査のうち,聴力に関する調査の結果につきましては,対象者7,158人のうち,「やっと聞こえる」とした者の割合は40.7%,「大きな声なら聞こえる」とした者は

18.7%,「ほとんど聞こえない」とした者は0.9%となっております。

本市における補聴器購入に対する補助につきましては,身体障害者手帳をお持ちの聴覚障害のある方に対し,障害者総合支援法に基づく補装具費として購入費用の助成を行っているところでございます。

身体障害者手帳に該当しない加齢性難聴者の補聴器購入への補助につきましては,機能の低下がみられる高齢者全般に関わるものであり,全国市長会におきましては,令和4年度国の施策及び予算に関する提言の中で,補聴器購入に対する補助制度の創設などについて,必要な措置を講じることを求めているところであります。

本市におきましては,国や県,他の自治体の動向を注視しながら,総合的に検討してまいります。