[米価下落対策について]

次に米価下落対策について質問いたします。

いま農家では新型コロナウイルス感染拡大で外食の需要が激減し、さらにインバウンド需要がなくなりました。その結果、米余りと米価下落が一層深刻になっています。

今年秋の米価は農協の買い取り価格、すなわち概算金では「一等コシヒカリ」でも60キロ1万200円であり、前の年と比べて2,000円以上も下落しています。農家は米を作れば作るほど赤字になります。このままでは、日本の農業は衰退し、食料自給率もさらに減少することになります。

市内の大規模農家も米価下落で深刻な打撃をうけています。「今回の米価の下落で200万円も減収になってしまう」「機械のローン代、修理代も払えない」「このままでは農業を続けられない」と訴えておりました。

そこで米価下落を防止するために、水戸市は国に対し、外国産米(ミニマム・アクセス米)を77万トンの輸入中止を要求することです。さらに米余りを解決するために政府備蓄米の買い取りを大幅にふやすこと、買い取ったお米は生活困窮者、学生などの食料支援として活用することなどを求めてはいかがでしょうか。

いま水戸市内でも大学生がコロナ禍でバイトがなくなり、親の仕送りもへり、生活に困っている方がふえています。

水戸市独自でも余剰米を買い上げ、ボランティア団体と一緒に食糧支援をおこなってはいかがでしょうか。

さらに水戸市の農家を守るために、市独自でも米の転作作物である飼料用稲(WCS)への補助を増額し、買い取り価格の引き上げを行うことです。新型コロナによる米価下落などで農家の収入が減った場合、減収を補てんする収入保険料に対する市の補助をおこなうことを求めますがいかがでしょうか。

答弁:産業経済部長

中庭議員の一般質問のうち,米価下落対策についての御質問にお答えいたします。

はじめに,米価安定を目的とした備蓄米の買い入れにつきましては,令和3年産米に係る転作推進について国と意見交換した際,本市からも提案しておりますが,国からは,備蓄米制度を米価安定に向けて運用することは,制度の目的が異なり予定していないとの説明がございました。

ミニマム・アクセス米につきましては,国の外交に係る問題でもございますが,貿易協定に基づき国が一元的に輸入しているものであり,飼料用,加工用を中心に活用されております。

本年産米の米価下落に関しましては,価格の動向や作況を注視し,本市農家の厳しい現状を踏まえ,国等と意見交換してまいりたいと考えております。

生活困窮者,学生などへの食料支援につきましては,国は,令和2年度から,子ども食堂が備蓄米を利用できる制度を設けております。本市におきましては,国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した「水戸産農産物を活用した一人暮らしの学生支援事業」により,市内産農産物等による支援を行ったところでございます。さらなる支援につきましては,今後の国の臨時交付金の動向を見ながら検討してまいります。

次に,市独自の飼料用稲への補助についてでございますが,本市においては,飼料用稲に取り組む生産組織に対し,市独自に,取組面積等に応じた補助制度を設けており,令和2年度には,飼料用稲約94haを対象に補助金を交付しております。補助金の増額につきましては,市全体の転作作物の状況等を踏まえ,検討してまいりたいと考えております。

次に,収入保険の保険料に対する補助についてでございますが,米価下落のリスクに備えたセイフティーネットといたしましては,収入保険,ナラシ対策などがございます。このうち,収入保険は,自然災害だけでなくコロナ禍の影響による収入減など,様々なリスクに幅広く対応し,自らが生産した農産物の販売収入全体が補償対象となる制度となっております。

収入保険への加入には青色申告が必要であることから,本市におきましては,毎年,確定申告の時期に合わせ,市報やホームページを通じて,また農業者の集まる機会あるごとに,制度を周知し,加入の推進を図っているところでございます。

保険料への補助につきましては,新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用が可能なことから,今後の臨時交付金の動向と他市町村の状況に留意し,検討してまいります。