[市営住宅家賃について]

最後に市営住宅家賃について質問いたします。水戸市は今年10月から市営住宅家賃を滞納した入居者と連帯保証人に対し、滞納家賃の取り立てを法律事務所に委託するため、今年度450万円の予算を計上しました。

茨城県では今年度から県営住宅家賃を滞納して退去した人と連帯保証人に対し、東京の法律事務所に取り立てを委託しました。その結果、生活実態を無視した苛酷な取り立てがおこなわれております。

今年6月、年金暮らしの80歳の女性あてに、この法律事務所から、すでに死亡した夫が連帯保証人になっていたとして、滞納家賃の支払いを求める通知が届きました。女性は6年前に夫が死亡しており、支払うことはできないと伝えましたが、「夫に代わって、妻と子どもに払ってもらう」と冷たく通告されたとのことです。

水戸市が滞納家賃の取り立てを法律事務所に委託することは、生活実態を無視した苛酷な取り立てにつながります。

コロナ禍で失業者が増大し、生活苦が広がり、水戸市は国保税の減免や使用料の徴収猶予を行いながら、市営住宅家賃については、本人の滞納でもないものまで、厳しく取り立てることは、行政の整合性もない、市民に冷たい政治ではないでしょうか。

そもそも水戸市は昨年度から連帯保証人制度を廃止しています。

東京都は都営住宅の連帯保証人制度を廃止したのと同時に、滞納家賃は連帯保証人に請求しないことにしました。水戸市も同様に連帯保証人に対し滞納家賃の請求を実施しないことを求めます。以上で一般質問を終わりますが、答弁によっては再質問をいたします。以上

 

答弁:都市計画部長

中庭議員の一般質問のうち,住宅行政についてお答えいたします。

本市では,滞納整理について,指定管理者である茨城県住宅管理センターとの連携のもと,滞納が生じた時点で文書催告や訪問指導等を丁寧に行うこととし,滞納額が少額のうちに対応を図るよう努めているところですが,一方で,納付相談等にすら一切応じない滞納者につきましては,負担の公平性の観点から滞納家賃等の支払い及び住宅等の明け渡しを求める訴えの提起を行うこととしております。

しかしながら,このようなケースで長期にわたり累積した過年度滞納額のうち約40%は退去済者であり,これらの退去済滞納者は訪問等が困難な場合が多く,文書や電話での催告に限定され滞納整理が一向に進まないのが現状でございます。

このため,退去済滞納者の有効な対応として,他市の事例を参考に十分検討した上で滞納家賃等の債権回収業務を弁護士法人へ委託することとしたもので,現在,契約に向け準備をしているところでございます。予算額は,450万円でございますが,完全な成功報酬であり,成果がなければ支出は生じないもので,回収金額の30%を弁護士法人へ委託料として支払う予定でございます。

なお,対象件数につきましては,約50件を予定しております。

今後,早急に契約締結し,適正な債権回収に努めてまいります。

次に,連帯保証人についてのご質問でございますが,昨年4月1日施行の条例改正により,新規入居に際し連帯保証人を求めないこととなりましたが,令和元年度までは債務を負担する旨の誓約書をいただいております。

このため,連帯保証人へ滞納家賃を請求せざるを得ない場合につきましては,滞納者に代わり納付をいただいている他の連帯保証人との公平性の観点から適切な対応であると考えております。

また,施行日以前からの入居者であっても,家賃滞納がない場合などは届出により連帯保証人を外すなど個別事情を勘案し柔軟な対応をしているほか,連帯保証人へ滞納家賃の支払いを求めざるを得ない場合におきましても,対話を中心に,収入,家族構成等を聞き取りながら支払い能力を慎重に判断した対応をとっており,今後も同様に対応していきたいと考えております。