中庭次男市議は、2020年3月議会で、市立幼稚園の廃止計画はやめ、ふべての市立幼稚園で3年保育の実施、給食の提供など幼稚園教育の充実を主張しました。以下はその質問と答弁の全文です。

[中庭質問]
水戸市の公立幼稚園の廃止計画を中止し、幼稚園教育の充実について質問いたします。
水戸市は今年4月から五軒幼稚園を廃止し、その後の2年間で公立幼稚園、8箇所を廃止する「水戸市立幼稚園の再編方針」を発表しました。
この再編方針は幼稚園の父母、教師、地元の住民などの意見を聞くこともなく廃止を決め、2月26日の文教福祉委員会で突然、発表しました。その1カ月後に廃止するとはあまりにも、住民無視の行政ではないでしょうか。
今回の廃止する基準も来年度の園児が19名以下であれば、機械的に廃止す
るものであります。地域の実情も鑑みることもありません。
なぜ19名なのか、父母や教師、住民の声を聞かなかったのか、お答えください。
市内の公立幼稚園には520名の園児が在籍し、幼児教育でも大きな役割をはたしています。
今回の「再編方針」では廃止する8園以外にも、寿、吉田が丘、笠原、見川の4つの幼稚園についても今後の園児数を見て廃止するかどう検討するとしています。その理由は給食の提供が困難だからとしています。存続させるために給食を提供すべきではないでしょうか。

見川幼稚園の完成予想図

見川幼稚園はプレハブ教室だから廃止を検討するとしていますが、水戸市の3カ年実施計画で2年後に新しい園舎が完成します。(写真) 父母や住民は完成予想図をみて、期待を膨らましております。見川幼稚園は60年の伝統を持ち、地元の寄付によって建設され、地域に愛されてきました。3カ年実施計画どおり改築し、存続すべきであります。
水戸市がおこなうべきことは、廃止ではなく公立幼稚園の充実であります。公立幼稚園は現在、4歳、5歳児の2年保育でありますが、3年保育に延長すること、すべての公立幼稚園で送迎バスを運行し、給食も実施することを求めます。そうすれば、園児もふえ、廃止する必要がなくなりますが、お答えください。

[教育部長答弁]
次に,幼稚園行政についてお答えいたします。
幼児期の教育は,生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり,適切な保育環境のもとで,質の高い幼児教育の実践が求められております。近年は,共働き世帯の増加に伴う保育需要の増大や令和元年10月から実施された幼児教育・保育の無償化などにより,保育所や認定こども園への入所希望者が増加しております。
一方で,4歳児・5歳児を対象とする2年保育の市立幼稚園につきましては,少子化が進行する中,入園希望者の減少が続いており,子どもたちの集団保育による学びや,保育需要の増大に対応した幼児教育・保育施設のあり方が課題となっています。
本市におきましては,平成29年度に保護者,子育て支援団体,幼児教育・保育施設の関係者等で組織した「水戸市立幼稚園・保育所あり方検討会」からいただいた提言や,議会からの,認定こども園への移行や,3年保育の実施などについての提案を受け,子どもたちの集団保育による学びの観点や,保育ニーズ等の動向を踏まえ,認定こども園への移行などを柱とした,再編方針を策定したところでございます。
市立幼稚園の再編方針は,保護者の方々の保育ニーズを的確に捉え,人的,物的資源を効果的に活用し,保育所待機児童の解消にも資する幼稚園型認定こども園等への移行や,通級指導教室の充実を図るための方針でございます。
ご質問の,市立幼稚園の廃止についてですが,本市では,「水戸市幼児教育の振興に関する政策プログラム」に基づき,集団保育による教育的効果を高めるため,4歳児・5歳児が合わせて20人未満の園については,複式学級を導入することとしております。
しかしながら,少子化や保育ニーズの大きな変化により園児の減少傾向が明らかな園については,集団生活や活動の中で,子ども同士が,学びあい育ちあうという幼児教育・保育の実現に向けて,募集停止等により,在園児がゼロの時点で廃止することとしたものです。また,来年度,在園児がゼロとなる五軒幼稚園におきましては,今議会において,廃止の条例案を提出しているところであります。
次に見川幼稚園についてでございますが,見川幼稚園は,3か年実施計画において,2年保育の幼稚園整備を行う予定としております。そのため,再編方針では,2年保育を行っている市立幼稚園の充足率が20%台となっている現状において,整備方針の再検討をすることとしたものでございますので,御理解願います。
議員ご提案の,幼稚園を魅力ある施設にするための3年保育の実施,送迎バスの運行,給食の提供等につきましては,モデル事業として,給食の提供を行っている,国田幼稚園,飯富幼稚園では,来年度,新4歳児の入園希望者が5人にも満たない状況にあります。また,送迎バスの運行を行っている稲荷第二幼稚園では,来年度,新4歳児の入園希望がないなど,十分な効果が表れていない状況にあります。
3年保育の実施につきましては,この度の再編計画において,緑岡幼稚園及び酒門幼稚園において行うこととしております。
また,浜田幼稚園など3園につきましては,保育の必要性の有無にかかわらず,3歳以上の児童を受け入れることができる,幼稚園型認定こども園に移行することとしております。
今後におきましては,保護者や地域の方々に十分御理解をいただきながら計画的に施策を展開し,より質の高い教育・保育環境の提供に努めてまいります。