見川小学校の開放学級(学童クラブ) プレハブ教室

2020年3月水戸市議会の一般質問で、開放学級の専用教室の確保と支援員の待遇改善と民間委託の中止を主張しました。下記はその質問と答弁です。

[中庭次男議員の質問]
最初に開放学級について質問いたします。
安倍首相は新型コロナウイルス対策では専門家の意見を聞くこともなく、小・中学校、高校、特別支援学校を3月から一斉休校とし、教育現場では大混乱になりました。学校は朝8時から開放学級を実施するため、支援員の確保などに追われました。
いま水戸市がおこなうことは、共働きの家庭にとって、開放学級が児童にとって、安全に楽しくすごせるように充実することではないでしょうか。
市内の開放学級の利用定員は2,670人に対し、利用人数は3,500人と830人も定員を超えています。
見川小学校の開放学級もプレハブ教室を使い、定員40名の教室に3倍の108名が利用しています。教室が狭く支援員からは保育が十分にできないとの声もよせられおり、早急な増設を求めます。
次に増設には支援員の確保が不可欠であります。現在の支援員は非正規職員で4時間程度の勤務で賃金は少なく、社会保険も有給休暇もありません。これでは支援員の確保は困難であります。
埼玉県川越市では来年度の学童保育の指導員を25名募集し、43名が応募しました。募集内容は給与が月17万7,600円、有給休暇もあり、社会保険もあります。水戸市でも川越市のように待遇を大幅に改善すれは、支援員の確保ができます。改善する計画はあるのか、答弁を求めます。

次に開放学級の専用教室の確保についてお伺いいたします。
専用教室を持っているのは半数であり、残りはプレハブ教室、図工室などを共有して使っています。今後の専用教室の増設計画についてお答えください。

次に民間委託についてお伺いいたします。
水戸市は今年4月から市内の13の小学校にある35の開放学級を民間委託するため今年1月に入札を行い、シダックス、アンフィニの2社に委託すること決めました。
これは父母や学校関係者、議会の意見もきくことなく、突然行なわれたものです。
今年度、梅が丘小学校の開放学級を試験的にシダックスに民間委託しましたが、どのような問題点、課題があるのか、検証もなしに35の開放学級に委託を拡大すべきでありせん。
民間委託の問題点として「3年ごとに競争入札が行なわれるため、不安定雇用の支援員しか雇用できない」「次回の委託を確保するためには委託料を少なくするため、人件費の削減により支援員の確保が一層困難になる」と指摘されております。教育行政の重要な役割をはたしている開放学級を民間会社の利潤追求の場にしてはなりません。民間委託の中止をもとめるものであります。

答弁(教育部長)
中庭議員の一般質問のうち,教育行政についてお答えいたします。
はじめに,開放学級についてでございますが,近年,核家族化や共働き世帯の増加等,家庭を取り巻く環境が大きく変化する中,開放学級のニーズが年々高まってきており,放課後等に子どもたちが安心して過ごすことができる居場所を提供する開放学級の充実は,早急に取り組むべき重要な課題であると認識しております。これまで,本市では,入級を希望する全ての小学校6年生までの対象児童を受け入れるという目標を掲げ,段階的に学級数を拡大しながら,受入れ対象学年の拡大を図るとともに,民間学童クラブに対する助成についても大幅に拡充し,目標の実現に向けて取り組んできたところであります。

開放学級の増設につきましては,余裕教室の活用や開放学級専用棟の建設により,本年度は,昨年度と比較して5学級増の67学級に拡大したところです。令和2年度につきましては,すべての開放学級において6年生までを受け入れることから,受け入れに必要な学級数を,学校の余裕教室等を活用し,確保してまいります。
次に,支援員の処遇改善についてですが,これまでも,勤務日数等に応じて社会保険への加入や,年次有給休暇の付与を行っております。また,本年度は,1時間相当の報酬額を昨年度の900円から1,000円に引き上げを行うとともに,開放学級の運営等に対し,具体的な指導・助言を行う訪問指導員の増員を行い,支援員のサポート体制の充実に努めたところです。

令和2年度につきましては,支援員はこれまでの嘱託員から会計年度任用職員となりますので,新たに,通勤にかかる費用や,勤務時間数に応じて,期末手当の支給を行うなど,さらなる処遇改善が図られます。
次に,専用教室の確保につきましては,国が平成30年度に策定した「新・放課後子ども総合プラン」において,新たな学級の整備に際しては,学校施設を徹底的に活用することとしております。本市においても,学校の余裕教室の活用を基本とし,不足する場合は開放学級専用棟を建設することとしておりますので,御理解願います。

次に,民間委託についてですが,本市では,梅が丘小学校において,6年生までの受入れ拡大及び待機児童の解消並びに事業内容の質の向上を目指し,民間活力活用モデル事業を実施いたしました。その結果,6年生までの全ての対象児童の受入れが可能となり,同校の待機児童が年間を通じてゼロになるとともに,放課後子ども教室の充実が図られております。
このモデル事業の成果を踏まえ,本年度,開放学級利用児童の保護者,市PTA連絡協議会の役員,学校関係者,学識経験者,支援員等に,開放学級及び放課後子ども教室の今後のあり方について,広く御意見を伺ったところであります。その中で,近接する複数校単位で民間委託することで,学校間の相互連携による支援員の弾力的な配置により,待機児童の解消や対象学年拡大のための課題となっていた,支援員の確保が可能となり,開放学級の安定的な運営に向けて,民間委託は有効であるとの御提言をいただきました。
これを踏まえ,民間委託に係る市の考え方を整理し,昨年11月に開催された文教福祉委員会において,民間委託に向けての経緯や方針,委託の内容,直営と委託の場合の経費比較等について,御報告申し上げたところです。
今後は,全校での民間委託を推進することとし,その第1段階として,6年生までの受け入れがなされていない学校や待機児童の多い学校を中心に,13校について,令和2年4月から委託するための予算を,今議会に提案しているところでございます。また,民間事業者の職員となる支援員につきましても,業務委託仕様書において「開放学級業務従事者の処遇については,本市の報酬額を下回らないようにする等配慮すること」としており,処遇に差は生じないものと考えております。
このたびの民間委託は,国が「新・放課後子ども総合プラン」において進めている開放学級と放課後子ども教室の一体的な運営を委託するものであり,放課後子ども教室の充実につきましては,今後,全校で民間委託することにより,どの地域においても,子どもたちの参加の機会が拡大されるなど,市民サービスの向上につなげるものであります。
今後におきましては,開放学級と放課後子ども教室の一体的な運営について,スピード感をもって民間委託を推進し,全ての開放学級の開設時間を午後6時30分までに延長するなど,保護者のニーズに応じたサービスを提供するとともに,放課後等の学習支援の充実など,いわゆるアフタースクール的な要素も十分に取り入れ,放課後等における児童の健全育成を一層推進してまいります。