2024年6月議会 一般質問と答弁 高齢者の補聴器購入の補助について

日本共産党水戸市議団の中庭由美子です。通告に従って一般質問をします。

始めに、高齢者の補聴器購入の補助について質問します。

私は昨年の6月議会と12月議会で加齢性難聴ついて取り上げました。

難聴によりコミュニケーションが困難になると、家族や社会から孤立し、うつ病やアルツハイマー病協会では認知症の原因にもなると言われています。聴力低下は危険を察知する能力も低下するので、聞こえなければ、交通事故や転倒、災害時の逃げ遅れなどの生死を左右するリスクも増加します。

日本補聴器工業会の調査では難聴だと感じている人の補聴器所有率は約15%と低い状況ですが、その要因の一つは、補聴器は片耳で機種によっては20万円と高額なことにあります。基本的に両方の耳に使用したほうが良いと言われていますが、保険適用にならないため全額自己負担です。

かつて白内障の手術も1992年までは保険適用がありませんでした。白内障は70歳代では約8割の方がかかり、保険適用前は片目の手術で約15万円と高額でしたので、手術をあきらめてしまう人が多くいました。しかし多くの国民の願いや要望により、1992年から保険適用になりました。わたしはその当時、看護学校で学んでいましたが、このニュースに多くの患者さんが喜び、その後急速に手術する人が増えていったのを今でも覚えています。

市民は年金から補聴器を購入するお金を捻出するのが大変だとして3年前に全日本年金者組合水戸支部から、水戸市議会に公的助成制度の創設を求める陳情が提出され、全会一致で趣旨採択されました。

県内でもこの1年で以前から補助を開始していた4市町村から今年度から、つくば市、土浦市などの9市町村に広がりました。

水戸市でも直ちに高齢者の補聴器購入に補助を実施すべきと求めます。そして同時に高齢化社会が進行する中で、白内障のように、補聴器を保険適用することを国に強く求めるべきと考えますがいかがでしょうか?

 

答弁:福祉部長

中庭議員の福祉行政の御質問のうち,高齢者の補聴器購入費補助についてお答えいたします。

難聴は,日常生活に支障を来たし,家族や社会からの孤立化につながることから,国においては,認知症を進める危険因子の1つとされております。

本市における補聴器購入に対する補助につきましては,障害者総合支援法に基づく補装具費として,身体障害者手帳をお持ちの聴覚障害のある方に対し,購入費用の助成を行っているところでございます。

また,身体障害者手帳に該当しない加齢性難聴の方への対応策を検討するため,昨年度,耳鼻咽喉科医へヒアリングを実施いたしました。その際,難聴の進行により静かな環境に慣れてしまうと,補聴器を使用することに抵抗感を感じてしまう傾向にあり,早期からの対応が重要であるとの御意見をいただいたところでございます。

こうした御意見を踏まえ,今年度から,「高齢者の聞こえの講座」として,言語聴覚士の講話や問診票による耳の聞こえ度チェックを実施してまいります。身体障害者手帳を取得するほどの重い症状ではないものの,軽度・中等度難聴により生活のしづらさを感じている高齢者は,潜在的に多く存在すると考えられており,本事業を通して,まずは耳の聞こえづらさを早期に気づき,対応することの必要性を市民に知っていただき,医療機関への受診につなげてまいりたいと考えております。

補聴器購入への補助につきましては,聴覚機能の低下がみられる高齢者全般に関わるものであり,国において制度設計を行うべきであると考えております。今後も引き続き,国や県,他の自治体の動向を注視しながら,全国一律の公的補助制度の創設に向けて全国市長会等を通じた働きかけを行うとともに,補聴器についての正しい理解を深めるための周知啓発や,難聴を早期発見する仕組みについて調査・研究を進めてまいります。