2016年12月市議会の一般質問で中庭次男議員は、新市民会館の設計で既に選定された伊東豊雄建築設計事務所の取り消しをもとめました。以下はその全文です。

〔中庭次男議員の質問〕

水戸市が設計を委託した伊東豊雄建築設計事務所を選定した問題について質問します。

伊東設計事務所は岐阜市の「ぎふメディアコスモス」(図書館)の設計を行ない、昨年2月に完成しました。

ところが完成した6日後からこれまで67カ所におよぶ雨漏りが発生し、屋根に19ヶ所の水たまりができ、いまだに雨漏りがとまりません。

さらに完成1年後の今年2月の市の調査でも、雨漏りに加え、コンクリートやガラスのひび割れ、手すりの腐食、空調設備配管のはがれなど、570カ所の不具合が発見されました。

いまだに雨漏りがとまらず、屋根を一旦撤去して原因を解明しなければならないと建設会社も議会で答弁しているほどです。岐阜市議会文教委員会では複数の議員から「欠陥のある建物だ」との指摘もありました。

水戸市が伊東設計事務所を選定した1年前にメディアコスモスでこのような重大な事態を引き起したにも係わらず、水戸市は調査することもなく、今年3月に選定した責任は重大であります。選定取り消し、計画の中止を行うべきでありますが、答弁を求めます。

 

〔市民協働部長の答弁〕

建築設計についての御質問にお答えいたします。

新市民会館等施設建築物の設計候補者の選定につきましては,泉町1丁目北地区市街地再開発準備組合から市に,選定方法の検討や必要となる手続の実施について協力依頼がありました。本市といたしましては,再開発事業で整備する施設建築物の大半が新市民会館となることから,新市民会館整備の基本理念,基本方針を実現するために,市において候補者の選定に関する事務を行うこととしたものであります。

候補者の選定に当たりましては,建築,文化政策,ユニバーサルデザイン等の分野の学識経験者からなる「水戸市新たな市民会館等施設建築物設計候補者評価委員会議」を設置し,公募型プロポーザルを実施いたしました。

評価に当たっては,提案に対して客観的かつ公平・公正な評価を行うため,プロポーザルへの参加者名を伏せて,評価を行っており,御指摘の事案については把握しておりませんでした。

新市民会館等施設建築物の設計につきましては,契約当事者が準備組合と設計者であり,あわせて契約が履行されている状況にあります。

本市といたしましては,本市が補助金を支出する立場であることから,他市での事案を真摯に受け止め,新市民会館では,そのような問題が起きないよう,準備組合及び設計者と十分に協議をしてまいります。

新市民会館の整備については,芸術文化の拠点形成を図り,本市の中心市街地でのにぎわい,交流を創出するとともに,市民にとって心の豊かさや優良な都市空間の構築を実現するものであり,本市の将来にわたるまちづくりに,極めて重要な事業であると考えております。

今後とも,準備組合や設計者をはじめ,関係者と積極的に意見を交換しながら,新市民会館の早期の整備に向け,全力で取り組んでまいります。以上