加齢性難聴者の補聴器購入に市補助の実施を
次に、高齢者が耳が聞こえづらくなった場合の補聴器購入に対して、市が補助することを求めて質問します。
昨年度、市が介護認定の際に行った聴力調査によると、普通の会話が「やっと聞こえる」と答えた方が4割、「大声なら聞こえる」が2割にのぼり、6割もの高齢者が難聴という結果でした。
水戸市でかなり多くの高齢者が難聴に悩んでいます。
難聴は日常生活の会話が困難になるだけでなく、国際アルツハイマー病協会は認知症の最大の危険因子とも指摘しています。
補聴器は保険適用にならないため全額自己負担ですが、片耳で8万円台から40万円と高額です。
そのため年金暮らしでは購入できず、補聴器を使用しているのは1割から2割程度とされています。
水戸市議会では昨年12月、年金者組合水戸支部より出された「加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的助成制度の創設を求める陳情」が全会一致で趣旨採択されました。
私は昨年12月議会でも実施を求め、福祉部長は「他自治体の状況を調査し、検討する」と答弁しました。
どのような調査をしたのかお答えください。
いま補聴器購入に補助する自治体が全国で増え続けています。この1年間で2倍、100を超える自治体で補助が始まっています。
東京都港区は、今年4月から制度を開始し、1人上限13万7000円の補助を実施しています。5か月間で273人が補助をうけ、補聴器を購入でき、大変喜ばれているとのことです。
水戸市でも早急な実施をもとめますが、見解をお伺いいたします。
以上で、第1回の質問をおわります。
答弁によりましては再質問いたします。
答弁:福祉部長
次に,加齢性難聴者の補聴器購入費の補助についての御質問にお答えいたします。
加齢性難聴とは,年齢以外に特別な原因がない難聴のことで,耳の中にある,音を感知したり増幅する細胞が,加齢によりダメージを受け,劣化や減少することにより,音の情報をうまく脳に送ることができなくなり起こるものであります。誰にでも起こる可能性があり,老化による聴覚機能の低下であるため,根本的な治療がないと言われており,日常生活での聞こえづらさを補うためには,補聴器の使用が有効な手段とされております。
補聴器につきましては,精密な医療機器であり,また,使用者それぞれの聴力に合わせて何度も調整を行う必要があるなど,高価なものとなっております。
本市における補聴器購入に対する補助につきましては,身体障害者手帳をお持ちの聴覚障害のある方に対し,障害者総合支援法に基づく補装具費として購入費用の助成を行っているところでございます。
身体障害者手帳に該当しない加齢性難聴者の補聴器購入への補助につきましては,聴覚機能の低下がみられる高齢者全般に関わるものであり,全国市長会におきましては,今年度実施した国に対する提言の中でも,補聴器購入に対する補助制度の創設などについて,積極的な措置を講じることを求めているところであります。
今年度,助成制度を実施している自治体につきましては,中核市においては,全62市中5市で,県内では古河市のみとなっております。現在,これらの自治体について,事業目的や制度を開始したきっかけ,制度を実施した効果等について調査を行なっているところであります。
引き続き,国や県,他の自治体の動向を注視しながら,他の高齢者福祉サービスの状況も踏まえ,総合的に検討してまいります。