4.中小企業・小規模事業者の資金繰り支援について

市が応援するべきは、経営危機に見舞われている市内中小企業です。

帝国データバンク水戸支社の発表によると、2023年の県内企業の倒産は135件で、休業や廃業は2年連続で増加しています。

資金繰り支援が縮小する一方、原材料高騰や電気代など物価高、人件費・物流コストの増加、過剰債務など、四重五重の経営問題が押し寄せています。

さらに追い打ちとなるのが、コロナ禍で実施された実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済です。2020年3月に開始されたこの融資は、返済据え置き期間が最大3年のため、今年4月に返済のピークを迎えるのです。

国は、返済負担を軽減する「コロナ借り換え保証」を始めましたが、ハードルが高く、利用しづらいと指摘されています。

ゼロゼロ融資を別枠にして新規融資を可能とすることや、債務の減免、直接支援を行わなければ、倒産や廃業が増えかねません。

特に、休廃業時の経営者は平均72歳で、後継者にバトンタッチできない「あきらめ廃業の広がり」も懸念されています。

中小企業の苦境を救い、経営を守ることは緊急課題であり、市の資金繰り支援を充実する必要があると考えますがいかがか、答弁ねがいます。

答弁者  産業経済部長

田中議員の代表質問のうち,中小企業,小規模事業者の資金繰り支援についての御質問にお答えいたします。

中小企業を取り巻く経営環境は,新型コロナウイルス感染症の影響が緩和しつつあるものの,長期化する物価高の影響等により依然として厳しい状況が続いております。

そのような中で,コロナ禍における資金繰り支援策である無利子,無担保による融資,いわゆるゼロゼロ融資について,融資を受けた多くの事業者が返済開始時期を迎えております。

そのため,国におきましては,融資の借換え保証制度を創設し,新たに長期的な返済期間や据置期間を設定することで,返済負担の軽減を図るとともに,ゼロゼロ融資の融資限度額を上回る貸付を可能とすることにより,事業再構築等の前向きな取組に係る新たな資金需要にも対応しているところであります。

また,県におきましては,経営状況の改善や新分野への進出,事業承継に係る資金など,事業者の状況や目的に応じた融資のあっせんを行っております。

本市におきましては,国や県の支援策の周知を図るとともに,これまでの制度を活用した,事業の運転資金や設備資金として低金利かつ保証付き融資のあっせんを行うほか,それに伴う返済利子及び信用保証料に対する補助を実施しております。

さらに,日本政策金融公庫の小規模事業者経営改善資金,いわゆるマル経融資における返済利子の補助のほか,融資の保証限度額の増額等を可能にするセーフティネット保証など,各種金融支援策に取り組んでいるところであります。

今後とも,国や県等と連携しながら,国の保証制度等の各種金融支援策の活用を促進するとともに,社会経済状況など,事業者を取り巻く環境の変化に応じた資金繰り支援に努めてまいります。